シラノのレビュー・感想・評価
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ミュージカルじゃなければ・・
いろいろ考えてしまって結局ノレませんでした。
最初にこの映画の予告を見た時、その着眼点の素晴らしさから大変期待しました。
鼻の大きな醜男シラノドベルジュラックの話を小人症の設定にして作り直すという試みは、それだけで傑作の生まれる予感があります。(ノートルダムっぽいですが)
ですが、いざキャスティングを考えると、現在のハリウッドでこの役ができるのは(CG処理を施さないのであれば)、ほぼピーター・ディンクレイジ1人しかいないのです。
もちろん彼を批判しているわけではないですし、彼が小人症の人たちの地位向上に大きく貢献してきたことも間違いないと思います。ですが、この映画は結果的に彼のための映画になってしまっています。
そしてその弊害として、ミュージカル映画なのに歌唱によるオーディションがされていないであろう、ということです。(少なくとも主役は)
私が引っかかったのはその点なのです。ディンクレイジの歌がお世辞にも上手いとは言えないことからいろいろ考え始めてしまいました。
彼を主役に決めた時点でそれはしょうがないことですけどね。歌でオーディションするのではなく、決まった主役に歌をなんとか練習させるしかないわけですから。
結論として、これがミュージカル映画でなかったらもう少し評価できたかもしれません。
ピーター・ディンクレイジの演技に感動…
歌上手い
そんなに伝言覚えれません
予告を見て少し興味が湧いたので鑑賞。「ウエストサイド・ストーリー」で少しは緩和されたものの、まだミュージカル映画は苦手。あまり期待はしていなかったけど、ミュージカル苦手でもすんなりと入ってきて良かった。
なんか引き込まれないなぁと思う冒頭。
それはしっくりこないなぁと思うラスト。
そんな間に挟まれた中身は、ちょっと難しい話だけど見やすくて面白かった。切なすぎるなぁ...。すれ違ってしまう様がよく描けていた。
何よりいいのが主人公シラノを演じたピーター・ディングレイジとロクサーンを演じたヘイリー・ベネットの演技力と歌声。なんと言葉にしたらいいか分からないが、とにかく美しかった。3人がそれぞれの思いを抱えながら歌うシーンはめちゃくちゃ良かったな。
美術も凄いし、ラスト前のシーンは緊張感があるし、さりげなく歌う姿がミュージカル苦手にとってはとてもよかったりと、品のある映画だけどそれだけでは収まらない良さがたくさんあった。どういうことなの?と意味がわからないシーンもあったけれど、基本的には丁寧な作り。舞台を見事に映画に落とし込んでいた。
でも正直、個人的には「ウエストサイド・ストーリー」の方がハマったし(比較するのは良くないけど)、完璧に話を理解して乗れたかと言われるとうーん...って感じ。とてもいい映画であることはもちろん分かっているんだけど、少し性にあわないなと思う場面もあってめちゃくちゃ面白かった!とは言えないかな。
それでも染みたり泣きそうになるシーンが多くあって、叶わぬ恋の苦しさが強く感じられる映画でした。ピーターディングレイジ、いい役者。
間違いがない正統派
いい声だねぇ((イケヴォ
最初からシラノの豪快っぷりを堪能できてめちゃくちゃ面白かった。
誹謗中傷は言葉の鋭い刃だがシラノは誹謗中傷して来たやつに本物の鋭い刃をぶっさした。
『なんとも皮肉な場面だ』と思ったのも束の間、シラノの剣さばきには驚かされた。
いくら小柄だろうと「フリーク!」と言われようとも関係ない彼には強靭な精神が宿っているのだ。
どう言われようとも屈しないシラノの姿は本当にかっこよかった。
シラノ役のピーター・ディンクレイジの声個人的には良かったけどなぁ。
めちゃイケ ハンサムでした。
この映画はミュージカル映画でも稀に見ない比喩表現がたくさん練りこまれていて、見ててクスッと笑ってしまう場面もあり、おお!と驚かされる所もあった。
品があり、ひとつひとつの曲が美しかった。
家庭の事情とか色々あるだろうけど、語彙力、表現力は高めたほうがより世界は広がり、美しいものとなる。そう感じた。
胸からこみ上げる何かはあったけど、泣きはしなかったです。
恋人には嘘を吐かずに正面から向き合おう。そして大切にしようと心から思った。
見えないように
ヘイリー・ベネットが歌も素敵だった
17世紀のフランスで、剣の腕と詩の才能を持つ騎士シラノは、背が低く外見に自信が無いため、昔から好きなロクサーヌに気持ちを伝えられなかった。シラノの思いを知らないロクサーヌは、シラノと同じ部隊のクリスチャンに一目惚れし、2人の恋の仲立ちをシラノに頼んだ。クリスチャンは文才が無いため、愛するロクサーヌの願いをかなえようと、シラノはクリスチャンの代わりにラブレターを代筆した。ロクサーヌは求婚されていた公爵の求めを断りクリスチャンと結婚したため、公爵の部下の2人は戦争の最前線に送り込まれ、クリスチャンは戦死してしまった。これからどうなる、という話。
ロミオとジュリエットに似てると聞いてたが、たしかに似てるし、先日観たウエストサイドストーリーにも似てるかな。
恋愛のミュージカルってどれも似たようなストーリーになるのかも。
シラノは容姿が悪いという設定で発育不全で低身長のピーター・ディンクレイジをあてたのは最初どうかと思ってたが、話が進むにつれて良いキャスティングだと思った。
ロクサーヌ役のヘイリー・ベネットはswallowの主役だった女優とは観賞後まで気付かなかったが、あの時の気持ち悪い妻役とは違って、可愛くて歌も良かった。
フレンチロックミュージカル!
