母性のレビュー・感想・評価
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個人的には面白かったです!
(ネタバレですので鑑賞してから読んで下さい)
意外に他レビューの評価は低いようですが、個人的には面白かったです。
おそらく低いレビューが多いのは、(一般的に想像する)「母性」のないルミ子(戸田恵梨香さん)に対してほとんど理解が及ばなかったのが理由なのではとは思われました。
しかし、時代背景がほとんど描写されていないから分かりにくいですが、ルミ子の夫(三浦誠己さん)とルミ子の親友(中村ゆりさん)が学生運動をしていたとの描写から、ルミ子は団塊の世代(現在で言うと70代~)であることが分かります。
となると、ルミ子の娘の清佳(永野芽郁さん)は団塊ジュニア(現在で言うと50代前後)の世代になると思われます。
つまり、学生運動後の高度成長期にがむしゃらに働いていた夫と、夫に家庭のことに関心をほぼ払われず精神的に孤立していた専業主婦の妻とその母親、そしてその専業主婦の娘の話だと考えれば、この映画のストーリーもしっくりくるのではと思われました。
こういう精神的に孤立していて、あのような振る舞いしか出来ない女性はある時期確実にいたのだと思われます。
仮に、こんな(一般的に想像する)「母性」のないルミ子や、ひたすらルミ子に嫌味を言い続け実の娘を一方的に溺愛しているルミ子の義母(高畑淳子さん)などの感覚が理解できない人が現在では大半なのであれば、今の時代は女性にとっては幾分かは当時よりはましな精神状態に置かれるようになったともいえると思われます。
そういう意味では、この映画はしっかりと初めから時代背景は現在とは違うと描いた方が良かったのかもしれません。
個人的には、火事でルミ子の実母(大地真央さん)が自ら命を絶つ場面は、さすがにそれはないだろう、とは思われましたが、それ以外は時代背景踏まえて個人的には、面白く見ました。
あれ…?思ってたほど印象に残らなかった
原作好きで、結構期待していたんだけど、終わり方というかなんか不完全燃焼な感じがしました。
戸田恵梨香さんも母親役をやるようになったんですねー!
大地真央さんとの母娘具合はとても良かった!
お母さんが大好きで大切に育てられて、自分の娘までもお母さんに取られた感じがしてるところとか、なかなかでした。
子役の子も聞き分けの良いところを演じるところとかよかった。
高畑さんの嫌な姑関係とか、それでも甲斐甲斐しく世話するところとか、見ていて泣けます。
それでも最初は良かったのにね。孫はいい子だと褒めたりしてたのに。家に転がり込んでから冷たくなったのね。
お母さん側からの視点は悪くないのに、娘からの視点が分かりにくかったかなあ。
めいちゃんがそんなに印象に残らなかったのが残念。
これは演出もあるかも。お母さんがそこまで嫌な人に見えなかったのは、気持ちがそっちに持っていかれたからなんだろうなあ。
娘からはもっと違う側面の母がみえてもよかったのにな。
そして母の味方すらしない父親も情けなかったなあ。最後酷すぎでしょ。
妻の実家で何してんですか、人でなしか、、あの二人も結構どうなったのかよくわからなかったなあ。
最初、死んだ高校生が娘かと思ってて、生きてるし、あれ?とわからなくなってました。
教師になったってて同僚の元学校で事件があったってことなんですね。わかりにくかったなあ。
それぞれの娘の物語
母と娘の関係を3世代で描く。
ただ3世代の母というより娘の想いと願い。
娘へと大きな愛情を掛けること、それは山から湧き出る水が川の様に海へと流れることを願い母から娘、娘からその娘へと引き継がれる希望と現実。
それぞれの想いをパート毎に描き、母と娘の関係性を浮かび上がらせるのだが観てるものにその想いとの乖離を感じつつ物語は終着点へと進むのだが、物語の流れは干上がった川のごとく停滞してる様に感じた。
私が男だからなのかもしれないが。
スッキリしたものを求めたわけでは無いがどうしても感情を揺さぶられる想いを感じることがなかった。
スゴいところ✨と、残念なところ💧
娘の視点と母の視点…で、違うように見えるのはどう描くのか期待して見てみました。
戸田恵梨香さんと永野芽郁さん、それぞれの絶妙な、微妙なお芝居の違いで「母からはこう見えるんだ…」「娘からするとこんな感じに見えるのか…」と女優さんのお芝居のクオリティに感心しました。
特に表情!微妙な目つきとかすごい!
