愛すべき夫妻の秘密

解説

1950年代にアメリカで放送された人気シットコム「アイ・ラブ・ルーシー」で主人公のリカード夫妻を演じた、ルシル・ボールとデジ・アーナズの関係を描いた伝記ドラマ。実生活でも夫婦だった2人が、結婚生活とキャリアの両方で直面する危機や複雑な関係を描き出していく。ルシル・ボール役に「めぐりあう時間たち」のニコール・キッドマン、デジ・アーナズ役に「ノーカントリー」のハビエル・バルデムと、ともにアカデミー賞を受賞している実力派が主演を務めた。監督・脚本は「シカゴ7裁判」「モリーズ・ゲーム」のアーロン・ソーキン。そのほかの出演にJ・K・シモンズ、ニーナ・アリアンダ、アリア・ショウカット、トニー・ヘイル、クラーク・グレッグ、ジェイク・レイシら。第94回アカデミー賞で主演女優、主演男優、助演男優の3部門にノミネート。第79回ゴールデングローブ賞ではニコール・キッドマンが最優秀主演女優賞(ドラマ部門)を受賞している。Amazon Prime Videoで2021年12月21日から配信。

2021年製作/132分/アメリカ
原題または英題:Being the Ricardos

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第79回 ゴールデングローブ賞(2022年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) ニコール・キッドマン

ノミネート

最優秀主演男優賞(ドラマ) ハビエル・バルデム
最優秀脚本賞 アーロン・ソーキン
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(C)Amazon Studios 12月21日(火)午前9時からPrime Videoにて独占配信

映画レビュー

4.0ルシル・ボールも破天荒

2022年3月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

当サイトの新作映画評論に本作の評を寄稿したので、こちらでは補完的な話を。評の中で「男性優位の業界で逆風を受けながらも才能とチャレンジ精神で成功し、女性の地位向上に貢献したルシルの生きざま」と書いた通り、テレビシリーズの主演に起用された際にキューバ人俳優の夫を共演させることを条件につけたこと、妊娠したときには劇中でもルーシーが妊娠した設定にすると提案したことなど、当時としては前代未聞の主張を貫いて見事に結果を出したサクセスストーリーに、女性ならずとも胸のすく思いがする。 ただ、彼女がすごいのは、なにも劇中に描かれた部分だけではない。夫婦で制作会社デシル・プロダクションを設立し、社長に就任(プロダクションの社長になった最初のテレビ女優だとか)。まだ再放送で儲けるという発想がなかった時代、デシルは放送後の番組の権利を保有した。のちにルシルはデジの取り分を買い取り、会社の単独オーナーに。果たして、「アイ・ラブ・ルーシー」(とその後に続くルーシーを主人公にしたいくつかのシリーズ)は、半世紀以上にわたり延々と再放送され続ける息の長い人気ドラマになった。なんという先見の明! 今年のアカデミー賞には本作からニコール・キッドマン、ハビエル・バルデム、J・K・シモンズがノミネートされているが、3人のうち受賞の目がありそうなのはやはりキッドマンか。シモンズは前に助演男優賞を受賞した「セッション」に比べるとインパクトが弱い。バルデムも悪くないのだが、キューバ人のデジ役をスペイン人俳優が演じたことに批判の声もあったようだ。単に人種が違うからというわけではなく、キューバなど中南米の国の多くがスペイン人によって植民地化されたという歴史的背景があり、キューバにルーツを持つ人々の心情を考慮して、ということだろう。近年のハリウッドは人種的正義にもますます神経質になってきている。

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高森 郁哉

3.5ニコールはルーシーにあまり似ていない。でも他の味わいが

2022年1月11日
PCから投稿

笑える

悲しい

ニコール・キッドマンがそっくりメイクでアメリカ・コメディ界のレジェンド、ルシール・ボールを演じる!?製作ニュースが流れた当初、これはキッドマンがボールの芸を克明に再現する人物伝かと思ったが、出来上がった作品は想像とは違っていた。そもそも、2人は声が違う。(ボールは物凄いダミ声だった)映画の本筋は、大ヒットドラマ『アイ・ラブ・ルーシー』の舞台裏でボールが番組内でも夫婦を演じる夫、デジ・アーナズの浮気を疑いつつも、何とか夫婦の枠内に収まるよう悪戦苦闘する様子を描いたものであった。2人の番組内での役名はリカルド夫妻。従って原題は『Being the Recardos』(リカルド夫妻として)となるわけだ。 同時に、これはTV女優として絶大な人気を誇ったボールが、映画界ではいかに冷遇され、B級扱いされていたかがわかるハリウッド映画史の1ページでもある。また、劇中には彼女が"赤狩り"の標的にされた事実も登場する。本作は、監督と脚本のアーロン・ソーキンが、希代のコメディエンヌの闘う姿を通して一つの時代を再現し、そこに夫婦関係の脆さ、繊細さを加筆した人物伝。ソーキンの語り口は今回も滑らかで、たとえ賞に絡まなくても観る価値はあると思う。

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清藤秀人

3.5洗濯すきなのに

2023年10月11日
iPhoneアプリから投稿

ニコールキッドマンの顔は寄せて似せているからなのか始め誰?だったのだが段々見慣れてくる。ルーシーショウは聞いた事があったが見た事はなかったので、ルシル・ボールという人物を初めて知った。 激動の1週間を中心に話は展開するが、ルシルとデジの出会いの部分が入ったり、後の人が回顧して話すパートがあったりで話は複雑。夫の浮気、妻の妊娠、赤狩り対応などいっぺんに降りかかってくる。現代的に女性の地位に疑念を持ったり、発言したりと幅広い。 この物語では夫を非常に愛しているのだが、現実はどうだったか本人にしか分からない。最後のテロップを読むと、ドラマの為に夫婦を演じていたのかもしれないなぁと。

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GAB I

3.5シニカルな余韻を残すラストが良き。

2023年3月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

知的

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Y.タッカー

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