「誰かのために優しく」ライフ・ウィズ・ミュージック つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
誰かのために優しく
ゴールデンラズベリー賞を何部門か受賞しているのでクソ映画のカテゴリに入ってしまうのだろうけど、実際はそんなことないイイ作品だった。
ストーリー部分はありきたりで特別なものは何もないけれど、姉妹ミュージカル版「レインマン」のように感じた。
人が死んだり悲劇的なことが起こるものの全体的には優しい作品で、どちらかというと優しすぎてリアリティが欠如しているようにさえ思えるが、ミュージックの空想のようなミュージカルシーンがすでに幻想的であり、その辺を上手く誤魔化しながら力強く牽引したと思う。
自閉症のミュージックの気持ちはもちろん分かりにくいけれど、空想のシーンの中にミュージックの気持ちが微かに見えるように思えるのはとてもいいし、空想が見えない姉のズーが空想の影響を受けて変わっていっているように感じるのもいい。
つまり、辻褄なんて全く合っていなくとも、観ているこっちがそう思えることがいいんだ。
あまりミュージカルっぽくはなくとも好みは分かれる作品かなと思う。
しかし自分は大いに楽しめた良作だった。
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