「漫画原作実写化映画の成功例」恋は光 sayukiさんの映画レビュー(感想・評価)
漫画原作実写化映画の成功例
西野七瀬さん目当てで作品自体にはさほど期待せずに観に行きました。が、観終わった後、小林啓一監督に全力で土下座したくなる程面白ったです。
会話劇であるのに全体的に吃る台詞が多めなのが少し気になり星0.5マイナスしてますが、神尾楓珠さんの高い演技力がそれをあまり嫌な風に感じさせなかったのは流石の一言でした。喜怒哀楽が分かりづらく個性的な口調で何よりファンタジーな能力を持っている西条を、とても自然な形で演じていて本当に素晴らしい俳優さんだと思います。
平祐奈さんはピュアで浮世離れしてる東雲そのものでした。彼女が交換日記を書く事の高揚感を西条に伝えるシーンや、北代と縁側で酌み交わすシーンは東雲以上に東雲でした。
個人的に一番意外だったのが宿木扮する馬場ふみかさんです。原作よりも刺激的な彼女のキャラクターが本作にとても良いスパイスを与えていたのは間違い無いでしょう。冒頭の腕組みしながらのシーンは強烈に脳裏に残ってます。今後も気になる女優さんです。
最後に目当ての西野七瀬さん。最近は演劇、CM、TVドラマ、映画と幅広い舞台で様々な役を演じて活躍されていますが、中でも北代は屈指のハマり役だと感じました。彼女の自然体と時折見せる儚さは、アイドル時代の彼女らしさと卒業後に積み重ねてきた女優西野七瀬の双方を感じさせてくれました。
原作の物語を2時間に収めるのに最高の脚本だと思いました。会話の間の取り方や風景の見せ方も上手で、演出がとても良かったです。
上映会場が少ないのがネックですが、是非劇場で見て欲しい作品です。