劇場公開日 2022年4月29日

「キャストの顔をアップにしなくても、俳優陣の魅力が十分に伝わる一作。」劇場版ラジエーションハウス yuiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0キャストの顔をアップにしなくても、俳優陣の魅力が十分に伝わる一作。

2022年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

原作もドラマも未見のまま鑑賞した観客による感想です。

作中では頻繁に、複数の物語、事件の同時進行が生じるのに、医療ドラマにありがちなせわしないカメラワークを使わずに、手際よく状況を見せてくれる演出の方向性がとても心地よく感じました。ちょっと盛り上がってくると一人ひとりの表情をアップで見せるショットが乱発される点には、「使い古くない!?」と思わなくもなかったけど。そこまで強調しなくても、俳優陣はみんな良い演技をしているのは十分伝わってくるのに!

実際の医療関係者が監修に入っているとのことで、手術前の緊迫した場面などに強い説得力を感じました(実際の医療現場を見聞きしたことのない観客の印象なので、最前線にいる専門家の方々はまた違った感想を持つかも知れませんが)。一方で、後半の展開はスタッフ達の見せ場を作ることに執着するあまり、ちょっと現実ではあり得ないのでは?と疑問を持ってしまうような内容で、やや興ざめしてしまいました。あのような緊迫した状況であれば、一医療機関のスタッフではなく、「あの組織」が出動するはずなんだけど…(画面内にちょっとだけ映っていたけど)。この部分についても、専門家の監修を入れるべきだったのでは…。

とは言っても、主要キャストが非常に魅力的に描かれているので、本作を観ることで、さらに原作、ドラマ版にも触れてみたい、と思わせる魅力は十分にありました。

yui