劇場公開日 2022年2月25日

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「ピーター・ディンクレイジが演じる「シラノ」」シラノ 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ピーター・ディンクレイジが演じる「シラノ」

2022年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2021年(イギリス/アメリカ)監督:ジョー・ライト。

はじめに字幕で観ました。
2回目は日本語吹替で観てみました。
日本語吹替版は最近のアニメやミュージカル映画の傾向と違って、
歌唱も日本人俳優が兼ねる形ではなくて、
歌っているのは外国人俳優(つまり歌は吹き替えではないのです)

映画館で観ることの少ない私。
Blu-ray/DVDは字幕と吹き替えのどちらも楽しめる・・・メリットがあります。

日本語吹き替えの会話はユーモア溢れてとても楽しい。
字幕上映とはかなり砕けていて雰囲気が違います。
(字幕を付けながら吹き替えを観たので、)
シラノ(森川智之)
ロクサーヌ(柚木涼香)
クリスチャン(増本拓也)
主要キャストの3人は実力派の声優さんらしい(……実は声優さんに詳しくないので、
wikiの経歴で調べた印象ですが、)
本当に上手い。
表情豊かで華やかですし、当然ですけれど声が素晴らしい。
(翻訳は小西恵さん)

「シラノ・ド・ベルジュラック」は1987年のエドモン・ロスタンの戯曲です。
5幕モノの戯曲で、粗筋をさらっと読んだところ、
意外にも内容は、ほぼ原作戯曲に沿っているのでした。
大きく違うのは、シラノが「鼻が大きい醜男」から「小人症の醜男」
(すみません、そういう設定ですので、)
このミュージカル映画「シラノ」
この変更が特色であるといえると思います。
実はこの映画、2018年の舞台ミュージカルを基にしている。
ミュージカルのキャストも、
シラノがピーター・ディンクレイジ。
ロクサーヌがヘイリー・ベネット。
クリスチャンがケルヴィン・ハリソン・Jr.
主要3キャストはミュージカル舞台から続投しているのです.
(ついでに付け足せば、ピーター・ディンクレイジの奥様はエリカ・シュミット・・・
…………舞台と、この映画の脚本家です)

鼻のデカい大男シラノ・ド・ベルジュラック。
大男の偉丈夫フランス人=ジェラール・ドパルデュースの映画が有名ですが、
そこまで手が回りませんでした。
(出来れば観たかったのですが・・・)

ピーター・ディンクレイジ。
132・1センチの男優、俳優としてマイノリティであることは確かだと思います。
当然ながら動きが小さい。
しかしながら武勇に優れた将校の設定.
(やや説得力のないアクションシーンです)

知性のない色男クリスチャン。
クリスチャンの代わりに、ロクサーヌへの恋文の代筆をするシラノ。
ロクサーヌは本当にシラノの代筆に気付いてなかったのでしょうか?

男性に美貌と知性の両方を求める「無い物ねだりのわがまま姫」
実はロクサーヌは計算高い一面を秘めていたのでは?

楽曲は平易で親しみやすい。
インパクトある名曲は少なかったけれど、心地よい歌唱でした。
(ヘイリー・ベネットは歌唱力ありますね)

ピーター・ディンクレイジ。
異形の男・シラノを哀感たっぷりに演じて、男の純情が涙を誘いました。

過去鑑賞

琥珀糖
talismanさんのコメント
2023年3月26日

シラノは古今東西、何度も上演される演目なんですね。男心にドカンとくる普遍的なものがあるのでしょうか?琥珀糖さんが書かれているようにロクサーヌはわかってたんじゃないかなあ?今度はロクサーヌの視点からの演出のシラノを見てみたいです!

talisman