百花のレビュー・感想・評価
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嗚呼原田美枝子よ青春の美しい記憶を壊す勿れ
楽しい映画で無いことは分かっていたし原田美枝子の演技を観るのが辛いというか恐かったしハナから期待はしていないがそういう歳になったということなのだろうでも撮影が「ヤクザと家族」「余命10年」の今村圭佑で全シーンワンカットで撮ったと聞いてしまったので観ずにおられましょうか冒頭からさあ来るぞと身構えているとその手法は役者の演技を引き出すためというよりも現実と非現実、現在と過去を行きつ戻りつしたり「ワンショット風に見せる」編集テクニックが優先していることが分かるがヒッチコック先生の「ロープ」のように背中に回り込んでロールチェンジしたりするのが割と好きなのでそれだけで楽しめたけれどリアルに義父が認知症気味でどうしても答えを求めてしまう部分もあり鑑賞の邪魔をする。主題歌をAIボーカロイドに歌わせ「人間の記憶とは」的に無理くりストーリーにからませ実際にCDデビューさせてしまうあたりはPとしての川村元気面目躍如なのであろう。最後の最後に「百花」というタイトルの意味が一輪挿しで伏線回収される展開は不意打ちを食らいちょっと泣けました。
親子だからこそのわだかまり
半分の花火、湖畔から見るか?家から見るか?
2022年映画館鑑賞48作品目
9月19日(月)イオンシネマ名取
ハッピーマンデー1100円
原作未読
原作と監督と脚本は数々の話題作の企画・プロデューサーを務めた川村元気
初監督作品
作品内容からして決して駄作ではないが自分には合わなかった
はっきりいってつまらなかった
眠くなる人も多いだろう
河瀬直美監督初期作品や『青いパパイヤの香り』によく似たカンヌ系の淡々とした流れが人によっては退屈に感じるかもしれない
『ちむどんどん』でヒロイン暢子の伯母でイタリア料理店のオーナー役の原田美枝子は今回の映画では認知症患者を演じた
原田美枝子がボケ老人の役をやることで改めて自分の老いを感じた
半分の花火とはそういうことか
生まれた頃から母子家庭で育ち幼少の頃に母から置き去りにされた経験を持つ葛西泉に菅田将暉
泉の母で認知症を患う葛西百合子に原田美枝子
泉の妻で妊娠中でやがて息子を産む葛西香織に長澤まさみ
泉と香織が働くレコード会社の上司の大澤哲也に北村有起哉
泉と香織が働くレコード会社の後輩の永井翔太郎に岡山天音
泉と香織が働くレコード会社の同僚の田名部美咲に河合優実
百合子を診る心療内科医の佐藤雅之に長塚圭史
香織を診る産婦人科医の関綾乃に板谷由夏
百合子の学生時代の友人の工藤恵に神野三鈴
百合子が移り住むことになった高齢者介護施設の職員に占部房子
大学教授で百合子の愛人の浅葉洋平に永瀬正敏
小説向き
W主演のおふたり(菅田将暉と原田美枝子)の繊細な演技が光る。
病気を相談しようと電話してきた母の電話を仕事の忙しさにかまけて無視したことを悔いたり、恋に入れ上げ失踪した母が阪神淡路大震災で我に返ったりと、内面を丁寧に描くタイプの作品でした。
と同時に、役者の技量が問われる作りなわけですが、見事に表現は出来ていたと思います。
ただ、文芸的過ぎるというか、小説でこそ生きる内容であり、映像化はいかがなものか?というのが率直な感想。
さまざまな失敗やすれ違いは、当事者同士の赦しか、自分の中で消化するものであり、嘆きや戸惑いを見せるだけでは軽く感じてしまって、作品の中に入り込めなかったです。
映画にしたかったのは予告にもあった「半分の花火」のビジュアルを見せたかったのかなとは思うものの、想像の範囲内のことで感動ポイントにはなりえませんでした。
「惜しい」の一言。
すべて忘れてしまうんだろうな
決着つかないことも多けれど
認知症で色々なことを忘れていく母と、どうしても忘れられない出来事が引っかかり続ける息子の話。
全体的な印象としては劇中に出てきた謎AIキャラのように色々詰め込んで詰め込みすぎた重い話を、放置したり白黒はっきりさせないことで母と息子の愛の一点突破で終わらせたって感じ。
でも人は色んなカタの付いてないことから取捨選択して忘れたり後悔しながら、生きていくものだからなぁとも思った。震災がなかったら息子の元には戻らなかったのかも?という疑問は残るけど、案外親子でも何でも家族の問題ってそれぐらいの大きなことがないと前に進まなかったりしますしね。
震災によって大切な人を失うという描き方が多いところだけど、震災で大切な人を取り戻すという視点も新しいなと思った。
