劇場公開日 2022年3月25日

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ベルファストのレビュー・感想・評価

全237件中、181~200件目を表示

4.0静かな作品でした

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

自伝的作品ということで
派手さは無くて淡々とという感じの良い作品でした。
対立の深さをもう少し表してもよかったんじゃないかとも思いますが
まあ日本人には理解し難い歴史的背景なので
これくらいでちょうどよかったのかもしれませんね。

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けはえ

2.5題材(宗教紛争)からしてちょっと共感し難い。

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

生まれてからずっと現在に至るまでベルファストという街でしか暮らしたことのないある家族がロンドンへ移住していくまでの日常を子供の視点からモノクロ映像で表現した作品。
宗教が紛争に発展するような環境にない私には今一響かなかったです。

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ちゆう

4.0ウルトラノーマル 映画的か?退屈か?

2022年3月27日
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話に盛り上がりはなく、淡々と進み淡々と終わりますので、多くの人が退屈でしょうが、落ち着いてカッチリした構図と彩度限界超えのカラー画面の挿入など極めて映像的な映画です。
1時間40分でまとめているところもよいです。
アイルランド問題や宗教対立は日本人には感覚的に理解できませんが、押しつけがましいテーマや主張も希薄で、ひたすら少年の立場からみた英国の地方都市の在りし日の思い出、といった趣は好感が持てます。
表現しようのないふわっとした雰囲気が好きか嫌いかが評価の分岐点でしょう。

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越後屋

3.5#21 久々に見たモノクロとカラー混合作品

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

昔『ランブルフィッシュ』という映画を見たとき、全編モノクロなのに金魚だけが色がついてて、斬新な演出だと驚いたら黒澤明監督が最初に用いた方法だと知ってビックリした記憶がある。

本作も予告編とかテレビの紹介とか見てて、てっきり単なるモノクロ映画かと思っていたら、冒頭からカラーでびっくり。

つまり主人公の実生活はモノクロで映画とか新しいものはカラーなのね。

1960年代後半は、日本ではベトナム戦争で忙しくて遠いアイルランドで起きてることにまで気持ちが行ってなかったけど、こんな感じの時代を経てたのね。

私的にはeverlasting loveの歌がめっちゃ気に入った追憶映画でした。

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chicarica

4.0バディ少年がいい

2022年3月27日
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アイルランド紛争について描いた作品。
まだ子どもだったので、あまり知らなかったが、
ロシアとウクライナの戦争真っ只中だけに色々考えさせられる。
人種、民族、宗教など様々なことで争いが起きる。
監督の体験をもとに作った作品だというが、バディ少年の演技が素晴らしい。
つくづく思うのは、映画が楽しめる平和な世の中になってほしい。
屈託のないバディ少年を見ていたら、自分が小さい頃はみんなあんな子どもだったし、周りの人みんなに見守られて育ってきたなあって思ったよ。

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Fighters1110

4.0ケネスブラナーの映画愛万歳!監督賞は彼に!

2022年3月27日
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モノクロ映画なのに要所要所のカラー部分が流石!と思わせる
映画が大好きな彼の生い立ちに楽しみながらも、アイルランド事情に翻弄されていくタッチが、映像美と音楽も相まって盛り上げている
今回のアカデミー候補なので作品賞は無理でも監督賞をとってもらいたい!そう思わせる力作でした

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ひらっち〜

3.5子供時代の郷愁は素晴らしい感情

2022年3月27日
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ケネス・ブラナーの子供時代の映画。素晴らしい街ベルファストでじいちゃん、ばあちゃん、伯父さん、伯母さん、友達やクラスメートの女の子、みんな愛情に溢れている。

こうやってみんなに愛されれば街が宗派対立でヤバいことになっても楽しく生きられる。むしろ子供はそんなのお構いなしに楽しく生きてられる。

ベルファストを描いた『ベルファスト71』はひたすら破壊と殺戮の映画だったのとは大違い。

大人はいつも大変そう。
子供は楽しそう。でもケネス・ブラナーのお兄さんは大人の大変さもわかる年になって大人しい。

無邪気な子供は最強に人生を楽しんでいる。
あとは、人生はだんだんつまらなく深刻になって落ち目になる。

誰もが子供時代は最高に楽しかったはず、そんな感情を蘇らせてくれた。住んでた街は違えど、こうした感情は世界共通だと思わせられた。

どんなに戦争や暴動があっても、生まれた街やそこに住む人を誰もが嫌いになれないのと同じ感情。

ヴァン・モリソンの曲が素晴らしくて、さらなる郷愁を誘いました!

