ベルファストのレビュー・感想・評価
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2022作品賞候補
イギリスを構成する国のひとつである北アイルランドの首都ベルファスト。人口の大半はプロテスタント。少数派としてきたあるランド独立をめざすナショナリストとカトリック教徒という構図。1960年代後半に少数派への差別をなくそうとする運動をきっかけに、逆に、「カトリック(系住民)はこの街から出ていけ」と迫るプロテスタント系住民という厳しい構図ができあがり、激しいぶつかりあいが繰り広げられた日々。ついこの間まで仲良く暮らしていた双方だったのに・・・ 『カトリックは懺悔さえすれば何をしてもよい』という考え方だと蔑むプロテスタント。そこで、まさにそのとき少年時代を育った監督の作品。
オープニングはカラー映像でいまの北アイルランドの映像から。そしてなかみは過去の話でモノクロ。1969/8/15から記憶をたどるわけだが、子供の記憶はモノクロ的、ということかな。
豪州のシドニーやカナダバンクーバーに脱出しようとする家族も多い。ここで生きるか、引っ越すか。「ここのみなはあの子たちを知って、みてくれる。行ったら毛嫌いされるわ。歓迎されるわけがない」という妻。
祖父は孫に聞く。「自分が何者かはわかっている。みな、お前の味方で、お前どこに行って何になろうともお前の味方だ。それさえ覚えておけばいい。お前は、どうしたい?」「おじいちゃんたちもいっしょに来てほしい」「月をめざすんだ。ロンドンはその一歩だ。ベルファストは消えないよ」
相手側の若手リーダーは言う。「人は変化を嫌う。だが時代がかわった。この街は俺たちが牛耳っている」
アニメ映画「チキチキバンバン」、ストップモーション特撮の「サンダーバード」、「恐竜百万年」といった懐かしい(自分にとっても、怪獣好きだったからのかすかな知識程度でしたが)
宗教より信じるべきは家族の絆
アイルランドであったこと勉強しなくちゃなぁって思いました。街の中でこんなことがあったなんて・・・知りませんでした。絵の綺麗さ、場面ごとの構図、迫力に驚きますね。全体的にスタイリッシュでまぁ格好いいんですよね。けど、描いているのは悲しく忘れちゃいけない歴史。
けど、本作は史実を克明に伝えることを目的とせず、監督自身が自身のルーツである街や家族を描いたのではなかろうか?と。強く生きていく人間讃歌であり「こうやって生きてきたんだぞ!こうやって生きていくんだぞ!」って胸を張り声高らかに叫ぶ、この地を故郷とする監督や、かつてのベルファスト出身者達の心意気が見えてくるようです。
かなりハードな背景なので、非常にヒリヒリするはずなんですが、ですが、バディの日常の目線をベースに描かれるからでしょうか、ちょいちょい入る箸休め的な微笑ましいエピソードがなんともいい塩梅でホームドラマを見ている気がしてくるのです。ま、ハードなホームドラマではありますが。ですが故に本作は「ファミリー」が主役なのだと思えるのです。そして語られるのは人間が生きていくために必要かつ大切な根本的なことをテーマとして描いているのではないでしょうか?それが、ラストのおばあちゃんのセリフのシーン。そしてその表情。心が熱くなりますよ。グッと込み上げてきました。
このテーマは普遍的なのでしょう。時節柄ではありますがロシアーウクライナの状況とどうしても重なってしまうのです。仕掛けてくる方の理屈、仕掛けられる側の悲しみ。何にも変わってないんだなぁと。けど、おばあちゃんのセリフに表される気持ちが持続し続けている限り、人間は理不尽な環境に抗ってタフに生きていくことができるんだろうと思います。そして一人では厳しいけど、家族あればこそ立ち向かい歩める未来もあるんだろうと。
辛いけど希望が見える(与えてくれる)作品です。
スティッフ・リトル・フィンガーズ
ベルファストと言えば、スティッフ・リトル・フィンガーズ!
スティッフ・リトル・フィンガーズと言えば、ベルファスト!
