「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。」ライフ・ウィズ・ミュージック Giovanniさんの映画レビュー(感想・評価)
事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである。
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ズー、ミュージック、エボそれぞれに世界の見え方捉え方がある。ズーは陽気でさっぱりした性格をしているが幾分だらしないところがありそこは自覚しているよう。ミュージックに対しては面倒なところが多く目につき共同生活に四苦八苦する。ミュージックはそもそものOSが我々と大きく異なり心と体を制御するのが難しそうだが、いつも笑顔でいるおかげで皆の癒しとなり愛されている。エボは礼儀正しく仏のように寛容だが反面心を開くのが苦手なよう、孤独な生活を送っている。
物語の後半ズーはミュージックの看病をしている間に仕事の商品が入った大事なリュックを無くしてしまい、ヤケ酒を飲んだ挙句怪我をし、今までは何とかかんとか取り繕っていた生活が手詰まってしまう、が、そこで第一の気づきが訪れる。このままではいけない。自分には入院が必要でミュージックにはきちんとした施設に入ってもらうことが大事だと。そしてミュージックの引っ越しの日二つ目の気づきが訪れる。ミュージックは自分にとってかけがえのない存在であると同時に、自分自身も大切な愛すべき存在であること、エボと愛を学び直したいこと、社会と向き合い生活を立て直したいこと。ポイントはこの間ミュージック、エボ、社会は何ら変わっておらず、変わったのはズーのそれらに対する認識だけである。
どん底に落ちたおかげで気づきが訪れ電車の線路が切り替わるように人生のレールが切り替わる。認識が変われば世界は一変する。どん底も悪いことばかりじゃないかもね。
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