「ロミオとジュリエットの伝説の恋路をとことんイジる。」ロザライン 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
ロミオとジュリエットの伝説の恋路をとことんイジる。
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シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に名前だけ出てくるロザラインは、これまでにも鴻上尚史がフィーチャーした作品を書いているし、英国ロイヤル・バレエのロミジュリにも登場していなかったか。いずれにせよ、脇キャラを主人公に古典をふくらませるという意味でティム・ロス&ゲイリー・オールドマン主演で映画化もされた戯曲『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』に似た趣向。ただし哲学的なパロディだった『ローゼンクランツ…』と違って、こちらは徹頭徹尾ドタバタなラブコメ仕立て。大きく予想を超えてくるものはないけれど、ケイトリン・デバーの溌剌とした演技は好感触だし、毒を飲むくだりとか、ロミジュリの無茶展開を肴にしまくるイジリ芸も楽しい。あとロミオが能天気でバカなイケメンとして描かれていて、ラブコメの定石で言えば実はいいところもあるみたいな話になりそうで、実際そういう描写でないわけでもないのだが、最後までバカなイケメンとして扱われているのが痛快でした。ある意味で本家ロミジュリをもっとも痛烈に批評してる部分かも知れない。
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