戦火が絶えなかったベルファストで生まれ、北アイルランド紛争と一緒に語られる事の多いパンクバンド。
スティッフ・リトル・フィンガーズを知ってから、ずっとベルファストに興味がありました。
ベルファストって聞くだけで熱くなります。
上映時間帯が都合わるく、観たくても観れなかったんですが、時間帯が変わり、やっと観れた♪
ケネス・ブラナーのベルファストで育った少年時代を、悲観的にならず明るく描いてます。
少年の目を通し、当時の、ベルファストと日常と家族が描かれてるので、
生まれた年代や国は違えど、子供時代を思い出し、懐かしくなりますね。
歳を取ってる人ほど面白く感じるかも。
アイルランドの街並みが、何気ない路地も、オシャレで良かったです。
切ない感じ、懐かしい感じの、終わり方、ラストカット、も好き。
最初は、まあまあ?と思ったけど、ジワジワくるタイプなのか、また観たくなってきた。
(映画に、スティッフ・リトル・フィンガーズは出てません)
凡庸
以前見たような気がずっとしていて、大して面白くもない作品だった。誰もが気に入り、良い作品だと声高に言っても差し支えのないそれだけの作品。私の食指はちっとも動かず、むしろ詰まらないと感じた。子供が出て来て、家族の愛と別れ。ありがちな映像でしかない。ケネス・ブラナーは良い役者であり、人間的な魅力もある人なのだろうが、作品には灰汁が無くて私としては全く魅力を感じなかった。カンヌもその程度かとガッカリさせられた。大多数の方は「感動した!」と述べるだろうが、私は「凡庸で詰まらない」と素直に述べたい。思えば、サタジット・レイの「大地のうた」の亜種であり、ヴァリエーションだとも感じた。詰まらない中でも、ジュディ・デンチは素晴らしい役者だとあらためて実感したのが唯一のポイントだった。
一日が長かったあの頃
早く引っ越したほうがいいんじゃない?とも思うけど。
生まれ育ったなじみのある土地から離れるのは不安ですよね。
ああいう状況で、品物を返しに子どもを連れて行くお母さんにもびっくり。
このママが、美人で脚も長くてスタイルもばっちりなのが、ちょっとキャラクターにそぐわないような気もしました。
パパはジェイミー・ドーナンだったのですね。ベルファスト出身と初めて知りました。
ラストのおばあちゃんがいい。
自分だったら「行かないで」とか言っちゃいそう。
ジュディデンチ、優勝!!
あのラストカット、たまらなく良かったなあ。
そしてあのママ。美し過ぎた。
モノクロの街から、
ポップカラーのチキチキバンバン
(なんかチリチリバンバンみたいに言うてたな)
が、何ともノスタルジーでした。
ベルファストの街と家族の愛の物語
この街で住む人たちの人生が詰まった街 ベルファスト。
街中が庭、ご近所さんはみんな世話焼いてくれる。
そんな居心地のいい街で暮らしてきた人々は外の世界を恐れる。
言語、宗教、肌の色、この世に存在する人類を細分化するための虚構を恐れて人々は固まり、団結する。
そんな街の中心はいつだって子供だ。屈託のない笑顔で周囲を笑わせ、街に活気をもたらす。大人たちも子供を守ろうと必死になる。そりゃそうよな。
ジョジョラビットと少し似た雰囲気を感じたが、
そんな時に1番かっこよくて、美しいのはその母親。
今回もお母さんかっこよかったぞ。仕事を理由に家族との時間を犠牲にし、お金も入れない父親の代わりに、税金を払い、ご飯を作る。
なんで人々は故郷を欲しがるのか。安らぎ?居心地?