『救命士』のT.B.シーツというわけわからん曲しか知らなかったのて、こんな曲作る人だとは思わなかった。

ヴァン・モリソンが映画を大きく盛り上げてます。

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屠殺100%

3.0故郷を愛するすべての人々に捧げる人生讃歌

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

自身の幼少期を投影し故郷ベルファストの愛情と厳しさを描いた自伝的作品。激動の時代に翻弄されながらも日々奮闘している人々の様子が上手く描かれている。
抗うことが出来ない時代の変化に戸惑いながらも前向きに生きていくしかない現代と重なり共感する作品で故郷を愛するすべての人々に捧げる人生讃歌。
2022-59

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隣組

3.5秀作だと思う。でも、観る私に問題がありそうだ。

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

悲しい

正直にレビューを投稿する。

監督自身が少年時代住んでいた故郷北アイルランドのベルファストを描いた自伝映画である。
背景にプロテスタントとカトリックの宗派対立があり、市民暴動や迫害テロが発生している。主人公の家系はプロテスタントに属している。

1969年の日常生活が監督自身の少年の目を通して、丁寧に描かれている。それも白黒映画で。
時々、色つきとなる。推測だが、過ぎ去った昔は白黒で、但し監督の脳裏に現在でも鮮明にあり、生きている部分は色つきにしたと私は考えた。

少年やその家族の日常生活を描いているので、本当のところ退屈であった。この家族の行末はどうなるのだろうか。それで展開はスムーズである。また飽きもしない。劇的に面白くなるのは、後半に入りプロテスタント側の市民暴動に少年が巻き込まれてからだ。後は一気に結末へと運んでくれる。

悩む人間の姿が映しだされる。悩みに年齢は関係ない。恋や借金や迫害テロ等さまざまである。それでも人間は生きて行かなければならない。祖父の葬儀で、カトリック教徒は地獄に落ちると説教した牧師が、死を悲しむよりも彼が生きたことを感謝しようと述べる。苦しくても生きる勇気を与える映画だと思う。

実は私は今、あることで悩んでいる。生死には直結していない。傍からみれば些細な悩みである。しかし、私にとっては大事で、この映画を観ても勇気を貰えなかった。私自身に問題があって、この評価となった。無ければ、0.5点加点しても良かった。

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いなかびと

4.0映画の愛に詰まった作品

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

この作品は自分の故郷でありながら敵対する人たちにより、外に出ていく物語。悲しいながらも映画のいろんなシーンが散りばめられていて、ニューシネマパラダイスのよう。
ただ単なるおとぎ話ではなく、同じ宗教なのに憎しみ合う人間たちの中から月という未来に向かって出ていく姿は、自分のこれからにも跳ね返る。
大事なのは逃げるのではなく出るという能動的な選択肢こそが未来を切り開くということなのだ。
最後のおばあちゃんの一言が大きい。

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morick

3.5秀作だが..

2022年3月27日
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モノトーンの映像に少年の表情がとても鮮明に映し出される。家族のそれぞれの感情を表現しリアルにその惨状が伝わってくる。

当方としてはアイルランド紛争の歴史に疎く、抗争の規模が小さな街で起こっているとしか見えない部分もあった。
約90分の本作品がやや長く感じたことも事実。

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ニモ

3.51969年、僕たちはベルファストにいた

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

笑える

幸せ

1 1969年のベルファスト。バディ坊やと周囲の人々との日常を通して、故郷と家族への想いを綴る。

2 時代背景となる1969年は、映画の舞台となる北アイルランドでは住民間の対立が先鋭化していた。劇中、プロテスタントの過激派がカソリックの家を襲撃し、地区住民がバリケードを築き、地区の出入りをチェックする様子が描かれていた。信教の自由のあるわが国では理解しがたいところではあるが、国の成り立ちに係わる根深いものがあるようである。こうした中にあって、バディ一家もプロテスタントであるが、父親は穏健的で対立を良しとしない。バディも初恋の相手はカソリックの家の子であり、分け隔てはしない。またバディに万引きをそそのかし、過激派の示威運動への参加を勧める悪い仲間がいるが、闘争の最中で逃げ遅れそうになったところで、一家の庇護に飛び込んだ。分断と対立に異を唱え、寛容の精神を唱える監督のメッセージがよみとれる。1969年を映画の背景としたのは偶然ではないであろう。そして終局でスクリーンに表される3つの言葉は故郷に向けた鎮魂と哀惜のことばとなっている。

