「大量のご馳走」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース サブレさんの映画レビュー(感想・評価)
大量のご馳走
スパイダーマン史上最高傑作という謳い文句に偽りなしの超傑作。冒頭のバルチャーとの戦闘により異なる世界の住人が本作でどう描かれるかが示され、その後もレゴや実写に漫画風と、多くの作風が現れる。(メインにはならなかったが…)その混ざり合いが見ているだけでも楽しかった。まさに動く芸術。
そして、スパイダーマン映画としても今までにない傑作であった。
スパイダーマンといえば、犠牲。そして犠牲を避けられない運命と「大いなる力には大いなる責任が伴う」使命感。本作では、大事な人の犠牲を受け入れて大いなる責任を果たさなければならないと描写された。
そこまでならばいつものスパイダーマンと変わらないが、そもそもマイレルのスパイダーマンは生まれる運命になかったと言われれば話は別だ。これまでさんざん描写されてきた、スパイダーマンと運命というお約束を更に一つ上の次元に押し上げた。
ただ、何を言いたいかは中々筆舌に尽くしがたい。「スパイダーマンは必ず犠牲を経験する」というメタ観点をテーマに描き始めたと思ったら、更にメタ的な「スパイダーマンになるべきでなかった人間」をテーマにし始めて…といったところか。
しかし量が多い。動く芸術にも次第に疲れてくるし、運命や責任もキャラクターごとに描かれるからやたら長い。人によっては食傷かもしれない。
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