「重力を無視したフワフワ・パルクールは一見の価値あり♪ お話もシャボン玉級のフワフワ感だけど…。」バブル たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
重力を無視したフワフワ・パルクールは一見の価値あり♪ お話もシャボン玉級のフワフワ感だけど…。
「降泡」現象により崩壊した東京を舞台に、パルクールの天才・ヒビキと謎の少女・ウタの出会い、そして2人の成長が描かれるアクション&ラヴストーリー。
主人公、ヒビキの声を演じるのは『サバイバルファミリー』『帝一の國』の志尊淳。
東京の「降泡」現象を調査している研究員、マコトの声を演じるのは『AI崩壊』『サイレント・トーキョー』の広瀬アリス。
ヒビキたちの兄貴分で、自身もかつては伝説的なパルクールのプレイヤーだった男、シンの声を演じるのは『バケモノの子』『龍とそばかすの姫』の宮野真守。
ヒビキの所属するパルクールチーム「ブルーブレイズ」のリーダー、カイの声を演じるのは『僕のヒーローアカデミア』シリーズや『天気の子』の梶裕貴。
試写会に当選した為、一足早く鑑賞させて頂きました♪
ムービーウォーカーさん、MOVIX日吉津さん、ありがとうございます😊
さて、本作の感想ですが、率直に言えば満足半分不満半分といったところ。
非常に良いところもあるのですが、両手を挙げて絶賛は出来ない。
まず良いところ。
本作の売りである、重力を無視したパルクールアクション。これは非常に良いッ!👍
本作を鑑賞する人の多くは、『進撃の巨人』で名を馳せた荒木哲郎監督による立体機動アクションを求めているのだと思う。
なので、このパルクール・アクションがFOO⤴︎な出来である以上、本作は及第点をクリアしているのであります。
本作のアクションシーンが偉いのは、いわゆるジブリ的なアクション演出とは一線を画しているところ。
劇場用アニメはとかく劣化ジブリのような作品になりがちなのですが、本作からはあまりジブリの影響は感じられなかった。
ジブリが得意とする漫画的な動きによる快楽から離れ、アクティブなカメラワークによりキャラクターの動きを大胆に魅せる。これが本作のアクションシーンの特色である。
もちろん、カメラワークだけでなくキャラクターの動きも超一級品。
キャラの動きのタイミングが抜群に良いっ!
ここぞッ!という時に飛び、ここぞッ!という時に着地する。
さらに走りのストライドから空中での体の伸縮まで、超気持ち良いタイミングでキャラクターがばしっと動いてくれるので、ともすれば見辛くなってしまう激しいアクションがスッと脳内に入ってくる。
特に素晴らしいと思ったのは身体の脱力感!
パルクールに必要な体の柔軟性はもちろん、アクションにおけるキャラクターの身体の緊張と緩和が凄ぇ上手い👏
きっと監督や作画スタッフは滅茶苦茶パルクールについて研究したんだと思う。
現実味のないアニメ的なアクションでありながら、キャラの体の動きは非常にリアル。
この本来は相反するはずの2つの要素がガギッと噛み合うところに、アニメ特有の喜びとか快楽がある。
それが味わえただけで、僕満足!😆
アクションは文句なし!
現状、日本アニメの最高峰と言っても良いんじゃないでしょうかっ!?
世界観やパルクールアクションなど、下敷きにしているのは『スパイダーマン:スパイダーバース』なんだろうけど、それを上手く日本アニメ風に再解釈/再構築していると感じました。
アクションは文句無し…なんだけど、お話は正直なところ面白くない。
そして、テンポ感も良くない。
パルクール👍→物語が停滞👎→パルクール👍→物語が停滞👎→パルクール→…が繰り返される。
確かにパルクールアクションは楽しいっ!…が、それを繰り返されると段々と慣れてくるというか、正直1時間くらいで「まだ終わんないのか…。」と思ってしまった。
勿論、物語的な面白みさえあればいくらでもパルクって貰って良いんだけど、結局この映画何が言いたいのかよくわからん( ゚д゚)
なんかいろいろ意味ありげな事を言っていたけど、ただただ『人魚姫』をやりたかっただけなんだろう。
いわゆるセカイ系ってやつなんだろうけど、突然世界崩壊的な危機を持って来られても「ハァ…。大変ですねぇ。」以上の感想は出てこない。
大体、あの泡は何?宇宙生物?