3 バディ一家は、経済的には恵まれていないが、家族としてはイケていた。母と父は税の支払いや子供との関わり方で喧嘩することがあるが、仲睦まじく歌い踊り、底抜けに楽しむところもあり、その様子を見て笑みが溢れるバディの顔は多幸感に満ちていた。子供と本音で語り、家族として纏まっていた。また、祖父と祖母はバディの良き相談相手となっている。この二人からバディは多くのことを受け継ぐことができたのではないであろうか。

4 冒頭の街の紹介にあった建物の煉瓦色が印象に残り、モノクロの淡さが心地よかった。最後に、この時代を示すのに、家族の団欒の中に、スタートレックやラクウェルウォルチ、サンダーバード、チキ・チキ・バン・バンが出てきたことにニヤリと反応してしまった。

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コショワイ

4.0あこがれのサンダーバード

2022年3月27日
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1969年北アイルランドのベルファストを一家族の物語として描いたケネス・プラナーの自叙伝的作品。
ケネス・プラナー作品は、この前「ナイル殺人事件」を観たばかり。
ジュード・ヒル君かわいい。
母さんが素敵過ぎ。
兄ちゃんはセリフほとんどなかった。
ケネス君!君が小さい頃から優等生だったのはわかったけど、お兄ちゃんには無関心だったんじゃないの?

ええ~っ👀⁉️
サンダーバードの国際救助隊(IR)のコスチューム。
でました!

父さんは出稼ぎで頑張っていたけど、ほんとはお金持ちだったんじゃないの?
ギャンブル(競馬)で税金(住民税?)に手を出して、延滞金をこしらえてしまって、綺麗過ぎるお母さんは3年分の納税証明書を大事に保管するのが習慣となってしまっていたけど。
おじいちゃんがよかった。
炭鉱で働いていたことがあるのね。
料理していて突然?
デンチおばあちゃんも可愛かった。
町の映像がむちゃくちゃ綺麗だった。
モノクロとカラーの使い分けも印象的。
ベルファストは造船の町のよう。
村上龍の69 sixty nine を想いだした。

ケネス・プラナー。同い年じゃん。
オイラの1969年。
小学校の3年だった。
東大の安田講堂で大学生がケツ出して、放水されていた。
新宿西口にフォークゲリラが湧いた。

似ているのはもっと幼かった時に近所(隣)の姉ちゃんにそそのかされて、祭りの山車の列に混じり遠くの町まで行ってしまって、迷子になってこっぴどく叱られたことや万引きを手引きされたこと。
小学校3年の頃は喧嘩ばかりしていて、練鑑に入れられそうになった。
その挙げ句、担任から転校を薦められた親は赤羽に引っ越しすることに決めた。
同級生のエミコは学校から帰ると内職で忙しい母親にいろいろ言いつけられるのが嫌で、転校したばかりのオイラのウチによく来ていた。家に風呂がなくて銭湯通いのウチが多かった当時。エミコは家風呂に入りたがった。エミコと何回か二人きりで入った。エミコは握るのが好きだった。触ってとも言ってきた。しかし、エミコも相模大野に引っ越し、何通か手紙が来たが、それっきりになった。
還七の陸橋を自転車で走って自動車と接触して足の骨を折って入院した。自転車は車に轢かれて、オシャカになった。
退院して登校したら、4年生になっていた。みんなの前で、ひとつおりこうさんになりましたねと知らない担任に言われてムカついた。
オイラの1969年もけっこういろいろあったなぁ。

エンドロールのスタッフに日本人の名前をみつけた。ヘアメイク。こんなところに日本人?

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カールⅢ世

5.0現代版(1969年が舞台ですが)『我が谷は緑なりき』かな。少年(少女)の視点から見た映画に秀作が多いのは何故だろう。やっと今年観た中で(現時点)自己ベスト1に巡りあえて嬉しい。

