キラー・セラピーのレビュー・感想・評価
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とてもリアル
この映画は傑作でした。
精神疾患に向き合わない家族やセラピスト達によって人生を狂わされてしまう、その成り行きが痛々しいほど共感でき、ストーリー性は単純なものの、とてもリアルです。
「周りが自分を優しくしてくれない、ちゃんとしたいのに」という主人公の言葉はとても心に刺さりました。本当は母のために妹とのコミュニケーションを取ろうとして、石を投げてきた子供に仕返しするつもりが木から落としてしまったり、本人は正義のつもりだったのでしょうが…。
音に敏感だったり、他人に望み過ぎてしまったり、嘘がつけない、悪気はなく心は純粋、そもそも両極性障害(精神疾患)だってことを周りが認めて対処してくれれば殺人鬼にはならなかったのに…と。
人間が絶望に追い込まれたとき自分を攻めるのか他人を攻めるのか必ずどちらかなのだと、心ってすごく大事・あとセラピストうんぬんより病院での治療ってすごく大事なんだと改めて考えさせられました。
ジャンルはホラー映画なのに、めちゃめちゃ勉強になりました!
ちょっと病気別だけど「シンプル・シモン」のハッピーエンドと比べると環境によってこんなにも人生って変わってしまうのねー。
そんでもって、母親の過去がとても気になりました。母親も元々養子で、精神疾患が子供に遺伝したと思っているため第二子が怖くて産めず娘(主人公の妹)を施設から迎えいれた、と。色々パワーワード満載で想像を掻き立てられました!
鑑賞動機:未体験ゾーン5割、ごく一部の評判5割。
主人公自身を含め、全てが主人公を追い込むように進んでいく話。
ただ母親が亡くなった時点で、もう行き先が見えてる感じがする。もう少し途中でも救われそうな状況があると…最後に観客に与えるダメージが大きくなってよかったのに、デュフフフフ。
この戦慄は、極上。
両親が養女に愛情を注ぎ、贔屓していると思い込んだ少年が、心に闇を抱え殺人鬼へと変貌していく様子を描いた物語。
迫力のあるBGMに包み込まれ、画面をポンポンと切り替える手法がこの悍ましい物語をダークに彩っていく。う~ん、怖くて心地よい‼
望まない養女の登場から徐々に心が荒み、セラピストへの信頼も失い、サイコとはまた違った悪の人格が形成されていくブライアン。
ブライアンの苦悩…確かに誰の手にも負えないヤバさがあったけど、校長室の場面は胸が痛くなったかな。フォローする余地は無いけど、結局みんな敵なんだ…っていう絶望感があった。
そんなこんなの繰り返しで、最初は無意識の内にもう一つの顔が出てしまうブライアンだったが、後の彼はもはや…。
やっぱりホラーって、こういう人間の闇を中心に描いた、オバケの出ないホラーの方が怖いですよね(いや、オバケ出てたか笑)。
評価はギリギリ☆4.5といった所‼かなりの高評価作品ですが、逆に言えば個人的に絶妙に惜しい作品とも言える!
このテの作品なら、堕ちていく主人公にもうちょっと同情できる内容の方が好みだったかな。
加えて、子ども時代をもうちょっと見せて欲しかった。
そして何より、憎むべき相手が多すぎて、1人ひとりの存在がちょっと薄く感じたかも。大きな引き金となった妹や変態セラピストさんでさえ、言うて結構影が薄いんですよね。ってか、凄く意味ありげに見てたセラピストの奥さん(?)の写真、アレ結局何だったの?
その人は危険よ!…的な?
いずれにせよ、1人の人間が闇堕ちしていく様と、巻き込まれた人々の末路に終始戦慄が走りっぱなしの超掘り出し物作品だった。
正直今年のラインナップ見てちょっと心配してたんだけど、何だかんだ言って毎年出逢える未体験ゾーンの埋もれた傑作。まだまだ中盤戦だが、今んとこ本作が最有力候補かな。
おまけに、エンディングテロップも雰囲気抜群‼
狂気の作り方
両親と3人で暮らす12歳の少年の家庭に、養子縁組で妹がやって来て狂って行く話。
親の目が自分から離れ妹に向くことを嫌い、妹を迎える前から不満全開なブライアン。
妹がやって来て意地悪をしてしまい、追い詰められると噛みつく様になり、セラピーを受ける様になり堕ちていくけれど、事実かどうかは別として、何の確証もなくそんなことはあっちゃいかんだろう仕打ちの連続で、みていてキツくなって行く。
ある意味じゃ何かといえぱセラピーというのを批判している様にも…。
時計仕掛けのオレンジが頭を過った。
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