あの泡の集合体がウタだった訳でしょう。何か気持ち悪いよね。
ウタの正体が登場と同時にわかっちゃう構成なのもどうかと…。
始めは正体不明の謎の少女として現れて、物語のクライマックス近くでようやくその正体が明らかに!の方が、興味の持続力は強まりますよね。
物語が始まった直後にオチまで予想がついちゃって、しかもそれがその通りなんだから、だんだん飽きてきちゃうのもむべなるかな。
そもそも、世界で唯一の重力異常が発生している東京に対して、政府や世界が興味なさすぎひん?
なんで調査員がマコト一人だけなんですかね…?
それとこの世界って東京以外は普通に機能しているんでしょ?
この映画を作った人たちって日本に東京以外の都市があることを知らないんじゃないの?
東京だけヤバいって言われても、地方民にはディザスター感とかディストピア感が全く伝わってこないんだよね。
他の都市は生きているんだから、東京に屯してる孤児たちをなんとかする手段はいくらでもあるだろうに。
あと、やっぱり気になるのは「新海誠」っぽさ。
ジブリっぽさは無いけど、新海誠っぽさは半端ないんだこれ!
もう設定からして『天気の子』の続きみたいなもんだし、OPの感じや画面全体のキラキラ、飯の描き方、挿入歌の使い方まで、もうこれ新海誠作品だろっ!と言いたくなる。
まあプロデューサーが川村元気だからしょうがないんだけどさ〜。いっつも一緒じゃないっすか〜。
実はこれは川村元気ユニバースの3作目で、『君の名は。』→『天気の子』→『バブル』と全て繋がっている可能性が…?
孤児の問題とか格差社会とか棄民とか、そういう事を一応やろうとしているんだろうけど、どれもこれも中途半端。
「降泡」についても納得のいく説明や描写がなくてモヤモヤ。
ダブルヒロインにした意味もよくわからない。マコトがただのピーチ姫ポジションなのもなんだかなぁ…。
無駄なストーリーは全部省いて、ただただバトルクールだけに着目して物語を紡いでいけば、もう少し映画に締まりが生まれたかもね。
色々書いたけど、パルクールアクションは一見の価値ありです。
『進撃の巨人』ファンの人なら観て損はないっすよ!😆
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2022/04/23
Filmarksさんのオンライン試写会に当選した為、再鑑賞!
Filmarksさんありがとうございます😊
ド迫力のパルクールアクションは、自宅のパソコンやディスプレイでも十分に楽しめると思います。
もちろん、映画館の大画面で鑑賞するに越したことはないですが…。
結末がわかっている2回目の方が、ウタというキャラクターに好感が持てたかも。
クライマックスでの、ウタの身体が動物の形をした泡になって溶けていく場面は、むしろ初回鑑賞時よりもグッと胸に迫ってきた😢
しかし、冒頭の説明ラッシュはもう少し何とかならなかったのだろうか…?
冒頭でモブが行うバトルクールの説明が、あまりにもチュートリアルっぽくて笑ってしまった😅
そして、2回目の鑑賞でもやはり物語全体の説明不足感は否めなかった。
結局あの赤い泡何ッ!?
今晩は。
私の勝手な解釈です。
赤い泡は、劇内でも瞬間的に描かれた人知を超えた悪を具現化したモノ(人類を滅ぼそうとするスペイン風邪や、ポリオ、ベスビオス火山噴火などの天災、最近で言えばコロナ)青い泡は、人知を超えた善ではあるが人類の行動(戦争が筆頭)により赤になるという象徴的なモノではないかなあ、と思いながら観ていました。
故に、東京タワーで、ガラス越しに接した幼き無垢なるヒビキにウタは心惹かれ、人魚姫の様に、禁断の想いを抱いたのではないかなと思いました。
私は、普段はアニメは余り観ないのですが、今作は、ジャパニーズアニメが、世界に愛される理由が分かるレベルの高い作品だな、と思いましたよ。
そして、今作が切っ掛けで学んだのは、恥ずかしながらパルクールというスポーツというか、動作鍛錬の存在でしたね。
あと、試写会って地域的にも行った事がないんですよね。私の居住区でもあるのかなあ・・。
明日からの仕事を準備しながらのコメントですので、変な個所が有ったら、御免なさい。では。