「今までのシリーズの中では異色作 新しいワンピース の形」ONE PIECE FILM RED noeさんの映画レビュー(感想・評価)
今までのシリーズの中では異色作 新しいワンピース の形
今回の作品に関してはコアファンとかアニメしか見てない人とか知らない人とか全部含めて単純に見た人の好みによるとしか言いようがない異色作です。
20年以上ずっと原作を読んでるワンピース ファンの1人として正直なレビューをさせて頂きます。これから観に行く人のためになればと思います。(若干のネタバレ含むかも)
今回はミュージカル映画のような作品と聞いていたのでそれ覚悟でいきましたが正直映画がはじまって冒頭のライブ映像はあとこれが10分以上続いたらどうしよう、、と思いながら見てる派でした笑(たぶんここでまず好みが大きく別れると思います!私はAdoが嫌いなわけじゃなくて今までのfilmのように冒険が始まるぞ!というようなワクワクな導入とは結構異なったのでついていくのに気後れしちゃった感ありました。)
けれどひたすら楽しく明るく幸せムードな始まりから中盤一気に不穏な感じの世界観に急降下していくストーリー展開が始まっていくのは思わず物語に入り込んでしまいました!私は面白くて好きでした!観た人がオマツリ男爵とよく比較してますがおそらくここらへんのムードの切り替え方が少し似てるのかなと個人的に思いました。あと訴えかけてくるテーマがあるとか。深いです。
ここらへんからシャンクス とウタの間に何があったのかとか過去を掘り下げられたりするんですけど、ウタという少女を知るためには最初のライブ映像を流すことでウタというキャラクターをちゃんと視聴者に認識させるためには大事な導入部分だったのかもなと少し思いました。
後半にかけては戦闘シーンも多くて見てていつものワンピース感もちゃんと感じられたので個人的には楽しかったです!とにかくシャンクス が喋って闘ってるシーンはやっぱレアだと思うのでそれを見れただけで私は行った甲斐があったなぁと思いました。
あと最後に流れるED合わせてバラード2曲はAdoってこんな歌も歌えるんだっていうのと単純にストーリー展開とマッチしてて感動しました。確か「世界のつづき」「風のゆくえ」名曲なので是非聴いてほしい。
総括すると今までのワンピース filmシリーズのどの作品とも異なります。今まではルフィが作品の敵を最後にぶっとばしてすっきりして爽快!で終わってたと思うんですけど、
今回は全く異なる雰囲気の展開だったので、この物語はどういうふうに落とし所を見つけるんだ?と気になりながら見ることができました。
あと何と言っても音楽がテーマになっているのでミュージカル調な部分に慣れていけるか慣れていかないかが好みの分かれ目で、ここが結構人によって違いますよね。そしてFilm REDってあるだけにめちゃくちゃシャンクス 活躍して色々堀りさげられる??と期待していくとこれもまた違いますね。そもそもシャンクス自体これからやっと原作で謎が解き明かされていくであろうキャラクターなので映画でそんなに多くを語らせることが出来ないんですよね、、
でもルフィと間接的に共闘するシーンや動いて喋ってるシャンクス なんてなかなか観れるものではないですし、お父さんな姿とか、、赤髪海賊団の活躍もかっこいいので少しでもシャンクス好きな方は見に行くのおすすめします。最後の30分だけはもう一回映画見に行きたいなぁと思いました。
個人的には冒頭のライブ映像はそこまで好き派ではなかったしついていけなかったけど、終盤気づけばライブ観客の1人に溶け込めた感覚はありました。Adoの歌のうまさと彼女がいたからこそ今回の音楽×ワンピース という映画の形に深みが出て成立したのは間違いないと思います。
あと展開が今までと違うのもあって個人的に終わった後の感覚はZを観た後の哀愁漂う切ない気持ちになりましたね。予告では明るい感じが漂ってるのである意味ミスリードでおもしろかったです。原作も少しずつ終わりに近づいてきていることも実感しました。
今回ばかりは好みが分かれると思うし、多分運営もそれを覚悟して作ったんだと思います。でも尾田っちがやりたかったことだしマンネリ化しないための令和の新しいワンピースの形としてはこれはこれでありかなと思いました。