「5/29終盤の考察追加」ハケンアニメ! あわわわわさんの映画レビュー(感想・評価)
5/29終盤の考察追加
サウンドバック・・・
サンドバック・・・いや何でもないです
原作未読
ここのところイマイチな映画ばかりみてたのでひさびさに良作に出会えた感じです
アニメ制作現場のコメディというより制作者(監督)の苦悩を天才監督と新人監督の対決を通して軽く描くヒューマンドラマみたいな感じ
メインは監督二人の対比ですのでアニメ制作のこととか知らなくても大丈夫なんじゃないでしょうか(なんか会議してるなーとか絵かいてるなーぐらいの認識で)
もちろん知ってるならより楽しめるとは思います昔のアニメネタとかもでてきますので
いや逆にそれは無理でしょwとかツッコみたくなるかも
まあとにかくドギツい重い話とかではないので安心してさっくり見れます
王道のストーリーですかね
サンドバックよろしくキャラクターが叩かれまくってどう成長していくのか
それはぜひ劇場で見ていただきたいですね
あと劇中アニメが何気にいいんですよね
こういう映画だと肝心の作品はボカしててホントに世間を二分するほど面白い作品なのか?とか思ってモヤモヤするんですが(最近だとウェディングハイのスピーチ部分とか)サバクとリデルはほんとに面白そうなんです
というか劇中でアニメの一部が放映されますが面白いんですマジで
ぜひスピンオフで映画化お願いしたいところ
気になる方はリデルライトやサウンドバック+アニメで検索すればアニメの公式HPがw
PVもありますのでぜひ
いや久しぶりに映画館でちょっと泣いてしまいました
最後の方の展開でうるうるっとね(劇中アニメの展開も含めて)
最近涙もろくてあかん
気になる方は見に行って損はないと思います
Tジョイ系列だとサービスデーとかもありますし安い時にでも
最近あまり買わなくなったパンフレットですが通常版と豪華版あったのでせっかくなので豪華版を購入
それくらい面白い映画でした
追伸 スタッフロールは最後まで見た方が吉
とあるキャラクターの可愛い一面がw
5/29 他の方のレビュー読んでて思うところあったので追記
ラストの方の展開の考察を
以下ネタバレ全開なので閲覧注意
また時間たって忘れてるところもあるので記憶怪しい場所は(?)つけてます
とにかくクッソ長いので閲覧注意(まさかの4000字w追加前800字だったのに)
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終盤の展開で監督二人ともラストを変えるわけですがその方向性は真逆なんですよね
まず天才監督の方ですが、ラストあれだけ殺したがってた主人公を生かす方へ変えます
流れとしてはこう
前作でラスト主人公殺したかったが出資者(?)の都合で生かす方向に
→監督は主人公殺したいと言ってるが今作も夕方放送のため主人公生かす方で
→プロデューサー(以下P)に対し主人公殺しちゃ駄目?からのいい殺し方ない?(?どうやって殺そうかだったかも)
→監督の制作にかける思いに打たれたPのおかげで殺してもOK監督なら最高の殺し方をでっちあげるはず(?)
→アニメラスト主人公たちは爆風の中から飛び出す=生き残る お前たちの思うようになってやるもんか!
大事なところ抜き出すとこんな感じです
天才監督は最初からずっと主人公殺したいと言っていますがそれは本心じゃないんですよね
というかその本心が分からなくなっている
まず前作アニメが大ヒットしたんですが、そこに「主人公殺したかったけど殺せなかった」という裏話が加わることで前作が伝説になってしまった
今作は夕方アニメだけど前作の伝説があるから今度こそは主人公殺すんじゃないかという世間の期待、そしてそれを自分に求められているもの自分が作り出さなきゃいけないものと思い込んでしまう
前作は出資者(?)今作は世間の期待
形は違えど自分の作りたいものが誰かの思惑によって作れなくなってしまっているというストレス
ポイントはそこなんですよね
クリエイターとして自分が作りたいものを作れてないというね
中盤にかけて前作を超えるものをつくらなきゃというプレッシャーが前面に押し出されてますがホントはそこじゃない(いやそこもあるにはあるんですが)
場面には出ませんがこれは自分の作りたいものなのかという葛藤がずっとあったんだと思います
だからPに殺し方尋ねるんですよね
制作シーンであれだけバンバン自分の意見言って指示出して思うまま作り上げてきたアニメの大事なラストの殺し方、そこを他人に聞いてしまう
本来ならそのラストに向かって話を積み上げてきたんだからラストの展望は殺し方も含めてある程度あるはずなのにそれがない(普通ならアニメ序盤に伏線とかはってそうですもん殺し方の)
そして実際に主人公殺してもいいってなった時のPの「監督なら最高の殺し方をでっちあげるはず」みたいな言葉で気付くわけです