そんなんじゃない。自分達のアイデンティティがそこにはある。
でも結局良い街、幸せを掴み取ろうとしてる人の根底にはいつも音楽.ダンスがあるのさ。
ジュディ・デンチの最後の目力に鳥肌がたちました。
久しぶりの白黒映画。
それだけでノスタルジーを感じました。
ただし、そんな気分も、すぐに覆されるような事件が起こります。
同じ地域に住む同族に、宗派が違うだけでこんな非道なことを行うなんて…と信じられない想いで観ていました。
ロシアのウクライナ侵攻と映像がだぶり、やるせない気分になりました。
世界で一番読まれている本「新約聖書」。
学生時代に、ノアの箱舟、モーゼの海割りなどファンタジー小説として楽しく読みました。
この中で感じたことは、自分を憎んでいる人でさえ受け入れるキリストの愛。
こういったカソリックとプロテスタントの抗争を見たら、彼は大変悲しむだろうなと思いました。
自身を敬虔なキリスト教信者と思っている人たちがやっていることは、ヤクザやマフィアと変わらず、ホント残念です。
ベルファストの街並みや雰囲気は、大変好みでした。
今度ヨーロッパに行くときには、アイルランドに足をのばします。
今はきっとのどかないい街だろうなと思います。
「敵があらわれた。どうする?」 > たたかう or にげる 争いを無くす呪文があればいいのに。と、本気で思います。
ボスターのデザインを一目見て
それからず~っと気になってました。
観る機会ができたので鑑賞です。
舞台は北アイルランドの都市 ベルファスト。
1969年に起きた紛争を、その町で生まれ育った
少年バディを中心に描いた作品です。
アイルランドの歴史を紐解くと
どうしても紛争の史実に行き当たります。 う~ん
イギリス VS アイルランド
1960年代後半、ベルファストの中でもまた内紛が…
プロテスタント VS カトリック
この作品では、その紛争に巻き込まれていく
バディとその家族の姿が描かれます。
その描かれ方にはすごくリアリティがあります。 怖いです。
環境の急激な変化に対してバディが見せる反応が
時には達観した様子で
またある時には年相応で…
"なんでこんな争いが起きてしまうんだろう"
そう思わずにはいられません。
観て楽しい内容ではありませんが
観て良かった。
◇あれこれ
印象に残った会話
スーパー襲撃に巻き込まれてしまったバディに母親が…
母 「なんで洗剤なんか持ってきたの?」
バ 「環境に優しいから…」
あぁ なんて素敵なすれ違い会話。
バディ。 その感性のまま大きくなってほしい。
しみじみとそう思いました。
キャサリン
という名前が何度も出てくるのですが
その名前が呼ばれるたびに
別の作品が頭に浮かんで困りました。 うーん。
(※ひとつ前にレビュー書いた作品です…)
改めてポスター
剣と盾を持ち空を駆ける少年 …の図案。
これは、闘いをイメージしたものではなく
自由に駆け回る少年の心を
象徴しているのかなぁ などと思いました。
※「ゼルダの冒険」 のリンクみたい
なんてことも思いました
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
ニュー・シネマ・パラダイスを思い出しました
はい。良く私のやんちゃレビューを覗きに来て頂きました。ありがとうございます。
この映画は一言で言うと、優しい映画です。
で、カトリックとプロテスタントの対立を軸にしてるらしいんですが・・・部外者の私が余計な事を言うなよ。それぞれに先鋭的な集団がいるのね。
せいぜい例えるなら、赤軍派と京浜安保闘争が合体して連合赤軍になったのね。くらい・・・時代もほぼ一緒。
アイルランドの映画といえば「遥かなる大地」くらい。(この映画はアイルランド)
じゃがいもの病気で瀕死のアイリッシュがアメリカに移住する映画です。あのね・・・ランド・ラッシュってね・・・
せーのでスタートして旗を立てたら自分の土地なんだと・・・いやね面白いけどめちゃくちゃじゃね。先住民族もいるんだよ。それでオクラホマ州は別名、早いものがち州。なんじゃそれ!
まあ話しは飛ぶんですが、数年前に初詣に行ったんですよ。秋葉原の神田大明神に。もう大行列なんですね。前にいる学生男子の声が聞こえてきます。3人です。
あのさ〜お寺ってテンプルって言うじゃん。神社はなんだっけ?
