劇場公開日 2022年5月13日

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「普通に面白い。映像すごい。観客にテーマと感情を丸投げして言葉足らずな感じ」バブル nyaroさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0普通に面白い。映像すごい。観客にテーマと感情を丸投げして言葉足らずな感じ

2022年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ネトフリでみました。全体として象徴するものが盛りだくさんですが、解答も示さず、考える道筋も示さず、提示で終わっている感じです。見る側の内側にどれだけポケットがあるかが試されている気がします。映画的な手法ではありますが、アニメとしての期待とちょっとずれがある気がします。
 そして肝心のボーイミーツガールもこちらが勝手に入り込まないと、あっさりしすぎでした。キャラに感情移入する前にどんどん話が進んでしまいます。

 初めの映像が超銀河団=ボイド構造は泡構造と呼ばれている点、フェボナッチ数=渦巻の黄金比の映像が出てくる点=銀河系と合わせて、宇宙の構造と自然の摂理を表したいんだと思います。

 経済都市東京あるいは2次元コンテンツの街(時折描かれるビルの萌え絵)が廃墟になる。バブルがはじける=文明のリセット。その空間でパルクールは身体性と自由の象徴?
 アンダーテイカーはユーチューブに動画アップし機械を使っていた、手段を択ばないことなどが言いたいのは今の日本人を象徴していたのでしょう。
 本家人魚姫は最後泡になって消えたあと、風の精霊になるので、まあ、結末はそういうことだと思います。
 渦巻と泡で破壊と再生みたいなイメージ?

 など、いろいろ入れたかったんだと思います。そこは理解できなくはないですけど、テーマ性を突きつけるだけで解決がない感じです。エヴァのオマージュ的にジョウロで水やりしてましたけど、ヒロインはシンエヴァの綾波と重ねる感じでしょうか。あるいは涼宮ハルヒの長門有希っぽくもあります。

 肝心のボーイミーツガールの2人の時間で心を通わせるエピソードが弱かったのと、東京タワー以降、ヒロインが主人公のところに現れた経緯の必然があるならそれを描き切れていなかったので、感動が弱いですね。

 構図は凝ってましたね。動きよりもそちらに関心しました。声優さんは言われているほど気になりません。普通でした。むしろ歌が映画の世界感に入り込めるほど印象的ではないです。1発勝負なので下品でも新海的な素直なエモい歌でいいんじゃないでしょうか。

nyaro