ベルファストのレビュー・感想・評価
全237件中、181~200件目を表示
題材(宗教紛争)からしてちょっと共感し難い。
ウルトラノーマル 映画的か?退屈か?
#21 久々に見たモノクロとカラー混合作品
昔『ランブルフィッシュ』という映画を見たとき、全編モノクロなのに金魚だけが色がついてて、斬新な演出だと驚いたら黒澤明監督が最初に用いた方法だと知ってビックリした記憶がある。
本作も予告編とかテレビの紹介とか見てて、てっきり単なるモノクロ映画かと思っていたら、冒頭からカラーでびっくり。
つまり主人公の実生活はモノクロで映画とか新しいものはカラーなのね。
1960年代後半は、日本ではベトナム戦争で忙しくて遠いアイルランドで起きてることにまで気持ちが行ってなかったけど、こんな感じの時代を経てたのね。
私的にはeverlasting loveの歌がめっちゃ気に入った追憶映画でした。
バディ少年がいい
ケネスブラナーの映画愛万歳!監督賞は彼に!
子供時代の郷愁は素晴らしい感情
ケネス・ブラナーの子供時代の映画。素晴らしい街ベルファストでじいちゃん、ばあちゃん、伯父さん、伯母さん、友達やクラスメートの女の子、みんな愛情に溢れている。
こうやってみんなに愛されれば街が宗派対立でヤバいことになっても楽しく生きられる。むしろ子供はそんなのお構いなしに楽しく生きてられる。
ベルファストを描いた『ベルファスト71』はひたすら破壊と殺戮の映画だったのとは大違い。
大人はいつも大変そう。
子供は楽しそう。でもケネス・ブラナーのお兄さんは大人の大変さもわかる年になって大人しい。
無邪気な子供は最強に人生を楽しんでいる。
あとは、人生はだんだんつまらなく深刻になって落ち目になる。
誰もが子供時代は最高に楽しかったはず、そんな感情を蘇らせてくれた。住んでた街は違えど、こうした感情は世界共通だと思わせられた。
どんなに戦争や暴動があっても、生まれた街やそこに住む人を誰もが嫌いになれないのと同じ感情。
ヴァン・モリソンの曲が素晴らしくて、さらなる郷愁を誘いました!
『救命士』のT.B.シーツというわけわからん曲しか知らなかったのて、こんな曲作る人だとは思わなかった。
ヴァン・モリソンが映画を大きく盛り上げてます。
故郷を愛するすべての人々に捧げる人生讃歌
自身の幼少期を投影し故郷ベルファストの愛情と厳しさを描いた自伝的作品。激動の時代に翻弄されながらも日々奮闘している人々の様子が上手く描かれている。
抗うことが出来ない時代の変化に戸惑いながらも前向きに生きていくしかない現代と重なり共感する作品で故郷を愛するすべての人々に捧げる人生讃歌。
2022-59
秀作だと思う。でも、観る私に問題がありそうだ。
正直にレビューを投稿する。
監督自身が少年時代住んでいた故郷北アイルランドのベルファストを描いた自伝映画である。
背景にプロテスタントとカトリックの宗派対立があり、市民暴動や迫害テロが発生している。主人公の家系はプロテスタントに属している。
1969年の日常生活が監督自身の少年の目を通して、丁寧に描かれている。それも白黒映画で。
時々、色つきとなる。推測だが、過ぎ去った昔は白黒で、但し監督の脳裏に現在でも鮮明にあり、生きている部分は色つきにしたと私は考えた。
少年やその家族の日常生活を描いているので、本当のところ退屈であった。この家族の行末はどうなるのだろうか。それで展開はスムーズである。また飽きもしない。劇的に面白くなるのは、後半に入りプロテスタント側の市民暴動に少年が巻き込まれてからだ。後は一気に結末へと運んでくれる。
悩む人間の姿が映しだされる。悩みに年齢は関係ない。恋や借金や迫害テロ等さまざまである。それでも人間は生きて行かなければならない。祖父の葬儀で、カトリック教徒は地獄に落ちると説教した牧師が、死を悲しむよりも彼が生きたことを感謝しようと述べる。苦しくても生きる勇気を与える映画だと思う。
実は私は今、あることで悩んでいる。生死には直結していない。傍からみれば些細な悩みである。しかし、私にとっては大事で、この映画を観ても勇気を貰えなかった。私自身に問題があって、この評価となった。無ければ、0.5点加点しても良かった。
映画の愛に詰まった作品
秀作だが..