そして、息子から見れば絶対許せない酷い行為も、出産によって人生が変わる大きさは男の比じゃないことを身をもって体感してるであろう妊娠中の奥さんがすごくあっさりと捉えてることがスカッとした(でも出てくのは良いとしても息子放置は虐待だからな)。この奥さん、子供できた時そんなに嬉しくなかった、とサッパリしている潔さが好きだ。
『ファーザー』のように認知症体感映画な部分もあって、同じところをグルグルまわったりいないはずの人がいたり、時間と空間の不思議がワンショットで流れるように表現されてて綺麗だった。あとはちょっと不謹慎かもしれないけど、認知症の記憶が混濁してる様子って伏線に使えるから割と謎解き要素あって楽しいのよね。
少し余談で、冒頭明らかに様子がおかしい母親と向き合わない泉が、自分も去年母を亡くしているのだけど、自分と被って辛かった。泉の場合は自分の知らない不倫相手に重ねられるのが辛いというのと、半分はまさか自分の母親が認知症だなんて思いたくもないからという理由もあると思う。自分も、亡くなる1年前ぐらいからなんだか母すごく疲れやすくなってることを気づいてたけど言わなかった。
なかなか皆さん手厳しい。
原作未読です。
まずは技術的な話から。
これだけの量の原田さんの若作り顔修正は気が遠くなる作業だったろう、どのカットもカメラか役者が動いてるし。関係者の皆様お疲れ様でした。
カメラは殆どハンディ?ステディカム?長回しで
回り込むカットが多くしかも合成絡みが多い。凄く綿密な撮影設計におどろきました。
地震のシーンのカメラワーク、合成、セットもシームレスで非常にリアル。あと認知症、アルツハイマーの映像表現が卓越していた。私の父もアルツだったが、グルグル同じ事繰り返す感じや、突然思考がジャンプする感じ違和感なかったです。おそらく頭の中こんな状況なんじゃないかな。
現場では監督と主役2人ぶつかったようだけど役者の皆さんも気合い入ってたって事だと思う、隙がなかった。
私は説明的じゃない映画が好きです。
出来るだけ映像で伝えようとする姿勢と技術に拍手したいと思いました。
ただその分、盛り上げる部分を明解にしてあげる必要性と、そのための助走の重要さを感じました。あのシーンがもう少し盛り上がれば、泣ければ、、星あと一個半付けたと思います。
ただ泣ける
岩井俊二さん何言ってんの?
原田美枝子と菅田将暉の演技力があったからこそ!の作品
この二人の演技は見応えあり!
原田美枝子は同一人物を年齢幅広く演じ分け、
また、徐々に認知症が進行していく様子を
上手く表現していてさすが!
大女優の貫禄漂ってました
そして、菅田将暉!
演技に深みが増して、さらに進化した感じ
セリフ少ないのに、表情、目線、間合いで
泉の母に対する複雑に揺れる心情を、
繊細に表現していました
ワンカット、ワンカットの映像も叙情的で美しく、
背景に流れるピアノの旋律とマッチし、
時間と記憶が交差する不思議な空気感を醸し出してました
…が、しかし!
肝心のストーリー展開が物足りなかったなぁ
「認知症」という病気をちょっと追いかけすぎたんじゃないかな
もう少し、母と息子の愛憎織り交ざった混沌とした感情の核心部分のストーリーが見たかった
この親子はいつ、お互いに正面から向き合うんだろう
お母さんが、自分の過去もその時の感情も忘れちゃったら、話終わってしまうじゃん!
…と、やきもきしてたら、本当にそこで話が終わってしまったって感じでした
違う俳優さんが演じてたら、途中で帰ってしまったかも… です
考えさせられた映画。身近な人を思い浮かべながら
今、日本の映画でトップ男性俳優と個人的に思える菅田将暉の主演映画を観てきた。評価が分かれている作品だが私は高く評価。まず、菅田をはじめ女優原田美枝子の演技が素晴らしかったこと。そして、必ず起こりうる親の認知症に対して今回は息子だったが子がどう向き合うかこのテーマ設定が一番良かった。個人的にも今、身近な人間が病気の関係で認知症一歩手前の母と過ごしているので母を思い浮かべながらこの映画を見ていた。とにかく考えさせられる映画。もし、自分が泉だったらと思い浮かべて観るのがこの映画は一番いいのかもしれない。女性の方で菅田のファンの方ならもし自分だったら母とどう向き合うか考える題材にもなる。近いうちの日本はこういうケースが必ず増える。馬鹿にできない映画だった。私の中では今年の日本映画No.1候補の一つ。おすすめしたい映画。ただし一人で鑑賞したほうがいい作品です。
親だからって正しく生きるわけじゃないし。お母さん、ずっと謝ってるね。いつまで謝らせる気?
