「REALiZE」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
REALiZE
前作を急ピッチで2回鑑賞し、度肝を抜かれて新作を楽しみにしていました。初のDolby-CINEMAを今作に捧げましたが、圧倒的な黒色にこれまた驚かされました。この黒さが今作のカラフルさとの対比になっていて超新鮮でした。
圧倒的パワーで見るものをぶちのめすアニメーションスパイダーマン映画でした。情報量の多さでパンクしそうになりましたが、無事に140分乗り切れました。
アニメーションが本当に素晴らしくて、アニメでしかできない表現をこれでもかとやってのけて、狂いまくったアングルに高速アクションと、最高峰のアニメーションを体感することができました。
配色が恐ろしいくらいカラフルで、各シーンごとにどれだけの色を用いたんだ?と思ってしまうくらいの膨大な作業量をこなしたアニメーターたちには頭が上がりません。
劇伴もテンションを上げてくれるものが多く、アメリカの劇場なら色んなシーンで雄叫びがあがってるのかなぁと不思議と想像してしまいました。
売りにしていたスパイダーマン大集結のシーン、これ観たかったんだよなぁと興奮するばかりでした。
アメコミやクロスオーバーなどで見たことのあるスパイダーマンもいれば、完全初見なスパイダーマンもいれば、スパイダーキャットにスパイダーザウルスに他種の動物との融合体もいたりと、滝のようにスパイダーマンが流れ込んできます。
それぞれが糸の放出+αの能力を駆使するので、それによって追い詰められながらも、戦況をくぐり抜けていくマイケルのアクションが縦横無尽に繰り広げられます。
「スパイダーマンを確保しろ!」→「「誰だ!?」」の流れは分かってましたけど最高に笑えました。
東映版を見つけられなかったのが悔しいですが、多分もう一回観にいくのでその時に発見しようと思います。
スパイダーマッ!
グウェンは前作の時点でも十二分にかっこいいキャラクターだと思っていましたが、今作ではその魅力が強まっていたと思います。
親友を故意でなかったとはいえ殺してしまい、その悩みと葛藤し、そして新たに互いを分かり合える友であるマイルズと出会えたというある種の奇跡。何重にも重なった想いを今作ではたくさんぶちまけていました。
マイルズも抱えている想いは多く強く、スパイダーマンに課せられた運命に立ち向かっていく姿が前作よりも強く成長を感じることができました。
ピーターは父親になっていたものの、子供の心もわかるナイスガイになっていました。娘を連れて駆け回るスーパーパパでした。
ミゲルの言い分もある種合っているからこそ反論しにくいのも憎いところで、大切なものを守れなかった過去があるからこそ、今生きる多くの人たちを守るために選択を迫るという大人像になっていてとても良かったです。
少し引っかかったのが、後半が完全に続編につなげるためのダイジェストっぽくなっていたのが残念でした。仕方ないとは思うんですが、会話が多めになり、前作のメンバー集結を含め、さぁ行くぞ!と期待の高まるシーンは胸熱なはずなのに、急すぎだなぁという印象が強くなってしまいました。提供はめちゃくちゃ早いし、味は美味しいんだけど、盛り付けが雑すぎるラーメンを提供された気分でした。
この状態で1年も待つのか…というもどかしさが現在進行形でありますが、どんなクオリティのものが脳を刺激してくれるのか、今からワクワクが止まりません。
鑑賞日 6/16
鑑賞時間 11:20〜14:00
座席 G-18(Dolby-CINEMA)