劇場公開日 2022年6月17日

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「傑作でした。」恋は光 komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0傑作でした。

2022年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

私的には文句のつけ所のない傑作でした。

主人公の大学生の西条(神尾楓珠さん)は、恋をしている女性が光って見えるという特異体質。
西条は自身が恋愛には無縁なので、恋する女性が光って見えても迷惑なだけ。

しかし西条が、浮世離れした文学少女の東雲(平祐奈さん)との出会いから、「恋とは何か?」を、幼馴染の北代(西野七瀬さん)、大人な女性の宿木(馬場ふみかさん)とそれぞれの関係性の中で探っていくストーリーです。
いわば「恋とは何か?」を哲学する映画になっています。

しかしその「恋とは何か?」の探求は、それぞれの深い心情にまで最後は到達することになります。
その深さを、さりげない岡山の日常的風景の美しさを背景に、軽やかに描いてる所にも素晴らしさがあったと思われます。

セリフの一つ一つにもハッとさせられる言葉も少なくなかったです。
そして登場人物の誰もが少し変わっていて、しかしそれぞれが魅力的に描かれています。

セリフは核心をついているのに不自然でなく、それぞれの人物描写も普通でないのにありそうという絶妙なバランスは、本当に優れた表現者でなければ描けないのでないかと一方で思われました。

そしてこの軽やかさが続く中で、最後には映画や物語(つまり人間)にとって普遍的な深さまで到達するのを見た時は感動すら思われました。
軽やかさと深さとを両立させるのはなかなか出来ないことだと思われています。

ラストまで見て、文句なしの傑作だと最後に拍手を送りたくなりました。

映画は細部にまで行き届いていると思われました。
それはファーストカットとラストカットの選択にも現れているようにも私は感じました。

ただ映画自体は軽やかに楽しく面白く、それぞれの登場人物も含めて魅力的に描かれています。
なのでさらりと気楽に楽しんで欲しいと思われています。

このような素晴らしい作品がちゃんと評価され、同様の作品がもっと増えるためにも、気になってる人はぜひ映画館で見て欲しいと思われています。
あるいは今後も口コミで評価されて行けばと思われています。

素晴らしくも素敵な作品をありがとうございました。

komagire23