「ただ水を求めて」渇水 berkeleyさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ水を求めて
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渇水
主人公達の出会う幼い姉妹の家庭は、水道のみの問題ではなく、電気も止まっている。確かに水道はライフラインだが、父は蒸発、母は数日家に帰らないことも屡々、それだけでは先を描けない
不況、精神疾患、怠惰、育児放棄、水道料金未払いの原因は様々で、しかし共感性を排除するかのように、停水の交渉時には攻撃的な描写が続いていく。自業自得にも思える。
また主人公は淡々としていて、後半に至るまでは背景が見えてこない。
水は万人のもので水道料金を払う必要はないという(社会背景に照らせば)荒唐無稽な意見
そういうものがふと生み出す小さなテロが、自主退職と、2件の犯罪を生んだ。幼い姉妹は施設に引き取られる。客観的にはそれだけだ。
時期が来て、雨はまた降り、制限は緩和される。未払い家庭への救済は変わらず見えない、制度も渇いている。
滝のシーンで主人公の感情が見え始める。わかりやすい映画では無い、「正しい」生き方はわからない、それでも、水は皆に必要だ。
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