「視覚で快感が味わえる快作」バブル gingawaraさんの映画レビュー(感想・評価)
視覚で快感が味わえる快作
普通に面白かったですよ?
泡に包まれた都市の異様な美しさと、流麗なアクションが、観ているだけでも気持ちよく、この映像体験だけでチケット代の元が取れた。1日経っても、「あの映画気持ちよかったー」という余韻が残っている。
かといって、ストーリーに脈絡が無いビデオドラッグ的な作品、というわけでもなく、筋の通ったストーリーと、スピーディーな展開、盛り上げるところは盛り上げ、オチも綺麗につけている。名脚本とは言えない。人によっては消化不良感もあるかもしれない。が、及第点には達していると思う。
一方、たしかに手放しで絶賛できない瑕疵もある。例えば声優。いわゆる素人声優の棒読み演技が嫌いという人もいれば、アニメ声優の過剰な演技が嫌いという人もいるので、素人声優というだけで否定はしないが、今作の主人公に関して言えば、感情を爆発させる場面があるため、やはりプロを使ってほしかった。クライマックスの○○が素人丸出しの棒演技なのはちょっと…。また、広瀬アリスが演じたマコトも、切れ者の女性研究者という役であり、重要な設定を説明する役であるので、それを滑舌の甘い鼻声で聞かされるのはきつい。
ヒロインのウタも素人声優だったが、設定上、上手く話せない方が自然であり、歌手だけあって、声に鈴のような響きがある。この配役は良かった。
他にも、映像だけで伝わるものを台詞で説明しているような演出などあり、満点評価がつかないのもわかる。が、ぼろくそに貶されるような出来ではない。劇場で見る価値は十分ある。
おそらく辛口評価してるのは、スマホ・タブレットで見た配信勢ではないかと。
この映画の評価ポイントは8割がた映像なので。小さな画面で見ると、及第点ギリギリのストーリーにしょぼい演技が目立つ。駄作よりの印象になるのもむべないかと。