「シリーズを逸脱していくイビツさをどう捉えるか。」ONE PIECE FILM RED 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
シリーズを逸脱していくイビツさをどう捉えるか。
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ONE PIECEの劇場版が、かなりゲストキャラクターをフィーチャーするのはこれまでにも観たパターンだが、今回はちょっと別次元ではないか。というのも、今回のゲストキャラであるウタは、今回の物語のほとんどを一人で背負っていて、もはやルフィや麦わらの一味は添え物にしか過ぎないのだ。
しかもスタンドアローンで成立するウタの物語は、かなりの闇を抱えていて、しかも終盤ではその闇について本人が織り込み済みでの暴走であったことが明かされる。要するに、一種の自殺行為に世界を巻き込もうという超ダークなお話であり、明確に描かれていないにしても、世界を滅ぼそうとした主人公の死で幕を閉じる。
なんだこの映画は?と戸惑った観客もいたのではないか。実際、近くにいた若者2人は「これ、ガチのONE PIECEファンはどうなんだろうね?」「それ知りたい!」と会話していた。それくらい、シリーズの中に納めづらい物語だし、それをほぼ全編音楽が鳴りっぱなしの音楽映画に仕立て上げたスタッフの気概を自分は買うし、どこに向かってるかわからない奇妙な感覚を楽しんだ。長い歴史の中でこういう特異点が生まれるのも、シリーズが続く効能ではないかと思うのです。
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たあさんさんのコメント
2022年11月19日
これ、すでに4回目観て、明日5回目行くんだけどONE PIECEファンではないほうがすんなり入れる異色の作品なのわかります。
寄せ方がディズニーなんだけどミュージカル作品としての価値観は素晴らしいですね😎
UTAのワンマンライブ😁