1969年、僕たちはベルファストにいた
1 1969年のベルファスト。バディ坊やと周囲の人々との日常を通して、故郷と家族への想いを綴る。
2 時代背景となる1969年は、映画の舞台となる北アイルランドでは住民間の対立が先鋭化していた。劇中、プロテスタントの過激派がカソリックの家を襲撃し、地区住民がバリケードを築き、地区の出入りをチェックする様子が描かれていた。信教の自由のあるわが国では理解しがたいところではあるが、国の成り立ちに係わる根深いものがあるようである。こうした中にあって、バディ一家もプロテスタントであるが、父親は穏健的で対立を良しとしない。バディも初恋の相手はカソリックの家の子であり、分け隔てはしない。またバディに万引きをそそのかし、過激派の示威運動への参加を勧める悪い仲間がいるが、闘争の最中で逃げ遅れそうになったところで、一家の庇護に飛び込んだ。分断と対立に異を唱え、寛容の精神を唱える監督のメッセージがよみとれる。1969年を映画の背景としたのは偶然ではないであろう。そして終局でスクリーンに表される3つの言葉は故郷に向けた鎮魂と哀惜のことばとなっている。
3 バディ一家は、経済的には恵まれていないが、家族としてはイケていた。母と父は税の支払いや子供との関わり方で喧嘩することがあるが、仲睦まじく歌い踊り、底抜けに楽しむところもあり、その様子を見て笑みが溢れるバディの顔は多幸感に満ちていた。子供と本音で語り、家族として纏まっていた。また、祖父と祖母はバディの良き相談相手となっている。この二人からバディは多くのことを受け継ぐことができたのではないであろうか。
4 冒頭の街の紹介にあった建物の煉瓦色が印象に残り、モノクロの淡さが心地よかった。最後に、この時代を示すのに、家族の団欒の中に、スタートレックやラクウェルウォルチ、サンダーバード、チキ・チキ・バン・バンが出てきたことにニヤリと反応してしまった。
あこがれのサンダーバード
1969年北アイルランドのベルファストを一家族の物語として描いたケネス・プラナーの自叙伝的作品。
ケネス・プラナー作品は、この前「ナイル殺人事件」を観たばかり。
ジュード・ヒル君かわいい。
母さんが素敵過ぎ。
兄ちゃんはセリフほとんどなかった。
ケネス君!君が小さい頃から優等生だったのはわかったけど、お兄ちゃんには無関心だったんじゃないの?
ええ~っ👀⁉️
サンダーバードの国際救助隊(IR)のコスチューム。
でました!
父さんは出稼ぎで頑張っていたけど、ほんとはお金持ちだったんじゃないの?
ギャンブル(競馬)で税金(住民税?)に手を出して、延滞金をこしらえてしまって、綺麗過ぎるお母さんは3年分の納税証明書を大事に保管するのが習慣となってしまっていたけど。
おじいちゃんがよかった。
炭鉱で働いていたことがあるのね。
料理していて突然?
