「とうとう彼が主役を張る日が…」シラノ ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)
とうとう彼が主役を張る日が…
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ピーター・ディンクレイジを初めて観たのはいつの何だったか?子供の体型に、童顔の反対は老け顔?悪人顔?のアンバランスさ(恐らくセクシーさ)が何とも言えない魅力を発している人。
シラノ・ド・ベルジュラックの話は有名だし、それ以外にも美女と野獣的な似た話は多いが、だからと言って観る価値が低いわけではない。ただし、セリフの間に歌が入り、踊りでなく歌メインのコテコテミュージカルの映画化。歌詞を字幕で理解しなければならないところがイマイチ入り込みにくい点かもしれないなー。
恋愛としては単純化すると三角関係な訳だが、厳密にはロクサーヌに求婚している権力者を入れると四角関係とも言え、時代背景もあって戦場の前線に行かされる。明日出征で明日死ぬかもしれない、という時、シラノは準備しておいた手紙をクリスチャンに渡す。いつもは中身を見ずにロクサーヌに渡していたクリスチャンだが、読みたいとシラノに頼み、読ませてもらうとインクが涙で滲んでいるのに気づき、そこで初めてシラノもロクサーヌを愛しているのだと気づく。自分とは全く違う外見の彼が、まさか自分と同じ思いを持っていたとは想像すらしなかった、というのが、悪気がないだけに何とも言えない。更に、出征を控える3人の兵士が、愛する人を思いながら別れを歌う。ウクライナに同じ思いを現実に持っている人が今いるのではと思うと、堪らなかった。
また、ぱっと見が素敵な男性クリスチャンの対称が中身が素敵なシラノである訳だが、要は豊かな表現で想いを伝えられる知性ということ。言葉というものの重みや重要性も描かれている。
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