「母と息子の物語」百花 えみさんの映画レビュー(感想・評価)
母と息子の物語
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冒頭から息子と母に妙な空気が漂ってる。
息子が母を少し拒絶してるように感じる。
これは息子だし、離れて暮らしてるから違和感がなかったんだけど、認知症の母の症状が進むにつれて、小学生だった頃の息子との記憶が回想として現れてくる。
大雨の日、走りながら母を探す息子と授業参観で「走れメロス」を読み上げる息子がリンクしたり、なにげなくスーパーに登場した幻覚の少女たちが後の母の若い頃に出てきたり、とても作り方が好み。
前情報なしで観たんですが、母は息子が小学生の頃、1年くらい息子を捨てて、男の人と暮らしている。冒頭の違和感はここに繋がっていく。
その時の傷は深く、それを忘れていく母
その思いが切なく悲しくて強く当たってしまうが、ラストシーンの「半分の花火」を観る2人は自分も記憶の中で忘れていたことを思い出す。
想像をしていた映画と違っていたが
引き込まれていく映画だったので、最後まで飽きることなく鑑賞できた。
菅田将暉さんの俯いたときのまつ毛や、母のメモを見ながら涙するシーンは印象深い。
またおおらかで優しい嫁を贅沢に長澤まさみさんが演じてらっしゃった。
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