「いったい何を見せられているのだろうかと?思われる映画に」ヘルドッグス komagire23さんの映画レビュー(感想・評価)
いったい何を見せられているのだろうかと?思われる映画に
(完全ネタバレですので鑑賞後にお読み下さい)
正直、この映画を見ていて「いったい自分は何を見せられているのだろうか?」と思われました。
主人公の兼高昭吾(岡田准一さん)が殺しを始める動機、新宿交番勤務の警察官時代に出会ったスーパーで働く女子高校生ら4人が殺された事件については、その犯人の復讐殺害については映画冒頭の早々にケリがつきます。
その後は殺害動機の良く分からないままに虫けら同然に暴力団の人間が兼高昭吾らによって殺害されて行きます。
観客の私としては、いったいなぜ彼らが虫けら同然に殺されて行っているのか良く分からないまま映画が進行して行ったように思われます。
そもそも(警察上層部から依頼されたとはいえ)兼高昭吾が彼らを殺害する個人的な動機は観客としてはあったとは思えず、なにより共感することは困難でした。
なぜなら兼高昭吾の殺害動機が深かった関係性あったスーパーでの女子高生を含めた従業員殺害の話はもう既に終わっているからです。
どんどん殺害されて行く暴力団員は、ただひたすら暴力団というカテゴリーの人間だから殺されても良いのだと言わんばかりの薄っぺらい理由での殺害の連続に、個人的には思われました。
警察上層部の阿内将(酒向芳さん)や、暴力団員の土岐勉(北村一輝さん)の愛人だった吉佐恵美裏(松岡茉優さん)の今回ストーリーでの動機は、最終盤でようやく明らかにされるのですが、その場面に行くまでに正直、精神的には疲れ果てる映画に残念ながらなっていると思われました。
やはりどんな人物であっても、なぜその人物が殺されなければならないのかは丁寧に描写する必要があるとは思われました。映画は人間を描く表現だと思われますので。
よって個人的には内容的には2点の評価の低い作品になってしまいました。
ただ、主人公の兼高昭吾役の岡田准一さんや室岡秀喜役の坂口健太郎さん、十朱義孝役のMIYAVIさんなどのアクションは素晴らしく、そこは見ごたえがあり、他の役者陣の質の高い演技含めて、プラス1点の3点の評価となりました。
役者の演技もアクションも素晴らしいのに、本当にもったいない作品だと個人的には思われました。
(あと関係ないですが、映画『沈黙のパレード』と重なっている役者が多くて続けて見たのもあってそこもどうなんだろうとは、勝手ながら個人的には思われました‥)