シラノのレビュー・感想・評価
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私にとってちょうど良い「規定」作品
さて、ピーター・ディンクレイジとヘイリー・ベネットという「好きな俳優の共演」で楽しみにしていた作品。ピーターの哀愁とヘイリーの美しさは今回も裏切らず、二人の演技、歌ともに満足度は高いです。なお、本作は戯曲『シラノ・ド・ベルジュラック』という古典であり、物語そのものは観ていて予想できる展開のため、いわゆる目新しさはありません。が、それと言うのも、その後の多くの作品に影響を与えているからなのでしょう。
それにしても、この『シラノ・ド・ベルジュラック』は「恋愛とルッキズム」という分かり易く、どの時代や国・人種にも置き換えられる普遍的な問題がテーマであることから、日本でも繰り返し上演や映像化がされているようで、中でも『白野弁十郎』や『或る剣豪の生涯』というローカライズ作品があることに興味津々。
古典の楽しみ方には「見比べ」が出来る点もあると思いますが、私自身は唯一『愛しのロクサーヌ(87)』が関連作品の鑑賞で、いきなりかなりな「変化球」。正直の内容も全く覚えておらず、今回の『シラノ』が、今後の掘り下げをするにはちょうど良い「規定」作品になりそうです。
ミュージカルじゃなければ・・
いろいろ考えてしまって結局ノレませんでした。
最初にこの映画の予告を見た時、その着眼点の素晴らしさから大変期待しました。
鼻の大きな醜男シラノドベルジュラックの話を小人症の設定にして作り直すという試みは、それだけで傑作の生まれる予感があります。(ノートルダムっぽいですが)
ですが、いざキャスティングを考えると、現在のハリウッドでこの役ができるのは(CG処理を施さないのであれば)、ほぼピーター・ディンクレイジ1人しかいないのです。
もちろん彼を批判しているわけではないですし、彼が小人症の人たちの地位向上に大きく貢献してきたことも間違いないと思います。ですが、この映画は結果的に彼のための映画になってしまっています。
そしてその弊害として、ミュージカル映画なのに歌唱によるオーディションがされていないであろう、ということです。(少なくとも主役は)
私が引っかかったのはその点なのです。ディンクレイジの歌がお世辞にも上手いとは言えないことからいろいろ考え始めてしまいました。
彼を主役に決めた時点でそれはしょうがないことですけどね。歌でオーディションするのではなく、決まった主役に歌をなんとか練習させるしかないわけですから。
結論として、これがミュージカル映画でなかったらもう少し評価できたかもしれません。
ピーター・ディンクレイジの演技に感動…
切なくも儚いストーリーと力強く綴られる恋文に感動しました。
特にピーター・ディンクレイジの表情演技は安定の素晴らしさで、音楽も相まってギュッと心を鷲掴みされたような感覚になりました…。
ただ音楽やストーリーが良かっただけに、ダンスシーンの演出が少し地味な点や、ラストシーンなどの構成が少々分かりづらかったのが惜しいなと感じました。
歌上手い
ディンクレイジも歌えたんだ!
前の日はマフィアのボスで…
歌、まるで、エイティーズのパワーバラッド!MTVみたい!
ギターの音さえしないけど、このシラノ、もしかして、ロックオペラって言われるやつ?
シラノは相変わらず、かっこいい!
小人症でも、鼻が大きくても!