デンチおばあちゃんも可愛かった。
町の映像がむちゃくちゃ綺麗だった。
モノクロとカラーの使い分けも印象的。
ベルファストは造船の町のよう。
村上龍の69 sixty nine を想いだした。
ケネス・プラナー。同い年じゃん。
オイラの1969年。
小学校の3年だった。
東大の安田講堂で大学生がケツ出して、放水されていた。
新宿西口にフォークゲリラが湧いた。
似ているのはもっと幼かった時に近所(隣)の姉ちゃんにそそのかされて、祭りの山車の列に混じり遠くの町まで行ってしまって、迷子になってこっぴどく叱られたことや万引きを手引きされたこと。
小学校3年の頃は喧嘩ばかりしていて、練鑑に入れられそうになった。
その挙げ句、担任から転校を薦められた親は赤羽に引っ越しすることに決めた。
同級生のエミコは学校から帰ると内職で忙しい母親にいろいろ言いつけられるのが嫌で、転校したばかりのオイラのウチによく来ていた。家に風呂がなくて銭湯通いのウチが多かった当時。エミコは家風呂に入りたがった。エミコと何回か二人きりで入った。エミコは握るのが好きだった。触ってとも言ってきた。しかし、エミコも相模大野に引っ越し、何通か手紙が来たが、それっきりになった。
還七の陸橋を自転車で走って自動車と接触して足の骨を折って入院した。自転車は車に轢かれて、オシャカになった。
退院して登校したら、4年生になっていた。みんなの前で、ひとつおりこうさんになりましたねと知らない担任に言われてムカついた。
オイラの1969年もけっこういろいろあったなぁ。
エンドロールのスタッフに日本人の名前をみつけた。ヘアメイク。こんなところに日本人?
現代版(1969年が舞台ですが)『我が谷は緑なりき』かな。少年(少女)の視点から見た映画に秀作が多いのは何故だろう。やっと今年観た中で(現時点)自己ベスト1に巡りあえて嬉しい。
①要所要所で流れるヴァン・モリソンの歌が良い。②お祖父ちゃんがいて、お祖母ちゃんがいて、お父さんがいて、お母さんがいて、兄弟がいて、隣近所のおじさん・おばさんがいて、遊び相手がいて、初恋の相手がいて…北アイルランド紛争が始まった年である1969年のベルファストという特殊な時代・場所を背景にはしているが、それを別にするとバディにとって当たり前の世界を描きながら、それが万国のどの少年にとっても当たり前のささやかだけれども愛しい日々への郷愁という普遍的なテーマに昇華させているのが素晴らしい。③1969年と言えば私は8歳だったのでバディとほぼ同世代といえる。スタートレックを観ていて、サンダーバードに夢中で、映画『チキチキバンバン』『紀元前100万年』を楽しんで…と他人事のように思えないところにより共感度が増す。④上のTVシリーズや映画はもとより、映画のあちこちに1969年の時代相を示す小道具が散りばめられているが、お父さんのロンドン土産の中にあったアガサ・クリスティの「ハロウィーン・パーティー」(1969年出版)…ケネス・ブラナーはやっぱりアガサが好きなのかな…監督・主演したアガサ映画は評価出来ないけど(また言ってる)。⑤お祖父ちゃん、お祖母ちゃんが長い人生の中で積み重ねた経験や知識から得た人生を過ごして行く上での知恵やこつを孫に話して上げるのはいつの時代でも同じ(日本の都会ではだんだん少なくなっているようだが)。孫も父さんや母さんの言うことには反発することはあっても、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんの言うことは素直に耳を傾ける。その時は理解出来ていなくても。その辺りもお祖父ちゃん・お祖母ちゃんを演じる両イギリスの名優によって慈愛溢れるシーンとなっている。⑤美しくてしっかりもので、優しいけれど怒ると恐いお母さんを演じるカトリーヌ・バルフも好演。これまでに観た映画(『スーパー8』とか)にも出演していたらしいが全く記憶になし。でも今回でバッチリ。スタイルが良くて脚が長いなぁ、と思っていたら元モデルさんだったんですね。⑥競馬好きで(悪いことではないけれど)少しお金にルーズで(らしい)、腕の良い大工ながら地元に職が無くてロンドンに出稼ぎに行っているけれども家に帰るとやっぱり頼もしいなかなかカッコいいお父さん。無骨そうなのに歌も躍りも上手くてバディが憧れの目で見つめ、出稼ぎに行くときはいつまでも手をふって見送る大好きなお父さん。