「救うvs守る、そして守破離」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース うましかさんの映画レビュー(感想・評価)
救うvs守る、そして守破離
前作の鑑賞者すべてに自信を与えるような終わり方は、いつ思い出しても胸が熱くなる。それを越えるようなことはないだろうと思っていた。
すいませんでした。
何度も胸が熱くなりました。救助シーンでは粉塵のごとく鳥肌が立ちっぱなしでした。
救いたいマイルズと、守りたいスパイダーマンたち。
どちらもヒーローの本質から逸れないまま展開される物語。最後に守りたい新チームが結成され守破離の結末を迎える。
えっ
つづく?
おわり?
ここで?
アメコミちっくにつづくって言ってみたかっただけじゃない?続かない?エンドロールが来るまで混乱の中にいた。こんな状態になったのはパイレーツ・オブ・カリビアン2ぶり。大人になって映画へのめり込む力は衰えたと思っていたのに、そんなことはなかった。面白い映画っていうのは、こういうものなんだ。
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熱量を抑えられず2回目の鑑賞を終えた。
一番好きな救助シーンを語りたい。ビルの崩落から住民を守るシーンだ。これはノーウェイホームではなし得なかったシーンである。
ずっとソロでやってきた愛すべきおじさんは順応できない。そこを取り持つのが甘やかされたとまで言われた坊やだ。若いだけあって順応性が高い。これも大好きなシーンだ。各々の人生が活きている。
今回は若者4人が各々が救助に向かう。倒壊を防ぐために張り巡らせた糸が切れると、マイルズとインディアはアイコンタクトをひとつとる。窓から入り込む煙より早くマイルズが入り込む。ここだ。BGMの力も相まってこいつらが最高にかっこいい!
住民を残さず回収して、ビルから離れるも瓦礫は待ってくれない。それを粉砕した裏でインディアが住民を囲う。そして落下のさなかで2人のスパイダーマンは手を取って下降し、安全なビルに住民たちを降ろすのだ。これがソロでやってきたヒーローたちのセッション、胸が熱くならないわけがない!
スパイダーバースは、はっきり言って画面がごちゃごちゃしている。しかしその中には無数の感動がある。
2回目はホービーの一挙一動にマイルズの気遣いが見えた。後に告げられる真実を案じてのことだろう。
忙しない画面の中に、まだまだ感動がある気がしてならない。