ヘルドッグス : 特集
【極限の偏愛を込めて】5週連続ブチ抜き企画!
私たちに「ヘルドッグス」をプレゼンさせてくれ!
Vol.1:「圧倒的2022年No.1ッ!! 世界観が最高!!」
とにかく衝撃的な作品だ――。岡田准一と坂口健太郎が共演し、原田眞人が監督した映画「ヘルドッグス」が、9月16日から公開される。
本作、観るものをとことん“ドハマり”させる危険な魅力に満ち満ちている。鑑賞したライターや映画評論家、インフルエンサー、宣伝・配給会社の映画人などなどが、見たことも聞いたこともない異常なテンションで褒めちぎっていたのだ。
映画.comも例外ではなく、鑑賞中に脳内麻薬がドバドバと出た結果、「ヘルドッグス」を全力で推していくことを脊髄反射的に決めた。ということで、8月29日から5週間にわたり総力特集を展開。本作を愛しすぎて変になってしまった人々が週替りで、「どこがどう良かったのか」を激烈にプレゼンしていく。
第1回(全5回)は、映画.comスタッフ・Sのプレゼンテーション。ちなみに、基本情報は下記の予告編で確認してもらえればと思う!
●はじめに…「ヘルドッグス」は個人的・圧倒的2022年No.1ッ!!
映画.comスタッフ・S:今作をみんなにプレゼンさせてほしい──おかしいんだよこの映画の面白さ!!!!!! あくまでも個人の感想ではあるが、鑑賞していてもうぶっ飛びにぶっ飛んでしまった。
興行収入100億円を突破した“あの洋画”や、世界中を感動で包んだあのアカデミー賞・作品賞映画よりも、「ヘルドッグス」が圧倒的に面白かった! 現時点での2022年No.1映画は「ヘルドッグス」で揺るがない。
また、自分のなかの“原田監督作ベスト”はずっと「クライマーズ・ハイ」だった。が、これもまた超えて、現在、原田監督作No.1は圧倒的に今作一択!
……と、ここまでで「嘘くせえな、おい」と感じる人もいるかもしれない。そもそも記事がPRだわ、褒める言葉がマシンガンだわで、疑ってしまう気持ちはわかる。しかし“本当”なんだから仕方ないじゃないか……これからいろいろと、「何が面白かったのか」を熱弁させて頂こう。刺さる人には、とんでもなく刺さる――まさにパクチーみてえな映画なのだ!
●何が良かったのか:世界観――強烈にヘルドッグス!
では、具体的に何が良かったか? 一言でいうと、それは「世界観」だった──。
もう何というか……唯一無二! この「ヘルドッグス」の世界に浸っている時間が最高すぎて、上映中ずっと「終わらないでくれ!」とさえ思っていた。もっと言うと、喰らっている刺激が強烈すぎて、鑑賞後の2~3週間、頭の中でずっと「ヘルドッグス」のことを考え続けていた。
私はもはやジャンキー。危うく戻ってこられないところだったし、戻ってこられなかったとしてもそれはそれで幸せだったと本気で思った。
今作の素晴らしき世界観を形成する“物質”とは何なのか? 自分なり考えてみたのだが、それは以下の4つだった。
1.キャスティングのセンス2.坂口健太郎のクレイジーっぷり3.原田眞人監督の“無駄の美学”4.岡田准一のリアルな肉体ひとつひとつ、順を追って説明していこう。
●世界観が素晴らしかった理由①…キャスティングのセンス
今作、とにかく配役のセンスが抜群──。まず一人目に挙げたいのが、今作の大ボスとも言えるカリスマ・十朱に扮したMIYAVIだ。
世界をまたにかけるロックミュージシャンであるMIYAVIを、ミステリアスで底が知れないインテリヤクザ役にブッキング。これがまあ、とんでもないハマり役だった。
どれくらいハマってるかというと、まるで生まれたときからこの役を演じることが決まっていた、くらいのハマりっぷり。「翔んで埼玉」のGACKTもすごかったが、今作のMIYAVIもまたすごい! ぜひ、MIYAVIの雅な魅力を堪能してほしい。
ほかにも、お笑いコンビ「はんにゃ」の金田哲も絶妙だった。さらに「ここでムラジュン(村上淳)!」と絶叫したくなるようなシーンもあり、俳優の絶妙な使い方にツボること間違いナシ。
●世界観が素晴らしかった理由②…坂口健太郎のクレイジーぶりに拍手
正直、坂口健太郎にはキレイなイメージがあったので、どのように映るのかは未知数だった。が、坂口演じる室岡が登場して5分も経たないうちに、こちらの予想を軽々と超えるどころか「安易なこと考えてんじゃねえよ」とボコボコにしてくるみたいな衝撃が私を襲った。
坂口健太郎、最高! 本編を見終えて、私は彼を大好きになりました! 表情、言動、アクション。全てにおいて“イッちゃってる”。予告編では、そのクレイジーぶりが少し垣間見えるが、本編はもっとスゴイぞ! その目ん玉かっぴらいて拝み倒しやがれ!!
●世界観が素晴らしかった理由③…原田眞人監督の“無駄の美学”
3つ目の理由だが、なんかもう、この映画“変”なんです! とにかく無駄とすら思える会話が多く、「これは何の意味が?」と面食らってしまうようなシーンがむちゃくちゃ多いのだ。
普通ならば「無駄なシーン多い、かったるい!」となるところだが、今作はまったく違う。むしろ無駄こそ面白い、最高だと、腕が千切れそうになるまで拍手してしまうレベルだ。
おそらく、原田組ならではの撮影現場の呼吸と編集のリズムが、独特の魅力――稀有な映画体験――をもたらしている。教科書通りに描けば、キレイだがなんの“ひっかかり”もなくなるものを、あえて無駄な会話やシークエンスをぶっこむことで、意図的に“破壊の興奮=背徳的な快感”を作り出しているのだろう。すべての無駄なシーンには意味があるのだ。
●世界観が素晴らしかった理由④…岡田准一のリアルな肉体
そして主役の岡田くん──闇落ちした狂犬という役どころで、さぞかし筋骨隆々……と思いきや、その肉体はカンペキに引き締まっているわけではない。むしろデカい。テレンス・リー(知らなければググってくれ)を連想する体つきなのである。
この“訓練ではなく戦いのなかで培われた体”という役へのアプローチが、作品のアクションにリアリティを与え、面白さを倍増させている。「爽やかさ」という概念をナイフで切り裂いたような岡田の風ぼうと言動が、さらなるリアルを私に感じさせる――。
筋骨隆々の男が超絶体術で敵をなぎ倒す、というアクションはもう何万回と見た。しかし今作は違う。どちらかというと泥臭く、そこが輝いてみえる。ただ迫力があるのではなく、奇妙にド迫力なため、強く記憶に残り脳裏から離れない。
“普通の作品”に飽きた、そこのあなた。この“クセ強・傑作映画”が、きっとぶっ刺さるはずだ──。