劇場公開日 2022年8月6日

「これがワンピースの「新時代」」ONE PIECE FILM RED サブレさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これがワンピースの「新時代」

2022年8月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これまでのワンピース映画と大分作風が異なる今作。映画のボスの見た目が可憐な歌姫であることからも、尾田っちの言う通り筋肉質なおっさんではなくて強い女の子を描きたくなったことがうかがえる。
そう、これまでのワンピース映画とは作風もボスも全く異なるのだ。それを以て今までと違うとかウタの歌が多すぎるとか、尾田っちが新しいことに挑戦したのにいつまでも変わらない昔ながらのワンピースが観たいのか。そういう人にはこう言いたい。「そんなに怖いか、新時代が」と。

あるいは、戦闘シーンの少なさに違和感を覚えた人も多かったのではないだろうか。特にルフィはバルトロメオに囚われるわ、ウタに手を出さないわ、あげくのバトルがデカブツへのよくわからない一撃だわで散々だった。しかし、私の目に映っていたのは拳ではなく言葉で解決しようとするルフィのかっこいい姿だった。
さながら原作第一話のシャンクスやモックタウンでの一幕を彷彿とさせる、拳を出す理由が見つからないかっこいいルフィ。ウタのことを友達として大切な存在として扱ったからこそ拳ではなく言葉を届けようと奮闘したルフィ。もちろんバトルシーンもほしかったが、それよりもルフィをきちんとかっこよく描いてくれたことに満足、大満足だった。

また、ウタの歌唱パートも良い。最初の2つは導入なのでちょっと強引なところもあるが、ウタの能力が歌と関係している上に、歌詞がストーリーに、そしてウタの心情にがっちりとはまっていて、聞いていてゾクゾクしてしまった。特に3番目の楽曲、「逆光」。歌による攻撃のまがまがしさはもちろん、ウタの心が目の前のルフィから離れて独りよがりになる心情まで歌い上げていた。
とはいえ、結構エフェクト?が入っていて歌詞が聞き取りづらかったので、歌詞をきちんと理解したうえでもう一度見にいきたい。そうすることで、より深くこの映画を楽しめる気がする。

ぜひ大音響大画面でかっこいい楽曲を聞いて、あまり見ないルフィの男前な姿も堪能していただきたい。Adoファンの方にもオススメ。

サブレ