アングルやカメラワーク、灯りの当て方ももちろん上手に組み合わさっていると思います。
何度も見返したくなるようなシーンがいくつもありました。
残念だったのは「予算」なのかなぁ…
※以下、ネタバレ可能性あり!
1つはキャスティングと、もう1つは一番重要なシーン(大地真央さんとの火災での別れのシーン)の作り方がどうにも…という感じ。
肝心なポジションは顔の見える役者さん(というとご本人方に失礼にはなりますが)だといいのかなぁ…と個人的には思います。
「誰、この人?◯◯さんっぽいけど違うよな…」が気になって、作品に集中できないことがあるんだと実感しました。
「この人は誰っぽいな…」とかも考えちゃう。
そこに時間取られたくない。
脇役と言うにはあまりに大事なポジションですし…
でもこれらは予算の都合で、顔のある役者さんがもうツモれなかったのだろうと推測しました。
それと火災のシーン。
あれはおそらく原作を読んだら「ここはどう描くんだろう」とみんなが期待するところかなと。
にしては残念すぎる。
かなりタイトに見せていて(広範囲で火災の絵は作れなかったのだろうと思いますが)、スケール感がこじんまり…。
これも予算かな…とか気になるともう集中できない。
余計なことを考えさせない作品ってつくづくすごいんだなと思います。
期待が大きかった分、落胆も大きくなっちゃうかな。
そんな感想です。
母性って..
母性ってやっぱり元々備わってるものではないし、ひとりひとりによって違うものだと思う。
生きた時代も違う、育った環境も違うからこその様々な母性があって、母娘であっても別人格の人間であって、改めて子育ては一筋縄ではいかないのだろうなぁと思った。
ラスト、みんな幸せでよかったーと思ったら、ルミ子が律の家に消えていったときはちょっと戦慄。ルミ子の"ずっと娘でいたい"って想いはかなっと言えるのかもしれないけど..
母親が及ぼす魔力
え?このラストで正解なの??
戸田恵梨香さんが凄まじかった…。
もう本年度のアカデミー主演女優賞は戸田さんしか思い浮かばない。
纏う空気感が尋常ではなく、それを継続させる表現力も卓越し円熟してる。彼女を観れただけでも眼福だと思える。
なのだけど…物語がよく分からない。
まるで「詳細は小説にて」とはぐらかされたような気分になってる。
タイトルは「母性」
大きく包み込むような愛情を連想しはするが、今作をみる限り支配者のように見えてくる。
自分の価値観を子供に植え付け、自分が死んだ後にでも変わらぬ影響力を放ち続ける呪詛…いや、まぁ、確かに子育てのプロセスは変わらないとは思うけど、与える価値観が歪んでしまえば、こんなに取り返しのつかない事はないのではとは思う。
コレは警鐘なのか?
歪んだ価値観が蔓延してる現代で、それをまさに空気のように吸収してきた世代たち。
極端ではあるが、自主性を放棄させられ親の言葉に盲従してきた者達への。いや、それも浅はかな詮索かもとは思う。
戸田さんの役を思い返すに、母親と呼ばれる女性たちの業を一身に背負っていたように思う。
極端だとは思うけど、根源にあるものは変わらないんではないかと思えてしまう。大なり小なり降りかかるもので、戸田さんの場合は極大だった。
彼女が唯一、彼女として向き合える対象が娘だった。
それ以外の彼女は常にベールを纏ってる。
我慢しか選択肢がないような状態だ。
その生気のない顔からは読み取れるものがない。
唯一、娘にだけ不満を露わにする。血縁とはこうも強固で厄介なものかと思えてしまう。
本作では、異なる視点からなる解釈が描かれはするのだが、見終わって思うのは、それすら主観でしかないのではと思う。どちらも何かが抜け落ちてるのではないのかと思う。核となる認めたくない何かを巧妙に回避する為の正当性の付与…記憶の改竄にもそういうものが含まれる場合もある。
本質を語らない事こそが、もしくは語れない状況こそが、この作品の本質なのかと考えてしまう。
戸田さんの懺悔における一言が印象的だった。
「私が間違っていたのです」
その一言を発する彼女は死霊のような空気を纏う。懺悔が許される空間で牧師から懺悔を促されソレが肯定される。そんな中でも彼女は本心を吐露する事はなく、あるべき姿に殉じたように見えた。
「母性」という戒め。
そんな側面を垣間見た気になった。
