「物凄いものを観てしまった」カーター emanonさんの映画レビュー(感想・評価)
物凄いものを観てしまった
Netflixオリジナル作品。疑似ワンショットでキャメラが縦横無尽に動き回り、演者達の壮絶なアクションシーンを捉えていきます。ドローン等を駆使しているのでしょうが一体どのように撮ったのかは理解不能です。映画のカットワークにはイマジナリーラインなどの掟が有るそうですが、本作ではそれに破綻を来すこと無く、構図も的確で、鑑賞して唸りました(今のアクション映画はこの領域まで来ているのか!?)と。
アクションシーンは嘘であるがゆえ、嘘がつけません。意味不明かも知れませんが、実際に演者同士が殴り合ったり、刃物で刺し合ったりは出来ないので、如何にそのように振る舞うかが重要なのです。其れを何の破綻も無く2時間カット無しのように魅せるのは至難の技だったろうと推察します。
お話は至ってシンプルなもので、サスペンスフルなのですが観者を興奮させません。自分的にはコレで正解なのだと思います。疑似ワンショットのアクションの連続に加え更に密度の濃いストーリーなどが絡まって来たのなら心臓が爆ぜてしまいますw
監督はチョン・ビョンギルと云う人でフィルモグラフィーを調べてみると『殺人の告白』の人でした。これは鑑賞しましたが凡庸な仕上がりだったと感じました。『悪女』と云う映画を経て、本作品を創り上げたそうですが、その鮮やかな進化に圧倒されました。『悪女』も観てみたいと思います。素晴らしかった!
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