Cyrano de Bergeracという戯曲の存在は知っていたものの鼻の大きな醜い男の愛する気持ちを押し殺した悲恋物、という程度しか知らず過去に舞台観劇にどハマりした時期でも観劇のチャンスはなかった。
その上での初見。
とにかく曲が良かった!!フレンチミュージカルに多いロック調の曲が含まれたナンバーは重苦しい時代のウェイトレス化を見事に担っていて、重さと軽やかさのバランスがとてもよく取られてると感じる。
ストーリーについては、欲しがり屋さんな自己チュー女子が見た目だけの能無し語彙なし男子とくっつきたいがために、身長こそ低いがそれ以外は頭脳明晰で剣術にも長けているユーモアとウィットも金揃えたパーフェクト💯男子に何とかするように(非常に上から目線で)命令する話。
ヴィランとして描かれてるド・ギッシュ伯爵についてもよくよく考えると手に入れたい超絶若い女子に振り向いてもらえるように貢ぎ物をしたり、求婚したり、戦地に送るどころか送らない措置を取るなんつー言ってみれば悪いところは正装時の化け物メイクくらいしか見当たらない頑張ってるおぢさんでしかないのに、狙った相手が悪く自分の欲求を叶えるためには手段を選ばないワガママ女だったせいで途中から“ぷっつん(←死語)”してしまったというだけ。誰かロクサーヌをちゃんと躾けてあげてよ……
主役を演じるピーター・ディンクレイジは超絶イケボ💕あの声であの愛の言葉を囁かれたら落ちちゃうでしょ〜オンナは。
でもたまにウィリアム・H・メイシーに見えてしまい、ドラマシリーズ『シェイムレス』のろくでなし親父フランクに思えてしまう場面も😅
シラノ氏について調べてみたら17世紀に実在した人物だとか。という事はこれは史実の戯曲!?
ピーター・ディンクレイジの憂い顔に惹かれる
オールドファッションの純愛映画リバイバルと見える
「シラノ・ド・ベルジュラック」の見事なミュージカル化の見事な映画化。
①言わずと知れた永遠の三角関係の悲劇。しかし、21世紀にシラノを小人症の俳優が演じ、クリスチャンをアフリカ系アメリカ人の俳優が演じても少しも不自然に感じないところに、人間というものを適確に描いている古典が持つ普遍性と強さとを感じましたね。②目玉曲はないものの歌はどれも美しい。17世紀のフランスの風俗を取り入れた群舞シーンも巧く、一番のお気に入りのミュージカルシーンはパン屋を舞台にしたシーン。死線に向かう兵士たちのシーンに現在唯今起こっているロシアのウクライナへの侵攻が二重写しになって胸が突かれた。③ピーター・ディンクレイジは場面と相手のリアクションによって次々に変わる表情が素晴らしく観ていて飽きない。時には凄くハンサムに見える時もある。キワモノ的な役が多かった人だが一俳優としても力のある人だということがよくわかった。④ヘイリー・ベネットという女優さんは初見で、最初ロクサーヌ役にはもっと美人が良いのではと思ったが、頭の方のシーンでの恋に恋する乙女像と、ラスト修道院で暮らすようになった少し大人になった女性像とをちゃんと演じ分けていましたね。⑤
言葉で解かれてゆく愛
堅いことは抜きにして。
ロクサーヌよ、幼馴染というステータスはそこまでお主を鈍感にさせるか。
ただ一目惚れというのは相手がイケメンかどうかに関係ないと思っている。
シラノ:ロクサーヌを愛しているが、自身の容姿を気にして打ち明けられない
ロクサーヌ:シラノの幼馴染で、伯爵に求婚されている中クリスチャンに一目惚れする
クリスチャン:ロクサーヌに一目惚れした新米兵士
愛しているという結果を突きつけるだけでは伝わらず、逆に過程を伝えるだけでは気づいてもらえず。
解いた上で気づかせたことでシラノ、そしてクリスチャンも報われたのかなと思う。
クリスチャンだって愛する気持ちに偽りは無かったはずなのに、
「言葉」に出逢ったがゆえ遠回りをしてしまったのではないだろうか。
そしてシラノも、打ち明ける勇気が最終地点だと後押しされた。
登場人物すべてがそこにいなければ、愛はそれぞれの心の中に、幻想として埋もれていたままだろう。
各人のわがままさが露呈するが、それが恋の行方を追う糸となる。
今一度言葉の美しさを感じたければ是非。
フランスの劇作品を映画化した本作。 本作の主人公シラノを演じたピー...
