ライフ・ウィズ・ミュージックのレビュー・感想・評価
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事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。
ズー、ミュージック、エボそれぞれに世界の見え方捉え方がある。ズーは陽気でさっぱりした性格をしているが幾分だらしないところがありそこは自覚しているよう。ミュージックに対しては面倒なところが多く目につき共同生活に四苦八苦する。ミュージックはそもそものOSが我々と大きく異なり心と体を制御するのが難しそうだが、いつも笑顔でいるおかげで皆の癒しとなり愛されている。エボは礼儀正しく仏のように寛容だが反面心を開くのが苦手なよう、孤独な生活を送っている。
物語の後半ズーはミュージックの看病をしている間に仕事の商品が入った大事なリュックを無くしてしまい、ヤケ酒を飲んだ挙句怪我をし、今までは何とかかんとか取り繕っていた生活が手詰まってしまう、が、そこで第一の気づきが訪れる。このままではいけない。自分には入院が必要でミュージックにはきちんとした施設に入ってもらうことが大事だと。そしてミュージックの引っ越しの日二つ目の気づきが訪れる。ミュージックは自分にとってかけがえのない存在であると同時に、自分自身も大切な愛すべき存在であること、エボと愛を学び直したいこと、社会と向き合い生活を立て直したいこと。ポイントはこの間ミュージック、エボ、社会は何ら変わっておらず、変わったのはズーのそれらに対する認識だけである。
どん底に落ちたおかげで気づきが訪れ電車の線路が切り替わるように人生のレールが切り替わる。認識が変われば世界は一変する。どん底も悪いことばかりじゃないかもね。
I’m happy♥
シーア「together」
ポップカルチャーそのもの。と言うよりも、モダン・アートと言える。
それに歌があって、踊りがあれば、次世代の芸術。
ストーリーの展開は日本人好みだが、良いと思う。
但し、彼女をきちんとした施設へ預けて、仕事をきちんとする。が正解だと思う。無理しちゃいけない。
踊りを全員が踊るし、カットが少なく、長回しとCGをうまく使っている。巧妙に。
悪い人物がいないとか酷評もあるかもしれないが、それを差し引いても、以外な人までもダンスを披露してくれるので、もう一度見てみる事にする。
偽善的だが、大好きになる映画だ。
丸刈りにしているけど、お母さんに似ているね。だから、丸刈りにしたのかなぁ?
Music sings Music
「瑞々しい感性」なる慣用化した表現が、これほどに当てはまる映画も珍しいよ。最近は、あまり耳にしなくなりましたが。「瑞々しい感性」とかいう、言い古された表現。映画や小説などの宣伝文句に、よく使われたりしてたんです。でですよ。作品そのものを見てみると、読んでみると、「どこが瑞々しいねん?」ってしか思えなくって、おおむね。
でも、これは好きやわぁ。
結婚披露宴のステージで。Musicを唄いだしたのがMusicだと言う、反則級のクライマックスの、恐ろしく控えめな演出が、大大大大大大好きです。と言うか、ボロリーーンと来た。ポロ、っじゃなくて、ボロリです。いきなりだったんで、あまりにもw
人は生き方を変えられる、系の小さな小さな物語の登場人物は、脳性麻痺を抱えた女の子と、ドラッグの売人で糊口をしのぐジャンキーな姉上と、HIVに冒されているアフリカ移民の元ボクサー。底辺で生きる人たちの、哀しくて、寂しくて、暖かい毎日は、ルーチンを壊されればパニックを起こしてしまうMusicを軸にして、くっきりとした時刻歴の上で展開して行きます。
「弱さ」は人それぞれ。「弱さ」への対処の仕方も人それぞれ。
同じ様に。
「強さ」も人それぞれで、「強さ」の使い方もまた、人それぞれ。
過去や現実から逃れようとする弱さ。
養父の暴力への恐怖。
対人交渉の図太さや、他者へ見せる優しさ。
優しい養母を守ろうとする勇気。
自分の世界に没頭するMusicは、機械によって感情表現する事を覚えますが、自ら言葉を発することは出来ず。他者を責めたり貶める事を知りません。他者に頼ることでしか生きられないけれど、それが当たり前の事だと思っています。純粋に、無垢に、他者を信じているだけなのに、それが人の心を掴むと言う。
Musicの脳内を再現したプチミュージカルの原色バリバリ演出が、結構好き。シンプルなMusicにピッタンコで。
Siaの初監督作品と言う事ですが、Musical部分以外の映画部分の出来が、壮絶に良すぎて驚愕ですw
と言うか、お願いしたいのは、「もっと撮って!」
良かった。結構。
【”音楽は聖人である・・。”劇中で頻繁に表現される原色をベースとした奇抜な衣装によるミュージカル&アーティスティックなシーンのインパクトは視覚的に強烈。ポップ・カルチャー愛が横溢するマジカルな作品。】
ー ”Sir"という顔を出さないポップスターの存在を全く知らずに鑑賞。
資料によると、今作は彼女の初監督作品だそうである。
芸術家の才能というものは、凄いモノである・・。ー
◆感想
・脚本も監督が手掛けたそうで、少々粗い部分もあるが、劇中頻繁に表現される原色をベースとした奇抜な衣装によるミュージカル&アーティスティックなシーンのインパクトが凄い。
今まで観た作品の範疇を越えたマジカルな作品である。
・ズー(ケイト・ハドソン)は10年振りに、アルコール依存症者が入居している施設から”保護観察”状態で実家に戻る。
だが、母は突然死して、ズーを慕う音楽好きでいつも青いヘッドホンをしているミュージック(マディ・ジーグラー)の面倒を彼女が観る事になるが・・。
・隣人の黒人エボ(レスリー・オドム・Jr)が、とても良い心を持った元プロボクサーで、妻を兄に取られながらも悲しみにめげる事無く、ズーとミュージックの面倒を見る。
■そして、上記3人は、元妻の結婚式で歌い、踊り、ズーは自分達を支えてくれたエボにプロポーズする。それを、嬉しそうに受けるエボ。
<物語は少々粗いが、それを劇中頻繁に表現される原色をベースとした奇抜な衣装によるミュージカル&アーティスティックなシーンが吹き飛ばす快作。
ポップ・カルチャーが好きな人は、今作をどう見るのかな・・。
私は、面白く鑑賞しましたよ。>
タイトル
このタイトルは妹のミュージックとの暮らしもあるけど、日常の中や頭の中の音楽と共に生きていく事を言っているのですね。3人がそれぞれ大きな問題を抱えていますが、それをお互いにカバーして生きていく選択は、問題も多いでしょうけど、幸せな時間が過ごせる事を祈ります。
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