「adoさんの歌しか良さがない……」ONE PIECE FILM RED あかさたなさんの映画レビュー(感想・評価)
adoさんの歌しか良さがない……
ワンピースを連載からずっと追いかけており、前評判や興収の高さから非常に期待をして劇場へ足を運びました。ですが私には楽しめませんでした。
その中でも私が評価するポイントはadoさんの歌唱力と映画館での圧倒的な音響が素晴らしくマッチしていたことです。大音量であの歌声が聴けたことには満足しました。
でもそれ以外は別に……といった感想です。
ワンピースという特権を使ってadoさんを盛大に奉った映画でした。私の観点・知識不足もありましたのですでに観に行った友人に面白さを尋ねましたが納得できる答えは返ってきませんでした。「劇場特典を見れば作者の意図やキャラの深掘りがあって面白く見える」などの感想を言われたときには、その面白い部分を映画で見せてくれよ……と思ってしまいました。
以下は私が不満に思った点になります。
①登場キャラが多すぎる
麦わら海賊団だけでも9人動かさないといけないのに便利な能力というだけでロー、ブリュレ、ブルーノが駆り出されます。それに付随してベポ、オーブン、カリファ、それ以外にもコビー、バルトロメオやチャルロスなど出てきますが全てのキャラがお膳立ての舞台にしか見えませんでした。キャラの見せ場が分散しすぎて何も魅力を感じない。途中に挟むベポのギャグがめちゃくちゃキツかった。本当にウタしか良さがない。シャンクスもルフィも原作を超える魅力がない。これワンピース?ウタ以外必要か?見終わったあとにウタ以外のキャラの良さが何もなかった。
②ストーリー
adoさんの歌が随所に挟まれるためストーリーが深くなっていかない。ウタがメインなのは分かりますが本当に内容が薄い。観劇中の私は歌以外の見せ場としてトットムジカとの戦闘しか期待するところがなかったのですが、いざ出てきたら見た目でガッカリ……。ラスボスがこんなダサいなんて……。こんな雑なCGで作られたヤツとの雑な戦闘シーンを見せられて何が面白いんだ。
ウタの気持ちを考えず、良かれと思ってエレジアに置いていこうとするシャンクスと、魔王の楽譜良すぎ〜!で楽譜を捨てられなかったゴードンは終わってる。
③作画
上記でも書きましたが戦闘シーンがそもそも雑。みんな活躍させたいがためにパッパとカットが入り戦闘が見辛い。会話シーンでも度々酷い構図と作画がある。ですが、その中でもウタと終盤のシャンクスが登場する場面の作画はどれも素晴らしかったです。
今まで見てきたアニメ映画ってめちゃくちゃ頑張ってるんだなぁと思いました。
考察や設定が明かされていくだけで面白いと評価される風潮にだけはならないでほしいです。そこがワンピースの良さではあるのですが映画としては演出や美麗さ、ストーリーが面白いことがまず大事なのではないでしょうか。
結論としてこの映画の内容で100億の興収があるとは到底信じられないということです。