「原点回帰⋯我らのプレデターが帰ってきた⋯」プレデター　ザ・プレイ　しゅうへいさんの映画レビュー（感想・評価）

　Disney+で鑑賞（4K UHD，吹替）。

　これぞまさに、原点回帰。大自然の中、戦士としての己を磨くために地球に降り立ったプレデターとの闘争本能を剥き出しにした壮絶な死闘。こう云うのが観たかったんだと、心の中で快哉した。

　今回のプレデターの対戦相手は、ネイティブ・アメリカン最強の部族、コマンチ族の女性ナル。逞しく自立した女性像は現代風で、兄とのドラマも良いが、シリーズの原点回帰に相応しい激しいサバイバル・アクションを披露してくれた。
　武器は弓矢とロープを着けた斧、そして優れた体力・知力のみである。コマンチ族の戦士も歯が立たない恐るべき敵に単身戦いを挑むクライマックスは１作目を彷彿とさせ、血湧き肉躍った。
　自然の物を使った罠を張り巡らしてプレデターを待ち受け、敵の弱点を突いた頭脳プレイを仕掛ける展開には、それまでの伏線がしっかりと作用していて、最高のカタルシスを味わえた。

　１作目以降は新機軸を求めてか右往左往していた感があったが、ここに来てようやく本来の姿を取り戻したような気がした。配信リリースと云うのがもったいない。是非ともスクリーンで観たい。

[余談]
　本作を正史とすると、ＡＶＰシリーズと辻褄が合わなくなる気がする。ＡＶＰの１作目で、プレデターが人類に文明を与えたことを示唆するシーンがあったが、そこに登場したプレデターは従来の金属製マスクとプロテクターを装着していたからだ。本作のプレデターの装備品はお馴染みのものになる、一歩手前のような造作であった。

[鑑賞記録]
2022/08/05：Disney+（4K UHD，吹替）
2022/08/11：Disney+（吹替）