「残りの2%は何なのかーーーこれは気になりますよね?」ヘルドッグス 山田晶子さんの映画レビュー(感想・評価)
残りの2%は何なのかーーーこれは気になりますよね?
ヤクザ組織に潜入する、訳あり元警察官(岡田准一)と、制御不能でサイコパスなヤクザ(坂口健太郎)との相性は「98%」とのこと。その流れで組んだ2人は「狂犬」のごとく様々なミッションをコンビで駆け抜ける。
「狂犬」と聞くと、ボスを守るためには何でもする乱暴さが表面的に出てしまうが、本作の人間模様は「愛犬」を超えた複雑な葛藤が交差し、「誰を信じて、誰を疑えばいいのか」さえわからないところまで発展していく。
そして「狂犬」と表現するほどバイオレンスシーンが多く、目を伏せたくなる場面も出てくる。そこを乗り越えられれば、かなり純粋でミステリー的な作品となっており、主演である岡田准一の心と体の強さが魅力的に映る。
「真実は絶対明かせない」というブレない姿勢を演じる岡田准一は、全てがかっこいい。
誰がどれだけ悪いのかという点については、はっきりと語れない面がある。
ただ、白黒しっかりつけた人間は誰だったのか、個人的な愛情はどこまで通用するのか、という最も大切なところは、ミステリー調の本作の最後を見て、初めてわかる。
「98%」という相性のゆくえ(絆)がとにかく気になる作りとなっており、また、全体的に「人間味」が溢れているストーリーから目が離せなかった。
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