「すかいらぶはりけーん!」バブル MAKOさんの映画レビュー(感想・評価)
すかいらぶはりけーん!
失礼、
フザけたタイトルつけちゃいましたが、とても面白かったです。
久々に予告編で面白そうだと思って観に行った作品だが気懸かりな点も有った。
先ず絵柄がいまいち受け付けないのと、どうも評価が低い点だ。
まあ絵柄は観ているうちに慣れてくるのでそれ程問題じゃない。
そして評価が低い点だがそれも理解は出来る。
自分も鑑賞中疑問が幾つも浮かんだが、鑑賞後もそのモヤモヤは全く解消されない。
そこが気になる人はまず乗れないだろう。
しかし以前も似た様な事を書いたが、納得出来る事と面白いと思う事は全く別な事だ。そしてこの映画は確実に面白い。
この映画で描かれる謎の現象もヒロインの謎もこの作品では舞台装置でしかない。
この映画は「YAMAKASI!」や「アルティメット」、「ランナーゲーム」と同列の作品なのだ。
この映画でなぜパルクール?という疑問はカンフー映画でなぜカンフーで闘うの?と言うのと同じくらい野暮だ。
そうと割り切ってしまえばこの映画は最高に楽しめる。
この作品は青春物の王道であるBOY MEETS GIRLであり、崩壊した東京で繰り広げられるパルクールアクション映画なのだ。
それだけでワクワクするじゃないか。
もし自分が運動神経抜群で目の前に崩壊した東京が有ったら、パルクールで駆け抜けてみたいと思はないか?俺は思うぞ。おまけに水没してるので落ちても安心。
映画ではそんなワクワクを軽く超える映像体験をさせてくれる。
最近のアニメの主流は日常系や異世界物だと思うし、自分もそれらの作品が嫌いではない。
が、アニメは動いてナンボだろ!
と、云わんばかりにアニメという娯楽の原点を突き詰めた演出をこの作品は見せてくれる。中盤以降に至っては舞台の崩壊がどんどん進み背景までアクションしてる!
流石は「進撃の巨人」の荒木哲郎監督。
立体機動装置なんか無くてもボディアクションでここまで魅せるアニメは作れるのだ。
確かに現在のCG技術ならば映像化不可能なんて作品はまず無いだろう。
この作品だって実写で出来ない事は無いかも知れない。そういう意味ではアニメの存在意義はもはや限界まで薄れて来ているとも思う。
だが、じゃあ実写でこれが出来るか?!
と言わんばかりの、まさにアニメーターの心意気というものをこの作品は見せてくれたと思う。
荒木哲郎監督、信じていい漢だ。
この映画はNETFLIXでも観れるらしいが、是非劇場で観て貰いたい。
その価値は充分に有る。
オススメ。