劇場公開日 2022年4月29日

「チーム・ラジハの絆を描く」劇場版ラジエーションハウス おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5チーム・ラジハの絆を描く

2022年5月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

放射線技師・五十嵐唯織の活躍を描くテレビドラマ「ラジエーションハウス」の劇場版。テレビシリーズは毎週楽しく視聴していたので、劇場版もさっそく鑑賞してきました。テレビシリーズの流れを踏襲しつつも、舞台を病院の外に広げ、スケールアップした展開で、それなりに満足できる仕上がりでした。

ストーリーは、父の危篤の知らせを受け、甘春杏が美澄島を訪れている最中、出産間近の夫婦が交通事故で甘春病院に運び込まれる前編と、美澄島で原因不明の感染症が広がる後編を通して、ラジハチームの活躍を描くというもの。

医療ものらしく涙を誘うシーンが多く、わかっていてもついつい涙腺が緩んでしまいました。中でも、事故で重体となった妻に、夫役の山崎育三郎さんが呼びかけるシーンは泣けました。後半は、自身の進退をかけてまで仲間の窮地を救おうとする、ラジハのチームワークにまたもや涙。そんな中で、技師として成長した広瀬裕乃、医師として一皮むけた甘春杏を通して、チーム・ラジハの絆の強さを描いていたのがよかったです。「頼り合う」というより、各自がベストを尽くして「信じ合う」感じが熱いです。うちの職場もこうありたいものです。

主演は、窪田正孝さんで、彼らしい安定の演技です。ヒロイン本田翼さんも、かわいさ全開でよき。脇を固める、遠藤憲一さん、広瀬アリスさん、浜野謙太さん、山口紗弥加さん、丸山智己さん、八嶋智人さん、矢野聖人さんら、ラジハメンバーもそれぞれに見せ場があり、安定の布陣です。

ツッコミどころはもちろんありますが、ほどよく織り込まれた軽いノリとテンポのよさで、なんとか押し切っています。それより、明らかに別のエピソードである前後半のつながりの悪さの方が気になりました。せっかくの劇場版なので、前後半にもう少し関連性をもたせるか、離島の感染症をメインに据えて話を広げるかして、もっと脚本が練り込まれていれば、より感動的な作品に仕上がったのではないかと思います。

とはいえ、ラストは一応の区切りをつける締め方で、持ち越され感がなかったのは好印象です。テレビシリーズから続く人物相関はあるものの、初見でも察して理解できる内容なので、多くの方にお勧めできる一本です。

おじゃる