考えさせられました
世間のレビューがなかなか酷評で驚いています。
本日2度目の鑑賞でした。1度目からの余韻が残り、もう一度観たいと思いました。
認知症介護を経験した人にしかわからないかもしれません。わたしは大好きな祖母が晩年、認知症になりました。誰よりも可愛がってもらったと自負しています。体の不自由な母に代わって、祖母のお世話をしていました。会話がとんだり、同じことを繰り返し聞いたり、一点凝視の目になったかと思えば正気な目になったり。しっかりしていたからこそ、認知症の変化についていけない家族、うまく関われない家族の気持ち、菅田さんの表情が胸を打ちました。まだ若い母親なら尚更苦しいはずです。受け入れて笑えるまでには時間が必要です。その葛藤がすごく伝わりました。
祖母は、認知症進行により、わたしの名前だけを毎回間違えるようになりました。でも、わたしを見る目は優しいまま。だから、もういいや、わたしが誰でも、祖母が笑っているならとおもえるようになりました。
わたしが幼かったときの出来事を、いつも楽しそうに話してくれました。忘れない記憶なんだと嬉しかったです。
この映画は、母との埋められないつらい記憶と時間があるのに、息子として泉はよく頑張っていたと思います。何年経ってもなかなか許せないこともあると思います。心の変化がすばらしく描かれていました。
原田さんも素晴らしい演技でした。
母であり、女である。その葛藤の中で、生きていたんだなと思います。子供を捨てることはわたしにはできないけど、そう言うことも世の中にはあるのだと思いました。
伝えたいことはたくさんありますが、世間で言う感動映画ではないと思いますが、わたしは本当に胸が熱くなり、涙が溢れ、素晴らしい映画に出会えたと思っています。
詰まらない
すだがわるいのか、脚本が悪いのか、息子からの一人芝居で母が本当の...
すだがわるいのか、脚本が悪いのか、息子からの一人芝居で母が本当の意味で描けてない。置いていかれたトラウマとその背景としての恋愛の描き方はいいけど、認知症になる母への愛情とかあまり感じられない。すだという人が、そもそもすごく冷たいやつなんじゃないか。
認知症を受け入れられない自分だけ描く。認知症者への視線が冷たすぎて古い。
最後に忘れないと言ってた自分が忘れてた罪に気づくところはいいけど、それさえそこ止まり。
半分の花火という言葉に惹かれて見に来たししょうがないけど。
最後に
【認知】と【記憶】とゴダール
病院で多くの人が経験した事があると思います。
医師または看護師さんから、
ベッドでいろんなチューブを、
繋がれている寝たきりの大事な人を指して、
◯◯さんは、聞こえているから、認識してるから、
いっぱい話しかけてくださいと。
そんな言葉を思い出しました。
こちらには、認知できないなけど、
いっぱい記憶してる事はあるよ。
表現できないけど、
憶えてる事はアンタより多いよ、、、。
そんな、認知、記憶に、
敬意を払ってカメラを向けて、
愛情を込めてピントを合わせる。
そんな張り付いたカメラによって、
【認知】【記憶】が炙り出されて、
テンポやプロット、ストーリーを超えて、
客席まで押し寄せてきて驚きました。
本当に驚きました。
何が押し寄せてきたのか?
5秒以下のカットでないといけない、
観客を飽きさせてはいけない、
わかりやすくないといけない、
そんな、
いけない、いけないの、
防波堤を越えてきた新たな波、
逆ヌーベルバーグ?
被写体にカメラを向けなかったり、
映画を解体したゴダールさん、
解体された映画のピースを拾い集めたような、
長い長いカット、
こんな波が来ましたよ。
原田美枝子は本物の女優です
先日テレビに出演していた原田美枝子が、若い頃、黒澤明監督に美容整形してはいけないと教えられ、守ってきたと話していたが、それが、功を奏して、認知症の老女も、リアルに演じられるほんまもんの女優さんになられている。もちろん、若作りもお手のものであるが、人生の年輪を重ねた皺の深い表情が素晴らしいです。映画は、アルツハイマーの症状を同じシーンを繰り返して表そうとしていますが、それには疑問を感じます。また、仮にもピアノ講師を生業とするものが、小学生を放置したまま、一ヶ月も、平気でいられるものか、そこも共感できませんが、菅田将暉の魅力と、原田美枝子の女優力のおかげで、余韻を残す、感動作となっています。ちむどんどんのオーナー役もサバサバしてて好きです。
全144件中、61~80件目を表示