2022年3月27日
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鑑賞方法:映画館

①要所要所で流れるヴァン・モリソンの歌が良い。②お祖父ちゃんがいて、お祖母ちゃんがいて、お父さんがいて、お母さんがいて、兄弟がいて、隣近所のおじさん・おばさんがいて、遊び相手がいて、初恋の相手がいて…北アイルランド紛争が始まった年である1969年のベルファストという特殊な時代・場所を背景にはしているが、それを別にするとバディにとって当たり前の世界を描きながら、それが万国のどの少年にとっても当たり前のささやかだけれども愛しい日々への郷愁という普遍的なテーマに昇華させているのが素晴らしい。③1969年と言えば私は8歳だったのでバディとほぼ同世代といえる。スタートレックを観ていて、サンダーバードに夢中で、映画『チキチキバンバン』『紀元前100万年』を楽しんで…と他人事のように思えないところにより共感度が増す。④上のTVシリーズや映画はもとより、映画のあちこちに1969年の時代相を示す小道具が散りばめられているが、お父さんのロンドン土産の中にあったアガサ・クリスティの「ハロウィーン・パーティー」(1969年出版)…ケネス・ブラナーはやっぱりアガサが好きなのかな…監督・主演したアガサ映画は評価出来ないけど(また言ってる)。⑤お祖父ちゃん、お祖母ちゃんが長い人生の中で積み重ねた経験や知識から得た人生を過ごして行く上での知恵やこつを孫に話して上げるのはいつの時代でも同じ(日本の都会ではだんだん少なくなっているようだが)。孫も父さんや母さんの言うことには反発することはあっても、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんの言うことは素直に耳を傾ける。その時は理解出来ていなくても。その辺りもお祖父ちゃん・お祖母ちゃんを演じる両イギリスの名優によって慈愛溢れるシーンとなっている。⑤美しくてしっかりもので、優しいけれど怒ると恐いお母さんを演じるカトリーヌ・バルフも好演。これまでに観た映画(『スーパー8』とか)にも出演していたらしいが全く記憶になし。でも今回でバッチリ。スタイルが良くて脚が長いなぁ、と思っていたら元モデルさんだったんですね。⑥競馬好きで(悪いことではないけれど)少しお金にルーズで(らしい)、腕の良い大工ながら地元に職が無くてロンドンに出稼ぎに行っているけれども家に帰るとやっぱり頼もしいなかなかカッコいいお父さん。無骨そうなのに歌も躍りも上手くてバディが憧れの目で見つめ、出稼ぎに行くときはいつまでも手をふって見送る大好きなお父さん。この年頃の男の子にとってお父さんはやはりヒーローだもんね(あと数年したら反抗期に入るにしても)。しかし、このベルファストの労働者階級の一家族のお父さん役を淡々と演じた俳優さんが(◯ッ◯◯シーンにブラックホール出現の)『フィフティ・シェイド・オブ・グレイ』の主演男優だったとは驚き。カッコいいのもこちらも元モデルだからか。⑦派手な夫婦喧嘩もするけれど、旦那が子育てについてキチンと奥さんに感謝の思いを告げ、二人の時は恋人時代に戻ったように振る舞う(お祖父ちゃん・お祖母ちゃん夫婦も同じく)夫婦像は、なかなか日本映画では見れなくて羨ましい。⑧バディが、ケネス・ブラナーが監督したことのある『マイティ・ソー』のコミックを読むシーン(自虐ネタか?)とか、決して裕福な家庭ではないし、環境も不穏な中ながらそこここにユーモアが散りばめられているが演出が良い。バディが悪友の女の子に誘われてスーパーの強奪に巻き込まれた時に盗んだのが洗剤。「何で洗剤なんか取ったの?」と詰問された答えが「環境に優しいから」(だいぶん前のシーンの伏線回収)。強奪シーンの凄まじさを忘れさせるくらい笑わせてくれました。⑨そして、ラストシーン、名女優ジュディ・デンチ演じる、連れ合いを亡くし、新天地へと旅立って行く息子一家を見送るお祖母ちゃんの、愛情・哀惜・覚悟・孤独がない交ぜになった表情で幕を降ろす演出が宜しい。⑩そのあと、「残った人達の為に、去った人達の為に、亡くなった人達の為に」という文章が画面に映し出されるが、図らずも現在起こっているウクライナ情勢とシンクロナイズしているよう。バディの算数の宿題の手伝いをしているときにお祖父ちゃんが言った「答えが一つなら紛争なんぞも起こらないのだがな」という台詞が深く重い。⑪ケネス・ブラナーは、“ローレンス・オリヴィエの再来”と言われていた頃の監督作品群は観ていないので何とも言えないが、最近の作品はその名声からすればガックリ来るような作品ばかり《『マイティ・ソー』(まあ、そこそこ)『シンデレラ』(酷い)『オリエント急行殺人事件』(噴飯もの)『ナイル殺人事件』(『オ急』のリベンジ成らず)》だったが、本作は感心した。

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もーさん

5.0白黒映像で映えるコミュニティ愛

2022年3月26日
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北アイルランド紛争を子どもとその家族の視点から描いた作品だが、政治や宗教を前面に出さず、そこに住む人々の日常とそれが壊れる瞬間をメリハリ付けて描いている。60年代末の雰囲気を出すためにも白黒映像は効果的だが、白黒の芸術写真のように人の感情を印影濃くしている。失われたコミュニティへの惜別の気持ちも深いが、家族や地域の人々の暖かな感情が見ていて救いとなる。それだけに紛争の痛手も感じるが、説教臭くなっていないのもいい。細かいことだが、劇中劇の映画チキチキバンバンは子どもの頃、やたら音楽だけ聞いたが、当時の子どもの憧れの映画と知れて、なぜかうれしい。

