配信開始日 2022年9月8日

「現代版のピノキオ。アニメ版より感情移入しやすい◎」ピノキオ ともさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0現代版のピノキオ。アニメ版より感情移入しやすい◎

2023年6月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

吹き替え版で鑑賞!
ストーリーや舞台の大筋はアニメ版と変わらないけど、細かいところが現代版になっていて、個人的にはとても感情移入しやすかった!

アニメ版のピノキオは、ゼペットじいさんやジミニーに散々忠告をされても、「なんてことないさ!」とノリノリで危険な道を歩んでいくイメージだけど、
こちらのピノキオは、誘惑が訪れた時に「でもあまり良くないんじゃないかなぁ」なんて言いながら葛藤してから仕方がなく流れに乗ってしまったという感じが伝わってきた。
学校という小さな社会から「ここは人形なんかの来るところじゃない」と追い出されて、困っているところを「有名人になれるよ」「インフルエンサーになれるよ」なんて甘い言葉でスカウトされる…。そして悪い大人に金儲けのダシにされる…。これは現代の子どもたちに通じるところもあるのでは?
また、プレジャーアイランドに向かうロバ車(?)での「同調圧力」は、現代の子どもたちを非行とかいじめとかに至らせる理由としても納得のいくもので、断れないピノキオの気持ちにとても感情移入できた。

元々ピノキオは、子どもたちに「こんなことに気をつけてほしい」という教訓映画の側面が強いと思うけど、この実写版のピノキオはより子どもたちに伝わりやすい教訓映画になっていたと思う。
アニメ版は「悪いことをするとロバになるぞ」「悪いことをすると鼻が伸びてしまうよ」そういう単純な教訓や戒めだったけど、
実写版は、「おじいさんは、あんなに大切にしていた時計を僕のために全部売ったんだ」とおじいさんからの愛を実感したからこそ、誘惑に打ち勝つことができたという描写だった。
鼻が伸びていくところも、「ごめんなさい」と謝り本当のことを言うと、鼻が短くなっていく…のはオリジナルだけじゃなかったかな?
私は、実写版のシナリオの方が優しくて好きだった。

ジミニーやブルーフェアリーの出番が大幅に削られているかわりに人間の女の子がでてくるけど、「外の世界にも、自分のことを守ってくれる優しい大人はいるんだよ」という優しいメッセージを感じてよかった。

とも