「ONE PIECEでやる必要性」ONE PIECE FILM RED 43さんの映画レビュー(感想・評価)
ONE PIECEでやる必要性
あった?
っていうところにみんな多分引っ掛かってるんでしょう。
そもそも映画の内容以前に、「みんなが好きな音楽はあり得ない」、つまり「全ての人を幸せにする歌声は存在しない」ことはレビューを見ずとも分かるよな。その時点でウタの計画は破綻しているし、Adoさんの歌に対しても同じことを言っているわけで、そこを踏まえて見れば面白い映画だと思う。しばらく忙しかったので2か月ぶりくらいに見る映画としては若干濃い味すぎたな。
個人の善意と業によって押し付けられた幸せと嗜好に対し、どう反応をすれば良いのか? 相手のことを知らなければ「うっせえわファン相手に勝手に歌ってろ」って平気で言えるけどね。でもその人の背景を知ったら同情ができる人も出てくるんじゃないの、善意の押し付けでも救おうとしてくれたことを邪険にしづらくないの、どうやって傷つけないようにそれを拒否したら良いの、っていうとこらへんは、結構普遍的な問題のような気がした。
で、
これONE PIECEでやる必要性あった?
ってことなんでしょうね、きっとね!
これやるために必要なんはAdoの歌とセカイ系の脚本やん、ONE PIECE要素いらんやん、っていうのも何か分かるなと思う。
ONE PIECEでやるとしても、これまでの映画みたいに一回限りのスピンオフストーリーに収まってりゃ、そんなに疑問には感じなかったと思う。しかし、ストーリーとかキャラクター造形に影響する存在として書いちゃったもんだから、自分はONE PIECEかなり離れていたのでおたくはどちら様かというキャラもいっぱいいたくらいだったけども、まあまあの人数が戸惑うくらいには世界観が動いたんだなということは分かった。この映画以降、ルフィもシャンクスもウタの存在を踏まえた上で「新世界」って言葉を使うんでしょ? 結構作品のキーワードっぽいのにね。
(しかもラストの展開の理由により、もう修正が利かない。尾田さんはキャラクターにそういう展開はあまりないようにしているとどこかで読んだ気がするけども、その方針変わったんだろうか? そのくらい重大なキャラクターに今後なる予定があるのか……)
そんな中、自分が覚えている全くそのままのキャラを維持してくれていた面々には安心させられた。サンジ君が全くぶれていないのが本当に安心した。ありがとうございます。(鑑賞後、「何か彼髪の分け目変わった?」と知人に聞いたら原始人の扱いを受けた僕です)
存じ上げないキャラが多かったけれども、多分ライバル海賊団とか海軍の方々だと思われる人たちとの共闘的な展開はとても好き。オールスター感ある展開はとても良い!
まあとにかく、
「みんなが好きな音楽はあり得ない」
「全ての人を幸せにする歌声は存在しない」
これですよ! 押し付けても押し付けられても幸せになんてならねえよ!
みんな自分と他人の好みは大事にな!