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Boncompagno da Tacaoca

4.0モノクロームの美しい記憶

2022年3月26日
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ケネス・ブラナー監督の自伝的作品とのこと。幼少期のバディを取り巻く宗教対立は、時代に取り残された感のあるベルファストという当時の都市そのものだと思えた。
映画のなかの現実世界のモノクロームと、時折挿入されるカラフルな映画作品のギャップや美しさに切なさを感じた。
祖父、祖母が素敵。
一度行ってみたい都市の一つだけど、行ける日は来るかな。

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kawa

4.5なぜだか涙が止まらない

2022年3月26日
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北アイルランドの首都「ベルファスト」で起きる紛争を背景に、温かくて優しく力強い家族の絆を描いた本作。アカデミー賞をはじめ各賞で絶賛という前評判の高さですが、納得の素晴らしい作品でした。

ケネスブラナー監督の自伝的映画であり、物語も所謂戦争映画ではなくとても私的なもの。でもだからこそ、バディに対する家族それぞれの言葉一つ一つが自然と胸に響き心が動くのです。
愛すべき街で突如起きてしまった紛争により、様々な想いが交錯し、家族を守りたいが故に葛藤する。バディの子どもなりの悩みや気持ち、お母さん・お父さん・おじいちゃん・おばあちゃんのそれぞれの想い、どれも印象深かったです。

わかりやすい感動エピソードや説教臭さはなく、紛争という時代背景の悲惨さはもちろんあるけれど、普通の家族のお話。
それでも本作から沢山のメッセージを感じ、とても温かく心に沁み渡ります。涙が溢れてエンドロールでは想いを噛み締めていました。

とても良い映画でした。

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まだまだぼのぼの

4.5自分の幼少期に重ね合わせて、あの頃を思い出す

2022年3月26日
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監督自身の伝記的作品。北アイルランドのベルファストという街で過ごした幼少期を描いている作品。

私には全くベルファストに縁もゆかりもないのだが、どこか自分の幼少期とリンクしてあの頃を何度となく思い出し、そのたびに哀愁に浸ることが出来た。

単身赴任で週末にだけ帰ってくる父親を楽しみに待っていたあの頃。
おじいちゃんやおばあちゃんには両親に話せないようなことが話せたあの頃。
近所の友だちとお帰りチャイムが鳴った後も夢中で遊んで、帰宅して母親に怒られたあの頃。

ベルファストで描かれる幼少期のあの頃をきっかけに、自分のあの頃を思い出すことができ、国や年代、環境は違えどあの頃は普遍的なものなのだと強く感じた。

そしておばあちゃんのメッセージに強く心を打たれた。
過去を振り返るきっかけを与えてくれ、今を頑張ろうと思わせてくれる作品だった。

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モトコ

4.0他人事ではないリアルさ

2022年3月26日
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鑑賞方法:映画館

なんてことない平穏な暮らしが、目の前で一瞬にして打ち砕かれる。その衝撃。
これは北アイルランド・ベルファストで起きた悲劇を、1人の少年の目を通して描いた映画だ。優しい両親と兄、祖父母に囲まれ、好きな映画や音楽を堪能し、好きな女の子にいかにして思いを伝えるかに悩む。そんな少年が主人公だからこそ純粋に“なぜ?”と問える。なぜ人は争うのか。憎み合うのか。どうあるべきなのか。
劇中に登場する数々の映像作品はどれも懐かしく感じた。遠く離れた異国の地の出来事とは思えなかった。

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ぽてち

4.5バディは見た

2022年3月26日
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ヘイトとテロの中間のような社会状況は、現在と地続きのように思えてしまう。社会の脆さをひしひしと感じる。家庭もギシギシと軋む。恫喝気味の教会、いきなり暴力を振るう大人、チンピラ野郎、悪いことに誘う年長者にマジギレする母親、コミュニティが活き活きと揺れ動く。寡黙な兄には一歩先の社会がある。
そんな世界のありのままをバディは見た。否定も肯定もない。浴びるように人の生きる姿をありのまま受けとめ、子供としてその世界を愛した。とんでもない状況であるが、素敵な世界である。ジュディ・デンチの眼差しは、今生きる全ての者に託された強いメッセージを放つ。

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Kj