「運命の出会いが宿命になる」アキラとあきら bionさんの映画レビュー(感想・評価)
運命の出会いが宿命になる
池井戸作品がきっちり仕上がっていると、やっぱり心を持ってかれるよね。
実家の零細工場が倒産したばかりの
山崎瑛、運転手付きの高級車に乗っている階堂彬。普通であれば、交わることのない幼い2人が、運命の出会いをする。
やがて、東大を卒業した2人のアキラは、産業中央銀行に同期として入行することになるんだけど、池井戸さん好きだよね。零細工場の経営危機と、銀行の情け容赦ない切り捨て。このパターン、またなのと思うんだけど、物語のフックとなって引き込まれてしまう。
江口洋介が演じる不動公二が、部下である山崎瑛に強烈なセリフを何回も決めるんだけど、これがすごく印象に残った。銀行は社会の公器であると同時に営利企業として存続しなければいけない。不動の真意は、そこにあると思う。
最後の最後まで予断を許さない展開でハラハラさせて、カタルシスのある大団円。池井戸ワールドをたっぷり堪能できる作品でございました。
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