そんなに伝言覚えれません
予告を見て少し興味が湧いたので鑑賞。「ウエストサイド・ストーリー」で少しは緩和されたものの、まだミュージカル映画は苦手。あまり期待はしていなかったけど、ミュージカル苦手でもすんなりと入ってきて良かった。
なんか引き込まれないなぁと思う冒頭。
それはしっくりこないなぁと思うラスト。
そんな間に挟まれた中身は、ちょっと難しい話だけど見やすくて面白かった。切なすぎるなぁ...。すれ違ってしまう様がよく描けていた。
何よりいいのが主人公シラノを演じたピーター・ディングレイジとロクサーンを演じたヘイリー・ベネットの演技力と歌声。なんと言葉にしたらいいか分からないが、とにかく美しかった。3人がそれぞれの思いを抱えながら歌うシーンはめちゃくちゃ良かったな。
美術も凄いし、ラスト前のシーンは緊張感があるし、さりげなく歌う姿がミュージカル苦手にとってはとてもよかったりと、品のある映画だけどそれだけでは収まらない良さがたくさんあった。どういうことなの?と意味がわからないシーンもあったけれど、基本的には丁寧な作り。舞台を見事に映画に落とし込んでいた。
でも正直、個人的には「ウエストサイド・ストーリー」の方がハマったし(比較するのは良くないけど)、完璧に話を理解して乗れたかと言われるとうーん...って感じ。とてもいい映画であることはもちろん分かっているんだけど、少し性にあわないなと思う場面もあってめちゃくちゃ面白かった!とは言えないかな。
それでも染みたり泣きそうになるシーンが多くあって、叶わぬ恋の苦しさが強く感じられる映画でした。ピーターディングレイジ、いい役者。
間違いがない正統派
絵的に完璧に美しい。
間違いがない正統派のミュージカル映画に仕上がっていた。
途中何度も心踊った。
なのに始まって3日目なのに客席7人よ。
なんでだよ。みんな隣のシアターのナイル殺人事件になだれ込んで行ったよ。
騙されたと思って観て欲しい。
バルコニーの3人のシーン、雪の戦場のシーン、どちらも素晴らしい!
当時は手紙力。
今ならメール力LINE力。
人の心を動かすものはなんなのか。無粋な男に出る幕はない!
いい声だねぇ((イケヴォ
最初からシラノの豪快っぷりを堪能できてめちゃくちゃ面白かった。
誹謗中傷は言葉の鋭い刃だがシラノは誹謗中傷して来たやつに本物の鋭い刃をぶっさした。
『なんとも皮肉な場面だ』と思ったのも束の間、シラノの剣さばきには驚かされた。
いくら小柄だろうと「フリーク!」と言われようとも関係ない彼には強靭な精神が宿っているのだ。
どう言われようとも屈しないシラノの姿は本当にかっこよかった。
シラノ役のピーター・ディンクレイジの声個人的には良かったけどなぁ。
めちゃイケ ハンサムでした。
この映画はミュージカル映画でも稀に見ない比喩表現がたくさん練りこまれていて、見ててクスッと笑ってしまう場面もあり、おお!と驚かされる所もあった。
品があり、ひとつひとつの曲が美しかった。
家庭の事情とか色々あるだろうけど、語彙力、表現力は高めたほうがより世界は広がり、美しいものとなる。そう感じた。
胸からこみ上げる何かはあったけど、泣きはしなかったです。
恋人には嘘を吐かずに正面から向き合おう。そして大切にしようと心から思った。
見えないように
SNSを通して匿名で誰かを応援していた自分を重ね、シラノが気持ちを言葉にするたび、ひたすらに泣き続けてしまいました。
エゴとプライドと自己卑下の先に、それでも自分の言葉が届いていたと信じたい気持ちは、この映画のように誰かに美しいと思ってもらえたのでしょうか。
ヘイリー・ベネットが歌も素敵だった
17世紀のフランスで、剣の腕と詩の才能を持つ騎士シラノは、背が低く外見に自信が無いため、昔から好きなロクサーヌに気持ちを伝えられなかった。シラノの思いを知らないロクサーヌは、シラノと同じ部隊のクリスチャンに一目惚れし、2人の恋の仲立ちをシラノに頼んだ。クリスチャンは文才が無いため、愛するロクサーヌの願いをかなえようと、シラノはクリスチャンの代わりにラブレターを代筆した。ロクサーヌは求婚されていた公爵の求めを断りクリスチャンと結婚したため、公爵の部下の2人は戦争の最前線に送り込まれ、クリスチャンは戦死してしまった。これからどうなる、という話。
ロミオとジュリエットに似てると聞いてたが、たしかに似てるし、先日観たウエストサイドストーリーにも似てるかな。
恋愛のミュージカルってどれも似たようなストーリーになるのかも。
シラノは容姿が悪いという設定で発育不全で低身長のピーター・ディンクレイジをあてたのは最初どうかと思ってたが、話が進むにつれて良いキャスティングだと思った。
ロクサーヌ役のヘイリー・ベネットはswallowの主役だった女優とは観賞後まで気付かなかったが、あの時の気持ち悪い妻役とは違って、可愛くて歌も良かった。
フレンチロックミュージカル!