知らねー(二人とも)
シュライン(shrine)だろうが‼️
まあ仕方がないかなあ。元々神道が有ったのに仏教が伝来。フツーは権益を守る為に邪教って攻撃しそうですね。が・・・しなかった。
偉いぞ‼️昔の日本人‼️
元祖ダイバーシティだよ。仏教チームもそれに応えた、お寺なのに鳥居があったりする。
神道と仏教のミルフィーユだよ‼️
さてと・・・あんまり笑う所が無かったのは承知の助ですが、映画の感想に参りましょうか。
まずは本年度アカデミー賞の脚本賞を受賞しました。
おめでとうございます。
いつもより余計に回っております。
染之助、染太郎かっ‼️
ごめんなさいねえ。ふざけて。「ドライブ・マイ・カー」は国際長編映画賞のみでした。でも歴史的快挙でしょ。
作品賞は「コーダ あいのうた」なんか複雑なんですが、良かった。ちなみに私は星5個です。
でもね・・・後年今年のアカデミー賞が語られた時は、ウィル・スミスのビンタ・・・そうなっちゃうよね。クリス・ロックはギャグを飛ばす前にアイ・ラブ・ユー ジェイダ って、言ってるんですけどね。
うーむ、この件も旗幟鮮明にしません。長渕剛、17分電波ジャックもね。
おいっ‼️なかなか映画の話しになんねえな‼️
すいませんねえ。この映画はケネス・ブラナーの自伝的映画です。いわば私小説。でもねしっかりエンタメとして成立してるんですよ。
幼少期のケネス・ブラナーの視点ですね。あのね子供視点の映画って名画が多い気がするんですよ。
「ニュー・シネマ・パラダイス」「ライフ・イズ・ビューティフル」「マッド・マックス 2」
多分だがこの辺りの映画は観てるよ。ケネスは。絶対。「GI・ジェーン」より有名でしょ。
ベルファストはモノクロームの映画なんだけど、一部カラー。いわゆるパートカラーってやつだね。象徴的。
小道具も匂わています。マイティ・ソーとかアガサ・クリスティとかね。それで私の見間違いの可能性もあるんですが。イギリス映画界の大物が出ています。サプライズですか?ゲスト出演ですか?誰かは言いませんよ。ジュディ・デンチさんじゃ有りませんよ。
エンド・ロールもしっかり観たんですが、ノークレジット。
トータルで楽しい映画でございました。ただね・・・ベルファスト訛りがきつくて私のヒアリング能力が使えないのがわかりました。残念。
ベルファストから出て行った人、ベルファストに残った人、ベルファストで死んでいった人。
そこに捧げられ映画でした。
そのままやないかい‼️
ベルファスト、ファスト。
次はスピルバーグの自伝的作品を観たいかなあ。(この辺りの話しは面白いのでいずれまた)
こんな長文を読んで頂きありがとうございました。
アカデミー作品賞はこっちで良かったんじゃね!!
1969年、北アイルランドの小さな町「ベルファスト」で
キリスト教の一派であるプロテスタントの住民が、
同じキリスト教の一派であるカトリック教徒の住民に対しての
排斥運動が始まり、主人公少年の一家は
カトリック教徒が多数暮らす地域に住むプロテスタント教徒であったため
どちらの味方にもなれないまま、どうやって生きて行くのか?
難しい選択を迫られる大人たちの姿を9歳の少年の目を通して描かれています。
無邪気な子供同士のふざけ合いから、突然に大人のガチの争いに
巻きこまれる何も知らない少年の戸惑いが伝わってくる。
それでも最初はテーブルの下で震えていた子供もやがて
町の真ん中に設置されたバリケードに慣れて遊びにつなげてゆく姿は
意外に子供の順応力を感じさせて逞しい!!
