「音楽◎、演出◎◎、物語は詰め込み過ぎな△」ライフ・ウィズ・ミュージック 015🎬さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽◎、演出◎◎、物語は詰め込み過ぎな△
待ちに待った天才シンガーソングライター、Sia様の初監督作品。いや、正直言って映画撮るかもと言われてから公開まで時間が経ちまくっていたので(2019年くらいには話が出ていたような)、存在自体忘れていました。
なお、この作品の主人公は彼女の代表曲Chandelierでも起用されているMaddie Ziegler氏ですが「非障がい者を障がい者として起用している」という理由で、キャスティング自体が炎上したことがあったようです。
本当は実際の障がいをお持ちの方を起用しようとしたところ、撮影現場に馴染めなかったなどの理由で(ご本人自身にストレスがかかってしまったため)辞めた、とSia自身が釈明しているようですが。
それはそれとして、肝心な内容はどうだったかと言うと-
音楽→◎
演出→◎◎
ストーリー→詰め込みすぎの△
でした。個人的には。
最初観た時には主人公のミュージック(自閉症持ちの少女、なおミュージックは名前)を中心に話が展開されると思っていたんです。が、蓋を開けてみたらいつの間にか保護観察中の姉ちゃんとその彼氏も主人公扱いだったという。
いろいろあって孤独な生活を送らざるをえなくなった姉ちゃんと、とある理由でパートナーを持てない彼氏と、このミュージックとのいわゆる似た者同士の擬似家族的な話が中心でした。
だから姉ちゃんのターンにもシーアのMVみたいなパートはあるし、彼氏のターンにもある。
そこはミュージックだけにしてほしかったな、と少し残念。
ただ、だからと言って観なくて良いかと言えば、そんなことはないです。あの独特なMV風のミュージカルパートとSiaによる珠玉の楽曲群。
自閉症の子のケアについても、なるほどなあ参考になると思う場面が結構ありました。拘束する場面はやっぱり関係団体から苦言を呈されたみたいではありますが。
あとでっかい少年。キミ、凄くいい仕事してた。
いろんなところにツッコミもありますが、題材的にもビジュアル的にも楽曲的にも結構見応えはあったので、個人的にはお値段以上に観る価値はある作品と思いました。
てか全然客が入っていなかったのですが、一番の敗因は控えめな構成のチラシだと思う。a film by SiAがちっさすぎるわ。海外のはそこそこな大きさでアプローチかけてんのに。