Cyrano de Bergeracという戯曲の存在は知っていたものの鼻の大きな醜い男の愛する気持ちを押し殺した悲恋物、という程度しか知らず過去に舞台観劇にどハマりした時期でも観劇のチャンスはなかった。
その上での初見。
とにかく曲が良かった!!フレンチミュージカルに多いロック調の曲が含まれたナンバーは重苦しい時代のウェイトレス化を見事に担っていて、重さと軽やかさのバランスがとてもよく取られてると感じる。
ストーリーについては、欲しがり屋さんな自己チュー女子が見た目だけの能無し語彙なし男子とくっつきたいがために、身長こそ低いがそれ以外は頭脳明晰で剣術にも長けているユーモアとウィットも金揃えたパーフェクト💯男子に何とかするように(非常に上から目線で)命令する話。
ヴィランとして描かれてるド・ギッシュ伯爵についてもよくよく考えると手に入れたい超絶若い女子に振り向いてもらえるように貢ぎ物をしたり、求婚したり、戦地に送るどころか送らない措置を取るなんつー言ってみれば悪いところは正装時の化け物メイクくらいしか見当たらない頑張ってるおぢさんでしかないのに、狙った相手が悪く自分の欲求を叶えるためには手段を選ばないワガママ女だったせいで途中から“ぷっつん(←死語)”してしまったというだけ。誰かロクサーヌをちゃんと躾けてあげてよ……
主役を演じるピーター・ディンクレイジは超絶イケボ💕あの声であの愛の言葉を囁かれたら落ちちゃうでしょ〜オンナは。
でもたまにウィリアム・H・メイシーに見えてしまい、ドラマシリーズ『シェイムレス』のろくでなし親父フランクに思えてしまう場面も😅
シラノ氏について調べてみたら17世紀に実在した人物だとか。という事はこれは史実の戯曲!?
ピーター・ディンクレイジの憂い顔に惹かれる
往年の名作とあって、心に刻まれる良作でした。
シラノを演じるピーター・ディンクレイジの全身が映るのは引きが多かったけれど、
表情のアップでヒロイン、ロクサーヌへの複雑で秘める想いが伝わって、魅力的な役者さんでした。
ロクサーヌ役のヘイリー・ベネットは清廉で透明な輝きがあるものの、最初の登場の際、器量良しには見えなかった、、
ラストでシラノがロクサーヌに告げる最期の言葉が印象的で、
今迄のシラノの取った行動のシーンを回想せずにいられなかった。
オールドファッションの純愛映画リバイバルと見える
ミュージカル仕立てなのか空間が狭く、場面展開も少なく、重苦しい映画だった。
それにしても実に古臭い純愛もののストーリーでよくぞそのまま映画化出来たものだ。
老いた私には懐かしく古い映画を見るようでそれなりには良かった。
でもおすすめ度は★★★です。
シラノの恋敵となるクリスチャンがもう少し男前であれば映画に華やかさと緊張感が出てきたものと思える。
完全にミスキャストではないか?
