「充分に面白い」バブル callさんの映画レビュー(感想・評価)
充分に面白い
賛否両論というより、☆3がボリューム層で面白いと感じた側と、面白くないと感じた側に分かれていく感じでしょう。
内容、良い点・悪い点についてはほかの皆さんがいくらでもレビューしてくださっているので割愛。
大きく評価が分かれた点は「説明不足」と「キャラの掘り下げ」「ストーリーの深み」あたりでしょうか。
個人的には説明不足とは思っていません。
泡に関しても「ああ、なるほど。こんな感じの背景があるんだろうな」と、なんとなく察せます。
で、その察しがあっていようが間違っていようが、特に問題ではなく、
すべての事実関係を説明台詞等で明言されて、解き明かされなければ消化不良になる人には向かないです。
なんとなくわかった気になって、それで満足できるのであれば、楽しめたと思います。
キャラの掘り下げについては二時間かそこらであれだけのキャラを掘れるわけもなく。
いわく「キャラ萌え」的な期待をしていた人、あるいは自分がキャラクターを理解・把握できることを求める人には物足りないかと。
ストーリーについては人魚姫をあの世界観で焼き直したのであれば、あれで充分です。
酷評を見てから見に行ったので、ハードルが下がっていたというのもあるでしょう。
あれだけの豪華キャストをかき集めた!すごい!と映画を見るたびにCMを食らって、
さらにあの美麗な映像なので、上映開始と同時に見に行ったりするとあまりのハードルの高さにはじき返されて酷評になっている、
ストーリーの不明点は明確に説明されないので、そういうものと割り切れない人には意味不明・雰囲気アニメという評価になる(実際、雰囲気のアニメです)
私自身「重力が壊れた」の壊れっぷりがあまりわかりませんし、あの渦に飲まれたらどうなるんだか解説してほしいところです。
ネトフリで先行上映してしまってせっかくの美麗な映像をスマホ画面やテレビで見てしまう恐れがあり、
ハッピーエンドではなく(虚淵さんだなぁ)、見ようによってはグロい描写も出てきます(荒木さんだなぁ)
人を選ぶアニメ映画だと考えてよさそうですが、個人的には大満足です。
しかし。
せっかく作った世界観とキャラクター達です。
二時間で消化をおえるのはあまりにもったいない。
2クールくらいのアニメにして最終的に劇場版でタワーを目指す話にするか、
ネトフリで「ただただ食料を求めてパルクールをするアニメ」を作ってもよかったのではないでしょうか。
声優については……。個人的には声優には声優を使え、と考える派です。
今回は主人公のコミュ障っぷりと、ウタの人外感が際立つので(「AIの歌声を聞かせて」と同じ理由で)アリだったんではないかと。