「面白いが、『ワンピ』としてはどうなのか?」ONE PIECE FILM RED コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
面白いが、『ワンピ』としてはどうなのか?
映画としてはすごかったし面白かった。
作画がすごい。
ゲストキャラたちの声優陣もよかった。
(ウタ役の名塚佳織さんと、ロミィ役の新津ちせちゃんは特に)
Adoの歌を使ったステージのエフェクト・演出も素晴らしかった。
エンドロールが、全シリーズへのリスペクトにあふれていて、めちゃくちゃよかった。
谷口さんのフィルムとして、たぶん一番の興行成績になりそうな予感もしました。
ただ、『ワンピ』としてはどうなのかな……
(陽のベクトルでという差異はありますが)『おまつり男爵』に感じた「これワンピかなぁ?」という感覚にも近く。
原作の尾田さんがあちこち手を入れ、ネタを出してるから、たしかにワンピの世界ではあるけれど、これから最終章へといく原作本編との相入れなさが拭えなかったし、なによりウタのキャラの行動原理や終わり方がワンピっぽくない。
麦わらの一味が添え物っぽすぎたし。
最終決戦でのルフィの姿(新ギア)のチョロ出しの仕方にも、ちと「?」だったし。
(いいことだが)作画クオリティが高すぎて、「東映アニメ作品じゃないみたい」「ワンピじゃないみたい」という部分もあった。
で、終映後に入場特典本を読んで、巻末の原作者・尾田さんのプロットを観たら、めちゃくちゃ『ワンピ』っぽい。
ウタが悪人じゃない。
だがフィルムだと、ウタが狂気に飲まれた悪人に見えちゃう。
これ、ステージや追いかけっこの比率を増やしすぎて、ウタの心情表現をけずっちゃったのと、監督・脚本らスタッフの個性が強かったせいで、尾田さんのワンピテイストをスポイルしちゃったかもしれないな、と。
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