「ママの望むいい子という呪縛からの解放。家族の再生ではない。」私ときどきレッサーパンダ マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
ママの望むいい子という呪縛からの解放。家族の再生ではない。
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ママの望むメイと、メイ自身が望むメイはもちろん違う。メイが自分の思うままに生きようと思えばママの望むメイではいられない。メイはママの期待に応えようと頑張ると同時に、ママが望まないメイは隠そうとする。ママの前ではママの期待どおりのイイ子のふりをする。しかし抑え、隠し続けた感情、欲望が爆発するとメイは赤パンダに変身する。親離れ、親の子離れの時期だ。
僕が1番感動した場面だけ書く。後半、巨大ママを一族で取り押さえ、そのあと円陣の中でパンダ封印の儀式を行う。この時、メイだけパンダとともに竹林に残る。メイは、パンダはメイ自身、あるいは自分の大切な1部で切り離せないと思ったのかもしれない。そしてパンダのまま、あるいはパンダとともに生きることを選択する。パンダを否定しない選択をしたと言ってもいい。
僕はこの場面に、「あなたは、あなたのままでいい」というメッセージを感じて感動した。これはたぶん最近の世の中の傾向、流行りで、尚かつ最近の僕のお気に入りのメッセージだ。 映画の中にこのメッセージを見つけると感動して映画の評価が上がるというのが、近頃の自分のパターンだというのが見えてきた感がある。
エンドクレジットの途中でイラストと一緒に、DON’T WORRY BE PANDA というのがあって、まさにこの映画のメッセージそのものだと思った。 BEの前にTOか ,が必要だと思うが、まあいいか。
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