この年頃の男の子にとってお父さんはやはりヒーローだもんね(あと数年したら反抗期に入るにしても)。しかし、このベルファストの労働者階級の一家族のお父さん役を淡々と演じた俳優さんが(◯ッ◯◯シーンにブラックホール出現の)『フィフティ・シェイド・オブ・グレイ』の主演男優だったとは驚き。カッコいいのもこちらも元モデルだからか。⑦派手な夫婦喧嘩もするけれど、旦那が子育てについてキチンと奥さんに感謝の思いを告げ、二人の時は恋人時代に戻ったように振る舞う(お祖父ちゃん・お祖母ちゃん夫婦も同じく)夫婦像は、なかなか日本映画では見れなくて羨ましい。⑧バディが、ケネス・ブラナーが監督したことのある『マイティ・ソー』のコミックを読むシーン(自虐ネタか?)とか、決して裕福な家庭ではないし、環境も不穏な中ながらそこここにユーモアが散りばめられているが演出が良い。バディが悪友の女の子に誘われてスーパーの強奪に巻き込まれた時に盗んだのが洗剤。「何で洗剤なんか取ったの?」と詰問された答えが「環境に優しいから」(だいぶん前のシーンの伏線回収)。強奪シーンの凄まじさを忘れさせるくらい笑わせてくれました。⑨そして、ラストシーン、名女優ジュディ・デンチ演じる、連れ合いを亡くし、新天地へと旅立って行く息子一家を見送るお祖母ちゃんの、愛情・哀惜・覚悟・孤独がない交ぜになった表情で幕を降ろす演出が宜しい。⑩そのあと、「残った人達の為に、去った人達の為に、亡くなった人達の為に」という文章が画面に映し出されるが、図らずも現在起こっているウクライナ情勢とシンクロナイズしているよう。バディの算数の宿題の手伝いをしているときにお祖父ちゃんが言った「答えが一つなら紛争なんぞも起こらないのだがな」という台詞が深く重い。⑪ケネス・ブラナーは、“ローレンス・オリヴィエの再来”と言われていた頃の監督作品群は観ていないので何とも言えないが、最近の作品はその名声からすればガックリ来るような作品ばかり《『マイティ・ソー』(まあ、そこそこ)『シンデレラ』(酷い)『オリエント急行殺人事件』(噴飯もの)『ナイル殺人事件』(『オ急』のリベンジ成らず)》だったが、本作は感心した。
白黒映像で映えるコミュニティ愛
モノクロームの美しい記憶
なぜだか涙が止まらない
北アイルランドの首都「ベルファスト」で起きる紛争を背景に、温かくて優しく力強い家族の絆を描いた本作。アカデミー賞をはじめ各賞で絶賛という前評判の高さですが、納得の素晴らしい作品でした。
ケネスブラナー監督の自伝的映画であり、物語も所謂戦争映画ではなくとても私的なもの。でもだからこそ、バディに対する家族それぞれの言葉一つ一つが自然と胸に響き心が動くのです。
愛すべき街で突如起きてしまった紛争により、様々な想いが交錯し、家族を守りたいが故に葛藤する。バディの子どもなりの悩みや気持ち、お母さん・お父さん・おじいちゃん・おばあちゃんのそれぞれの想い、どれも印象深かったです。
わかりやすい感動エピソードや説教臭さはなく、紛争という時代背景の悲惨さはもちろんあるけれど、普通の家族のお話。
それでも本作から沢山のメッセージを感じ、とても温かく心に沁み渡ります。涙が溢れてエンドロールでは想いを噛み締めていました。
とても良い映画でした。
自分の幼少期に重ね合わせて、あの頃を思い出す
監督自身の伝記的作品。北アイルランドのベルファストという街で過ごした幼少期を描いている作品。
私には全くベルファストに縁もゆかりもないのだが、どこか自分の幼少期とリンクしてあの頃を何度となく思い出し、そのたびに哀愁に浸ることが出来た。
単身赴任で週末にだけ帰ってくる父親を楽しみに待っていたあの頃。
おじいちゃんやおばあちゃんには両親に話せないようなことが話せたあの頃。
近所の友だちとお帰りチャイムが鳴った後も夢中で遊んで、帰宅して母親に怒られたあの頃。
ベルファストで描かれる幼少期のあの頃をきっかけに、自分のあの頃を思い出すことができ、国や年代、環境は違えどあの頃は普遍的なものなのだと強く感じた。
そしておばあちゃんのメッセージに強く心を打たれた。
過去を振り返るきっかけを与えてくれ、今を頑張ろうと思わせてくれる作品だった。
他人事ではないリアルさ
バディは見た
全237件中、181~200件目を表示