劇場公開日 2022年8月26日

「最後まで胸アツな人間ドラマ!」アキラとあきら ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0最後まで胸アツな人間ドラマ!

2023年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

幸せ

原作は「陸王」「半沢直樹」「下町ロケット」「ノーサイド・ゲーム」などなど、名作ドラマを世に送り出してきた池井戸潤。WOWOWが一度ドラマ化しており、そちらの主演は向井理と斎藤工でした。映画では竹内涼真と横浜流星。個人的にはこちらの方が役柄は合っていたんじゃないかと思います。銀行へと同時入社した同じ名前を持つ2人の男。それぞれ全く違う思いを抱え、ぶつかり合いながらも協力することになる。アツいですね。単なるお仕事映画じゃないです。魂と魂がぶつかって一つになったような物語でした。

多くの人が感じたことがあると思うんですが、主人公の子どものころや過去の回想があると、物語のテンポがグダつきがちなんですよね。今作もそれに当てはまらなかったわけではないですが、決していらないものでもありませんでした。山崎は子どものときに父親の会社が倒産するという苦悩。階堂は子どものときから親族同士のいがみ合いに遭うという苦悩。全く違うように見える2人ですが、そういった意味では同じような境遇にいたのでしょう。山崎も階堂もあの過去があったから大人になってこうして生きているんだなとしみじみ感じました。そして、2人の銀行員としての情熱は、決して消えない炎のようでした。対立する。でも協力する。社会では、こういったことも生きるためには必要です。世の中、自分と似たような考えの人ばかりではありません。だからこそ、お互いに認め合い一緒に戦わなければなりません。ただ興味本位で気軽に見た映画が、ここまで胸を熱くしてくれるとは、アベンジャーズのようなアクション映画とはまた違った興奮や観劇が味わえました。
そして監督は「ぼくは明日、昨日の君とデートする」「思い、思われ、振り、振られ」「アオハライド」などを手掛ける恋愛・青春映画の名手、三木孝浩監督。恋愛でもないテーマの映画でもここまで仕上げてくれたことに感銘を受けました。

しかも主題歌はわれらが群馬県が誇る大スター、back numberです。「ベルベットの詩」めちゃめちゃ心に刺さる応援歌なのでぜひ聴いてほしいです。

ニンフィア好き