「特典映像のコマンチ語吹替版で鑑賞するのがベスト。旧作へのリスペクトに溢れた画期的なフォーマットのプリクェル」プレデター ザ・プレイ よねさんの映画レビュー(感想・評価)
特典映像のコマンチ語吹替版で鑑賞するのがベスト。旧作へのリスペクトに溢れた画期的なフォーマットのプリクェル
1987年公開のシリーズ第1作『プレデター』から35年後に舞台を18世紀まで巻き戻すという大胆な発想のプリクェル。コマンチ族の武器は手斧や弓矢というプリミティブなものなので、プレデターとどんな戦いを見せるのかに注目していましたが物語はそんな単純なものではなくアメリカ開拓史にも踏み込んだかなり泥臭いウェスタン。『カウボーイ&エイリアン』にもちょっと似た感触がありますが、こちらはコマンチ族の物語なのでプレデター以外にも敵はいて凄惨な殺し合いがこれでもかと繰り広げられます。
他のシリーズ作を一つも見ていなくても全然楽しめる作りにはなっていますが、要所要所にシリーズに対する目配せが散りばめられているのが楽しいです。名セリフも絶妙なタイミングで再現されているのでシリーズファンも大満足。アンバー・ミッドサンダーの迫真の演技がとにかく素晴らしく、治癒師としての知識も駆使して愛犬サリイとともに未知の敵と闘うヒロイン、ナルのカッと見開いた瞳は1作目の主人公ダッチ少佐と同等の勇猛さに満ちていました。
本来ならばスクリーンで観るべき作品ですが、本作Disney+での配信オンリーなのは残念。オリジナルは英語版ですが特典映像としてコマンチ語吹替版があるのでそちらで観るとより臨場感が感じられます。ただし、そちらには英語字幕しか付かないので多言語の字幕に慣れていない人にはちょっとハードルが高いかも知れません。
しかし残念なのは邦題。原題が“Prey”という“Predator”と全く逆の単語であることに意味があるのに台無しになっています。
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