劇場公開日 2022年8月6日

「キャラクターの関係性、音楽シーン、アクションシーンが妥協無く描き込まれ、化学反応により、見る度に面白さが増す作品!」ONE PIECE FILM RED 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0キャラクターの関係性、音楽シーン、アクションシーンが妥協無く描き込まれ、化学反応により、見る度に面白さが増す作品!

2022年8月6日
PCから投稿

本作のメインとなる舞台は音楽の島・エレジア。
❝シャンクスの娘❞とされる「ウタ」という新キャラクターの存在が「核」になっているので、原作ファンも、一見さんも、多くを同じ視点で見られるのは映画らしくて良いと思います。
そして、これまでの作品とは大きく違い“「ONE PIECE」初の音楽映画”と言えるような作風となっていて、この試みも今とリンクして成功していると感じました。
ただ、原作が最終章に入ったこともあるのか過去の作品と比べると、キャラクターが多めになっていて、原作ファンと一見さんの感想は、最初は分かれやすくなるのかもしれません。
原作ファンは、キャラクターの関係性が見えやすく、その化学反応をすぐに楽しめ、一見さんの場合は、徐々に分かって発見が増えていく楽しさがあります。
また“「ONE PIECE」初の音楽映画”と言っても、上手い具合に、肝心な戦闘シーンもキッチリと描かれ続けています。
つまり、キャラクターの関係性の発見や化学反応の面白さ、音楽シーンの面白さ、アクションシーンの面白さ、といったようなものが妥協無く描き込まれ、見る度に発見や面白さが増してくる作品となっていました。
中でも音楽映画ならではの「音楽映画は2度目以降で沁みる」という面があるので、音響の良い映画館での体感により歌の感じ方に変化が起こりやすい気がします。
本編でウタが歌う曲の全てで意味付けがしっかりしてあるため、必然性のある作り込みがそうさせる面もあるのでしょう。
ラストのとらえ方も様々な感想が出そうですが、そのとらえ方も2度目は変わるかもしれないほど割と深い部分を描けていると思いました。
登場するキャラクターも魅力的で、より好きになっても嫌いになるようなキャラクターはいないのでは、という印象でした。

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細野真宏