「人の記憶の不思議」百花 ニョロさんの映画レビュー(感想・評価)
人の記憶の不思議
この作品、1番良かったのはキャスティングかもしれない。菅田将暉と原田美枝子の親子は、美しく静かに一定の距離の中で関係性を保っていた。その静かな部分とうちに秘めた過去の複雑な思いが、2人の演技に滲み出ていて良かった。
認知症は辛い。大事なことを忘れてしまう。それを側で見ている家族も辛い。少しずつその人ではなくなってくるような錯覚に落ちる。人の記憶はどういうふうに作られるのか、認知症もそうでない人も、同じ時間を過ごしていても、記憶は違う形で作られる。
映画の中では親子が何を持ってこの記憶なのかの背景があまりわからないので、本当の意味の共感が難しかったように思った。
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