「自分の作りたい面白い話、伝えたい話」を作ってるんじゃなくて「主人公が物語の最後に死ぬ話」を作っていることにね
もちろん自分の作りたい話が主人公が最後に死ぬ話だったのならいいんですが、それならラストまでのビジョンは早々にできてると思うしそのラストの殺し方を相談なんてしないと思うんですよねこの監督なら
どんなに苦しくても抜け出すにはデスクにしがみついて書き続けるしかないって知ってるこの監督ならね
だからこそアニメの最後であんなに殺したがってた主人公が爆風の中から飛び出すんです
そしてこう言うんです「お前たちの思うようになってやるもんか!」
これこそ監督の自分の作りたいものを作ってやるという意思表明、自分の伝えたい話なんだと思います
当初の予定通り夕方アニメで主人公は死にませんが、当初よりもずっと監督の思いが乗ったいいラストになったんじゃないでしょうか そら泣くわ
次に新人監督の方ですがこちらは「ラスト地球は守ったが代償として消えるはずだった記憶、それが奇跡がおきて消えなかった」というハッピーエンドから「やっぱり記憶は消えました」というビターエンドに変わります
ちょっと話がそれますが、この監督家庭のことで過去に色々ありまして(借金とか 他にもあったかも?)暗い少女時代を送ってました
(その割に国立大出て前職公務員とかだったんですがそこは置いといて)
回想も白黒セピア色でまあ重いんですが、その時気付くわけですね、この世に魔法なんかないと
パッと出てきて誰かを幸せにしてくれる、そんな奇跡は存在しないという事をね
で、その事が大人になってもずっと心に残っててそんな時天才監督のアニメを見て心を揺さぶられ自分もこんなアニメを作りたいと監督を目指す、っていうのが背景にあります
そんな過去があったからラスト変えて自分のアニメでも現実には奇跡は起こらないよと、でも希望は捨てないで生きていけるよみたいな事を伝えたかった・・・風な感じですがそれだけじゃないんですよね
思いの強さ?が(ちょっとここは上手く伝えられません)
だって、自分は出会ってしまっていたから
天才監督のアニメを見て心揺さぶられ監督の道に進むという奇跡に
これが普通の少女時代を送って普通の大人になってたら天才監督のアニメ見てもそこまでの情熱は生まれなかったと思うんですよ、世間で話題になってるアニメだなというくらいで
でも暗い過去があったからこそ刺さる、刺さりまくった
そしてそれが公務員を捨ててまったく別畑のアニメの世界へ飛び込んで7年も食らいつくくらいに燃え上がる、彼女にとってまさに奇跡だったんだと思います
(映画序盤はその炎も消えかけてますが)
鬱屈としていた人生に訪れた奇跡、いや鬱屈としていたから「こそ」出会えた奇跡
その鬱屈を生み出した今まで消し去りたかった暗い少女時代を、ビターエンドとして世に出すことで初めて受け入れられたんだなと
奇跡は起こらないよ、でも「だからこそ」希望が生まれたんだよ!と、消したかった過去の自分を認めそれを作品の中で描くことで一歩前へ歩き出した新人監督の意思が強く感じられるラストになったと思います
まあ、そのビターエンドの内容が「記憶消えました」というのは洒落がきいてますがねw
アニメ最後記憶が消えていく中、主人公の表情みたら(ちょっと幸せそうに笑ってたかな?)もうね
そら泣くわ吐くわですよ(吐くな)
さてここまで見ていただくとお分かりだと思いますが、もう対決相手が変わってきてるんですよね
新人監督vs天才監督ではなくそれぞれ戦う相手は自分自身なんです
天才監督が言っていたようにひたすら机にしがみついて書いていく
自分の内面と対話し戦って作品を生み出す
自分自身を作品としてさらけ出していく
クリエイトする苦しみと喜び
終盤は二人ともお互いのことはもう見えていないんじゃないかと思います
その熱量がこちらにも伝わって最後の方は涙腺ゆるみっぱなしになってしまいました
ここからは感想ですが、不要なキャラはいませんがその見せ方にん?となるシーンがあり中盤あたりまでは確かにテンポ悪い箇所もあります
なんかふわふわしてるというか場面がハマっていないというか
その辺が傑作名作ではなく良作だと思うところです
ですが後半の畳みかけ
両監督が生み出すアニメ作品のカタルシスは二人のバックボーンを考察すればするほどその熱量を増していきます
そしてアニメ映像と制作者側の場面とその放映を見てる視聴者のシーンがリンクしていってまあ胸に来るものが
何かものづくりに関わったことのある人なら尚更、それこそ「刺さる」んじゃないでしょうか
もちろん仕事としてだけじゃなく、子供の頃に書いた黒歴s・・・小説や絵なんかでもとにかく何か作ったことのある人なら
そして新たなものづくりを始めたくなることでしょう
この追記を書いたのもその考察した熱量を残しておきたかったからです・・・うん?
という事は私に一番「刺さってた」という事か!
以上、駄文長文失礼しました