「監督の美的センスだけでは見続けるのがつらい」ホリック xxxHOLiC tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の美的センスだけでは見続けるのがつらい
「アヤカシ」なるものを軸として話が進んでいくが、それが何なのかがよく分からないため、物語に入り込めない。どうやら祟りのようなものらしいが、それが見えることによる実害が示されないため、主人公が死にたいほど苦しんでいる理由も理解できない。「アヤカシ」を祓うのに、弓矢を使うのは分かるが、人を射るのか、「煙り」の方を射るのか、その具体的な方法も分からない。
そもそも、登場人物たちの行動原則に一貫性がなく、何を目的にして、何をしようとしているのかがコロコロ変わるため、話についていくことができない。
同じ日の繰り返しや、お寺の本堂の木箱といった「仕掛け」も効果的に機能しているとは言いがたく、主人公の母親のエピソードも消化不良と言わざるを得ない。
ビジュアルやキャラクター造形を楽しむ映画と割り切るにしても、ストーリー・テリングはどうでもいいということにはならないだろう。
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