「潜入捜査ノワール、の雰囲気の、カッコいい映画」ヘルドッグス ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
潜入捜査ノワール、の雰囲気の、カッコいい映画
自分的に「カッコいい、雰囲気、の映画」というカテゴリーの原田眞人監督作品。ロケ地、美術、衣装、どこにそんな世界があるんだろうかという、ある意味ユートピアな場所が毎回見どころだ。今回は廃屋廃墟に装飾を置いてヤクザな世界を演出。こんな場所をそんな設定で?というのは黒沢清と双璧かも。出てくる裏社会のメンツもカッコいい。オペラ?をカラオケで歌うヤクザ。見てる間はテンポはいいし、視覚的にもかっこいいので飽きないのだけど記憶にも残らない。毎度。有象無象の暗黒集団はかっこいいのだけどさすがにあのリーゼントの女性込みでの葬儀シーンは皆キャラが強すぎて笑ってしまう。
岡田准一はかっこいい。坂口健太郎もかっこいい。松岡茉優は生気がない。言われてるようにセリフは聞きづらいが、たぶん聞けなくてもいいや、というしつらえの「雰囲気の映画」なので気にもしなくなる。主人公のマッドドッグぶりの理由づけもあまり乗れるものでなく、潜入捜査官になる理由もあまりパッとせず、アンダーカバーばかりとなる後半の前にそもそもミステリー要素はセリフが追いきれずあんまり驚きの要素はない。バレるバレないを愉しむようにも作られてないし。
という全体的にカッコいいを楽しむ映画。
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