とんでもない略奪のシーンの後でさえ、
無邪気な子供の一言で思わず爆笑してしまった。
でも、この映画は
「どんな理由があろうとも争いは何も生まない」こと
しっかり伝えてくれる。
ロシアによるウクライナ進攻を目の当たりにして
あの映像の中で、この映画と同じように子供たちや母親たちが
右往左往していると思うと、やはり堪らないです。
で、月に8回ほど映画館で映画を観る中途半端な映画好きとしては
一昨年の名作「ジョジョ・ラビット」の様に
悲惨な争いの内容が少年の言動でかなり見易くなってますが
悲劇の度合いは実は深刻で厳しい話ではあります。
劇中、少年のお母さんが
「町中が知り合いでどこにいても誰かが声をかけてくれる町」と、
「ベルファスト」の良さを語るのですが
争いが激化して、その知り合いが殴りかかって来る町に
変貌している事をなかなか受け入れられないでいる。
実際の諍いに子供が巻き込まれてやっと、事の重大さに気づく。
近しい民族同士で争う事の愚かしさ、悲しさが伝わってくる。
でも、お母さんの戸惑いもよく分かる。
出来る事なら慣れ親しんだ場所で一生平穏に暮らしたい。
世界中のか弱き人々がみんな望んでいる事だから〜〜
今回の米アカデミー賞の作品賞、「コーダ あいのうた」も
多様性を大事にする意味では悪くないのですが
私はやはり商業映画として「ベルファスト」の洗練度の高さ、
作品としてのブラッシュアップの出来栄えを思うと
こっちが相応しいように思うのです。
ケネス・ブラナー監督、やるやん!!
いきなり上から目線のタイトルをつけちゃってゴメンナサイ!
それについては後ほど。。
第94回アカデミー賞では作品賞など7部門にノミネート、そして見事脚本賞を受賞。
K・ブラナーの監督・脚本作です。
ブラナー自身の少年時代を振り返った自伝的作品で、1969年にベルファストで起こった北アイルランド紛争を背景に9歳の少年バディの目を通して描く分断と家族と郷愁と初恋の物語。
感想を一言でいうと・・・イイ。好き。素敵。
あ、三言ですね(^^;
まずはとにかくバディ少年を演じるジュード・ヒルくんが可愛いのよ!屈託のない笑顔、くるくる変わる愛らしい表情…誰もが彼にメロメロになること間違い無し。
待って。ブラナー監督は自分の少年時代を投影するバディ役にこんなにも愛くるしい子を自ら選んだの?
少年時代のブラナー監督より何倍もジュードくんの方が可愛いやろ~←超失礼m(__)m
子役って成長するにつれていろんな意味で残念になってしまう人が多いけど、ジュードくんには永遠に無垢のままでいてほしいなぁ。
恥ずかしながら、北アイルランドとアイルランドの区別もあまりついていませんでしたし、北アイルランド紛争についてはほとんど知らなかったので、映画鑑賞後にがっつり学びました。
本当にあまり勉強してこなかったので私の人生はまさに“大切なことは全て映画が教えてくれた”です。
紛争と分断が背景にあるものの、決して暗い映画ではなく、歌もダンスもあってとってもキュートな作品。お父さんとお母さんのダンスシーンは魔法がかかっているかのようにキラキラしてましたね。
おじいさんとおばあさんもあったかい。おばあさんがジュディ・デンチだなんて途中まで気づきませんでしたよ。ラストシーン、今思い出しても涙がこぼれそうに。
サンダーバードやチキ・チキ・バン・バンもとっても懐かしくて。子供のころチキバンバン、チキチキバンバン♪ってよく歌ってたなぁ。(あ、ブラナー監督よりは年下ですよ)
モノクロってこんなにも美しく、こんなにも“鮮やか”だったんですね。鮮明に記憶に残る映像です。
ブラナーってシェイクスピア俳優の印象が強かったのですが、最近は「マイティ・ソー」「シンデレラ」からアガサ・クリスティ原作物まで監督していて、アガサの2作品については正直(うーーーんその演出は好みではないです)って感じていたのですが!これは!!素晴らしいです!!!
98分というコンパクトな尺にぎゅっと収めていてしっかりとメッセージも伝わってきました。
子供目線のカメラアングルも幼い恋の描き方もセリフも音楽もとても良きでした。
ここで
ケネス・ブラナー監督、やるやん!!