なぜかハッピーエンド感が漂うエンディング。けれど、何一つ解決されず、何一つ明かされないままに思う。そんな本作だからこそ小説に興味が湧いた。
映画としてはどうなのだと思うけれど、戸田さんは絶品だった。
狂
最後の2、3分まではとても面白く見れた。
同じ事件を別の人物の視点から描くのは邦画だと「ミセスノイズィ」や洋画だと「最後の決闘裁判」なんかでも使用された表現方法だが飽きることがない。
殊に今回は戸田恵梨香さんというスーパー演技派の女優さんがいらっしゃることでよりその変化が際立つ。
特に目が素晴らしい。
母を見る目と母以外を見る目の落差にはゾクっとする。
母も娘も母から受けた仕打ちは真反対なのに母に執着する。
永野芽郁さん演じる清佳だって母から愛されようと「手が気持ち悪い」と言われれば執拗に手を洗う。
最後居酒屋でも念入りに手を洗って出てきたところからもまだ母に対する執着があるのかもしれない。
そんなふうに想像できる描写があったのに、ラスト清佳に「私はどっちかな」なんて言わせるのは途端に作品がチープになる気がして少し残念だった。
永野芽郁さんは高校生と妊娠した母の姿を的確に演じ分けていて今作でも安定の演技力。
清佳が父と父の浮気相手に対して正論をぶつけるところはスカッとした。
こんな連中いるのかね?
基本的には異常者の物語。
それならそれで構わないんですが、サイコパスがテーマである事に途中まで気付かなかったので、非常にストレスフルでした。
サイコパス抜きにしても、この人物造形は少しおかしいよ。特に孫。
あんな風に大人から阻害され続けた子供は、周囲に対して無干渉に育つと思う。あんなマザコンに育つでしょうか…?
私の相貌認識能力に問題があるかもしれんけど、冒頭の教師=成長後の孫という事に最終盤まで気付けなかった。
原作ではそれがミスディレクションとして上手く機能してたかもしれないけど、映画ではどうなんだろ?成長後の姿は最後まで出さない方が良かったと思う。
予告編も「看板に偽りあり」な気がする。親子の秘密なんか大した事なかったし(しかも観てれば誰でも予想がつく)。
ラストが良い話風で終わったのも気に入らない。あんなに丸く収まる訳ないだろ。
ホラーミステリー風味のホームドラマでした。
ただ愛されたい「娘」たち
イヤミスの女王 湊かなえ原作で
「母性」というタイトル📖’、
それだけで不穏な空気が漂いまくってます。
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「母性」とは…。
女性のもつ母親としての性質、
母親として自分の子どもを
守り育てようとする本能的特質。
・・・・・・・・コトバンクより
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母性・・・
女なら誰でももっている性質と
言われても困るのです。
親子と言えど相性があって
女親と娘なんてのは、無二の親友のようにも
なれる反面、対立しあって憎しみ合うような
パターンも少なからずある。
思春期の頃にどちらも経験し
晩年には良好な関係性を築く事もできる。
女親と娘とはなかなかバランスが大変だ。
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まさに本作はそんなお話しだった。
予告からは、もっと陰惨な物語かと
想像していたけど、それは違っていた。
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ルミ子の実母(大地真央)の良妻賢母っぷりが
時に毒親に見え、またあるシーンでは
某CMを思い出させ、吹き出してしまった。
あれ、絶対計算してると思うw
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ルミ子の義母(高畑順子)が本当に
く〇BBAでまじむかつく←褒めてるw
その義母に献身的なルミ子(戸田恵梨香)を
応援したくなるのだが、自分が「娘」としての
立ち振る舞いは、きちんとできても(義母になぜ嫌われるかわからんほど)
「母」としては…(ry
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清香(永野芽衣)の母親に愛されたい娘が