ヘイリー・ベネット推し
1897年の初演以降、世界中で映画化やミュージカル化されている不朽の名作「シラノ・ド・ベルジュラック」を、「つぐない」「プライドと偏見」「ハンナ」「スワロウ」のジョー・ライト監督が再構築して描くロマンティックミュージカル。シラノ役を「パーフェクト・ケア」などのピーター・ディンクレイジ、ロクサーヌ役を「スワロウ」「イコライザー」などのヘイリー・ベネット、クリスチャン役を「WAVES ウェイブス」「ネクスト・ドリーム ふたりで叶える夢」などのケルビン・ハリソン・Jr.が演じた。17世紀のフランスが舞台のプラトニックラブ&恋文代筆友情物語。ヘイリー・べネットの透き通るような美しさとピーター・ディンクレイジの男の色気のある表情演技が素晴らしかった。前から5列目ぐらいの真ん中で観ることをおすすめします。シラノ・ド・ベルジュラックは鼻が大きいことで強いコンプレックスを持っていて、戦争での負傷と飢えではなく実際は梅毒で死んだとのこと(Wiki)。鼻の大きい男はあちらも大きいといいますね。梅毒はコロンブスが15世紀末に中南米の先住民の風土病を持ち帰ったやつ。イタリア戦争で瞬く間にヨーロッパ中に広まった。シラノはたぶん足しげく遊郭通いしてたんでしょうね。そこんところは大目に見てあげましょうや。
ピーターディンクレイジ歌もいける!
ポリコレ臭がキツイのは置いておいても、ヒロインの描き方破綻していませんか・・・
最高位の貴族から求婚されるほどの美貌のヒロインをめぐる2+1人の物語。
(主人公シラノ、同僚クリスチャン、伯爵 と ヒロインのロクサーヌ)
これまで数多くの男から言い寄られていたヒロインが初めて一目ぼれするのが黒人の男性。
中身関係なく外見だけで一目ぼれ。17世紀のフランスで。うーん、あり得ないんじゃないですか。
白人女性が白人男性に一目ぼれするのは、ポリティカルコレクトネスの観点でもはや許されないのかもしれませんが、現在ならともかく少なくとも17世紀フランスで黒人男性への一目ぼれはありえないのでは。
100年以上前に公開された演劇での主人公は鼻の大きなブサメンだったのが、今作では小人症の男性に置き換わっています。文才と剣術の才能に恵まれている設定は当初の作品と同じですが、小人症の人が剣を使いまわすことができるのかなと思ったりします。この変更の意図はなんだろう。
ヒロインの男性への嗜好が外見重視から内面重視に置き換わりますが、うーん、破綻していませんかねえ。彼女が一目ぼれしたのは、賢いイケメンではなく、単なるイケメン。中身なんかどうでも良かった。せめて賢いイケメンに一目ぼれするなら内面重視に切り替わるのもわかるのですが。
(まあ、そうなったら主人公が代筆する話が成り立たなくなるのでしょうが)
100年以上前の演劇をそのまま映画化しても面白味がないのかもしれませんが、ポリコレ臭がキツく感じられました。
ちなみに、シラノ・ド・ベルジュラックという人は実在の人物ですが100年前の演劇の段階でかなり脚色されているそうです。
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