です(笑)
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全然関係ないんですけど、中学時代に放課後教室の片隅で誰かが持ってきたラジカセで『ベルファッ、ベルファッ♪』って踊っていたのですが、調べたらあの曲(ボニーMの『ベルファスト』)もどうやら北アイルランド紛争を歌ったものだったようです。40年以上の時を経て知りました。。
お父さんはラクエルウェルチに
カトリックとプロテスタントの確執は、日本人にはなかなか理解しにくいですが、宗教に関わる対立は世界中で戦争を引き起こして来ました。
美しい映像とベルファストの街並み、愛すべきおじいとおばあのキャラクターなどに癒されつつも、今も変わらず争いを繰り返す人間の愚かさを感じました。
ごく私的な小品なれど
ケネス・ブラナーが北アイルランド・ベルファストでの少年時代を題材に映像化。モノクロ、ノンスターで、肌合いはごく私的な小品だが、紛争下での少年とその家族の日常を描いており、期せずして現実の事態を思い起こさせる。
それまで仲良く暮らしていた隣人に、宗教の違いだけで暴力を振るうことが、少年には理解できない。名前でも区別できないのに。それでも暴力はエスカレートし、否応もなく少年と家族を巻き込んでいく。そのあたりの詳しい背景や理由は描かれず、少年の疑問や不安な心情とシンクロしている。
その代わりこの作品で描くのは、家族や住民の歌や踊り、そして映画。モノクロの日常から、舞台や映画館のシーンでの鮮やかなカラーへ。映画館やテレビで観る映画、お父さんが買ってくれたおもちゃなど、ブラナーが当時愛したものをすべて、喜々として盛り込んだ感じ。
ジュディ・デンチ以外は知らない役者さんばかりだが、みないい味を出している。お母さんのミニスカートが当時を彷彿とさせる。また、主要キャストはみなアイルランド出身とのこと。アイルランドといえば、なんと言ってもベルファスト・カウボーイことヴァン・モリソンの歌が全編に流れているのが嬉しい。
始めのうちは、カットが早く、人間関係の把握に手間取って、今一つ乗り切れなかったが、だんだんとカットも長めになって、物語に入っていけた。もう一度、最初から見直してみたい。
北アイルランド紛争
実は3月に一度、鑑賞していたのだが、一部、眠くて見逃した部分があり、2回鑑賞。
北アイルランド紛争の中、殺伐としている中で、冗談を言い合ったり、道でダンスを踊ったりというシーンに惹かれた。
特に家族でチキ・チキ・バン・バンを鑑賞するシーンが良かった。
宗教の違いで殺しあっても神は赦したもうのか?
アカデミー賞7部門にノミネートされ脚本賞を獲ったのに上映館が少なすぎるでしょ。「ナイル殺人事件」に続いてケネス・ブラナーの作品をこんなに観ることになるとは思わなかったが一方はコロナ禍で公開が延び一方はロックダウンを契機に書き始めた脚本だというのだが彼が9歳で故郷の北アイルランド・ベルファストを離れるいきさつを描いた自伝的物語で私と全く同年代なので(国は遠く違えど)見ているアメリカTVドラマ(宇宙大作戦やサンダーバード)に親近感がありポールマッカートニーが「アイルランドに平和を」と歌っても当時の私には全くの他所事であったが人類が月に降り立った同時期にカトリックとプロテスタントが殺し合いをしているなんて人類というのは進歩と調和が聞いてあきれるとことん救われない馬鹿である。お祖母ちゃん役のジュディ・デンチが素晴らしくモノクロパートのラストカットで彼女がガラス窓に額を突っ伏すシーンがぐっときて泣ける。
少年を取り巻く激動の変遷
巨匠ケネスブラナーが道端でサッカー、決闘ごっこで遊び回る少年バディの無邪気目を通して思想、暴力による生まれ育ったベルファストの分断を描いた本作。
なんと言ってもバディの見ていて笑顔になれるような無邪気さに自然と心を動かされた。
バディをはじめとする子供たちの遊びや恋模様に一喜一憂する様子を微笑ましく思うと同時に理不尽に襲う大人達の争いこの対比はあってはならないが無くならないもので現在の世界中の課題にも通じ、考えさせられた。
ケネスブラナーが自身の体験をもとに完成させた本作は今の不安定な世の中にあるからこそ刺さるものがあると感じた。
本年の米国アカデミー賞脚本賞受賞のケネス・ブラナー監督作品。ウクラ...