「シラノ・ド・ベルジュラック」の見事なミュージカル化の見事な映画化。
①言わずと知れた永遠の三角関係の悲劇。しかし、21世紀にシラノを小人症の俳優が演じ、クリスチャンをアフリカ系アメリカ人の俳優が演じても少しも不自然に感じないところに、人間というものを適確に描いている古典が持つ普遍性と強さとを感じましたね。②目玉曲はないものの歌はどれも美しい。17世紀のフランスの風俗を取り入れた群舞シーンも巧く、一番のお気に入りのミュージカルシーンはパン屋を舞台にしたシーン。死線に向かう兵士たちのシーンに現在唯今起こっているロシアのウクライナへの侵攻が二重写しになって胸が突かれた。③ピーター・ディンクレイジは場面と相手のリアクションによって次々に変わる表情が素晴らしく観ていて飽きない。時には凄くハンサムに見える時もある。キワモノ的な役が多かった人だが一俳優としても力のある人だということがよくわかった。④ヘイリー・ベネットという女優さんは初見で、最初ロクサーヌ役にはもっと美人が良いのではと思ったが、頭の方のシーンでの恋に恋する乙女像と、ラスト修道院で暮らすようになった少し大人になった女性像とをちゃんと演じ分けていましたね。⑤
言葉で解かれてゆく愛
堅いことは抜きにして。
ロクサーヌよ、幼馴染というステータスはそこまでお主を鈍感にさせるか。
ただ一目惚れというのは相手がイケメンかどうかに関係ないと思っている。
シラノ:ロクサーヌを愛しているが、自身の容姿を気にして打ち明けられない
ロクサーヌ:シラノの幼馴染で、伯爵に求婚されている中クリスチャンに一目惚れする
クリスチャン:ロクサーヌに一目惚れした新米兵士
愛しているという結果を突きつけるだけでは伝わらず、逆に過程を伝えるだけでは気づいてもらえず。
解いた上で気づかせたことでシラノ、そしてクリスチャンも報われたのかなと思う。
クリスチャンだって愛する気持ちに偽りは無かったはずなのに、
「言葉」に出逢ったがゆえ遠回りをしてしまったのではないだろうか。
そしてシラノも、打ち明ける勇気が最終地点だと後押しされた。
登場人物すべてがそこにいなければ、愛はそれぞれの心の中に、幻想として埋もれていたままだろう。
各人のわがままさが露呈するが、それが恋の行方を追う糸となる。
今一度言葉の美しさを感じたければ是非。
フランスの劇作品を映画化した本作。 本作の主人公シラノを演じたピー...
フランスの劇作品を映画化した本作。
本作の主人公シラノを演じたピーターディンクレイジが剣術に長け、勇敢な性格だが繊細さを持ち合わせたシラノを演じきっていて、劇中で圧倒的な存在感を放ち、物語を牽引していた。
シラノ、ロクサーヌ、クリスチャンの3人が心の内を伝え切ることができず、そこでもやもやとした感情を抱いてしまい、フランス古典への勉強不足ゆえにストレートに本当の事を言えばいいのにという考えを抱いてしまった。物語を通して少し内容が湿っぽいと感じた。とても期待していたので拍子抜けしてしまい、大満足とはならなかった。
音楽や作品の描写はとても美しく、その当時の情景を鮮明にイメージすることができた。
ヘイリー・ベネット推し
1897年の初演以降、世界中で映画化やミュージカル化されている不朽の名作「シラノ・ド・ベルジュラック」を、「つぐない」「プライドと偏見」「ハンナ」「スワロウ」のジョー・ライト監督が再構築して描くロマンティックミュージカル。シラノ役を「パーフェクト・ケア」などのピーター・ディンクレイジ、ロクサーヌ役を「スワロウ」「イコライザー」などのヘイリー・ベネット、クリスチャン役を「WAVES ウェイブス」「ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」などのケルビン・ハリソン・Jr.が演じた。17世紀のフランスが舞台のプラトニックラブ&恋文代筆友情物語。ヘイリー・べネットの透き通るような美しさとピーター・ディンクレイジの男の色気のある表情演技が素晴らしかった。前から5列目ぐらいの真ん中で観ることをおすすめします。シラノ・ド・ベルジュラックは鼻が大きいことで強いコンプレックスを持っていて、戦争での負傷と飢えではなく実際は梅毒で死んだとのこと(Wiki)。鼻の大きい男はあちらも大きいといいますね。梅毒はコロンブスが15世紀末に中南米の先住民の風土病を持ち帰ったやつ。イタリア戦争で瞬く間にヨーロッパ中に広まった。シラノはたぶん足しげく遊郭通いしてたんでしょうね。そこんところは大目に見てあげましょうや。
ピーターディンクレイジ歌もいける!
最初のロクサーノの歌い出しにノレず、ちょっと不安に感じたけど、ピーターディンクレイジの低音ボイスでどうにか巻き返した。シラノの最初の歌が個人的にはピークだった。
身体的コンプレックスを跳ね除け、剣も詩も優れているし雄弁だが、愛するものの前ではどうして悲観的、消極的になってしまうのか…
シラノにもどかしく感じつつ、分かるなぁと思った。本当の思いを直接伝えてくれぇと何度も思った。
ウエストサイドストーリーもそうだし、古典だからかもしれないが一目惚れはないなぁ。
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