本年の米国アカデミー賞脚本賞受賞のケネス・ブラナー監督作品。ウクライナで戦争が勃発してしまって、ちょっと心が誤動作するような感じがしました。
1969年、北アイルランドの首都ベルファスト。
9歳の少年バディ(ジュード・ヒル)は利発な少年。
英国ロンドンに出稼ぎに行っている父さん(ジェイミー・ドーナン)は2週に1度の割合で帰って来る。
その間は、母さん(カトリーナ・バルフ)と兄との三人暮らしだけれど、近くには、じいちゃん(キアラン・ハインズ)もばあちゃん(ジュディ・デンチ)もいるし、母さんの姉さん一家も住んでいる。
なにせ、みんなベルファスト生まれのベルファスト育ちなのだから、気心は知れたもの。
けれどある日、プロテスタント系の若者が暴徒化し、カトリック系住民を攻撃し始めた。
なにがなんだかわからない。
暴力にはおびえるが、クラスで一番の美少女ちゃんは気になるし、週末家族で観る映画は楽しい。
でも、やっぱりこの暴力的な世間は愛想が尽きた、家族がいちばん、ということで、父さんはベルファストを離れる決意をした・・・
といった物語。
基本的には、郷愁の映画。
紛争暴力があり、離れざるを得なかったけれども、やはり故郷は故郷・・・といった思いを描いたもの。
なのだけれど、ウクライナで戦争が勃発してしまって、それ以上の何かを感じなければならないのでは?と心が反射動作を起こします。
それが、この映画にとっていいことか悪いことかはよくわからない。
観ている方にとっても、いいことか悪いことはわからない。
映画は作り手のものでもあるが、観る側のものでもあるから。
そのことはさておき、客観的な観点でいうと、映画はオープニング、エンディング、劇中の一部を除いてモノクロで、モノクロ映像の美しさが光っています。
オープニングとエンディングのカラー映像は、「現代」=いま、ということで、特にオープニング、カラーの空撮から看板をドローンアップすると、看板の向こうに60年代のモノクロのベルファストの街が登場。
で、ありゃ、これはスピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』と同じ手法で、ちょっと苦笑しました。
その後のモノクロ映像の美しさは先に記しましたが、構図がやや狭苦しくて、観ていて苦しい。
ベルファストの街が狭いのかもしれないけれど、映画的にはもう少し引いて撮って欲しくて、特にバディ登場のシーン、歩く彼の脚もとを追って撮ったシーンからして足元だけの画では狭苦しく、街の狭さを表わすならば、構図が違うんじゃないかしらん、と思った次第。
その後も、登場人物の台詞のシーンの寄りも、やや寄りすぎの感があって、バストショットぐらいでいいのに・・・と感じました。
と、こういう息苦しさの息抜きをするのがカラーシーンで、カラーシーンは専ら映画館でのカラー映画のシーンで使われています。
つまり、オープニング、エンディングとは別の、ファンタジーとしてのカラーなわけです。
ちなみに、家のテレビで観る古い映画は、当然のこととしてモノクロです。
暴力紛争があり、離れざるを得なかったけれども、やはり故郷は故郷・・・ その想いは伝わりました。
役者陣では、ジュード・ヒル少年、ジュディ・デンチばあちゃん、キアラン・ハインズじいちゃんが良く、特にじいちゃんの「ロンドンではトイレが家の中にあるのかい。トイレはやっぱり外がいいよ」という台詞がよかったです。
全277件中、81~100件目を表示