とにかく痛々しくて泣ける。
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同じシーンを母親視点と娘視点で語る手法で
同じシーンのはずなのに色味、音、表情が
180度変わるのも面白かった。
"母と娘"がキーとなっているが、私的には大人の汚さが良く分かる作品だった。きっとこの作品に"親"という存在はいなかったんじゃなかろうか…
まず先にやっぱり告白の様な衝撃は感じられなくて残念ではあったけども、それ以上に内容が私にブッ刺さった作品だったと思います。本当に観に行ってよかったです。3.5かなと思ったけど、4.0にしときます。
ずっと母ルミ子は「母親に愛されたい"娘"」のままで、娘清佳は「母親に愛されたい娘(子供)」で一方通行でしかなかったのはよく理解出来た。
その上で私は「大人って嫌な生き物だな、やっぱ嫌いだな」と思えた作品だった。
多分私の親は毒親で、共感してしまったり、胸糞悪い思いをしたシーンが多々あって、レビューなんてあまりやらないんだけども、感想というか感情を自分の為にも整理したくて、そう思えたシーンを綴っていきたいと思います。
・義母が祖父母の参観日におもてなしをされて「鼻が高かったよ、流石田所の娘だ」発言。大した家でもない癖にw
・2番目に印象的だったのが、清佳「だったら子供の前で言わないでよ」と反論した際に徹底的に追い詰めようとした義母の存在。「うわ…これだから大人は嫌いだ…」と思った。そして機嫌の悪い時の私の母の顔によく似ていて、言っていた内容は違えど、私の運転について口うるさくなっていた父の言い方とも似ているなと思った。あと途中りっちゃんの「だって私働いてるもん」の発言が「私は関係ない」と言ってる様でちょっとイラっときた。幼かった頃の私の家と似ているなとも思った。
子供がやっとの思いで紡いだ言葉を頭ごなしに力で潰す大人の様が本当胸糞悪くて大嫌い。
・1番に印象的だったのがやっぱり浮気がバレた所。
ドラマ「わたしたちはどうかしている」を原作と共に見ていた私的に、冒頭で中村ゆりが出てきた時既に「あっ、察し…」と察した通りの展開で笑ってしまった。
その中村ゆり演じる浮気女が「あなたは世間を知らない、大人は大変なのよ…」と物凄い上から目線に胸糞悪い思いをした。何言ってやがんだ不倫してる癖に…どの口叩いてんだよ、大人なら大人の大変さを教えるのが大人だろ、面倒くさがって「大変なの」で片付けんなや、「小さな絶望の積み重ねが人を大人にするのです」とナナミンの如く教えてやれやクズが。と、僕は思いました、まる。
父親も父親で清佳の事は愛していなかったろうし、あれも"父"ではなくて"息子"のままだったのではないかと思う。
あと気づいたのが、母の実家の玄関を開けると赤い薔薇の暗い絵はまあ火事で無くなってもおかしくはないだろうが、それに相対する様に水色の紫陽花の明るい絵が飾られていた事。
あの場で、あの状況で、清佳はよく立ち向かったと思うし、「よく言った!」とも思った。酒の瓶を割るんじゃなくて、浮気女に投げつければ良かったのよ…!!というか「子供」と思っている子の前でタバコ吸うなよ…そういうとこだよな…"お前ら"…
あの場だけに限った事ではないが、"親"と言う存在はあの場どころか、この作品自体ににはいなかったように思える。
・まあこれは誰もが思ったであろう事だけど、母ルミ子の証言の曲げ方だな。
ルミ子目線…
「お弁当落としちゃった☆」「小鳥さんにしたら?」「(抱きしめて)愛してる♡」
清佳目線…
「え、母お弁当床に叩きつけた…??」「え、お弁当ほっといて父のとこ行く…?『小鳥さんにしろや』あ、うん…(怖…」「(首絞めて)『愛してる♡』」
こういうことってルミ子みたいに歪んでいなくてもやる人はやるよね…
あとなんかあったかなぁ…?
思い出せないだけであるかもしれないしないかもしれないけど、とりあえず最後に駆け落ちした男とりっちゃんが幸せそうでちょっと救われた。そして清佳ちゃんも前を向いて歩いて終わってなんか…「…うん…うん……!」となった。
やっぱり1度きりの人生なんだ、誰かに献身して生きるのなんてゴメンだ。他人に献身するくらいなら自分を大事にして生きていきたいと再び思えた。
私自身、「母か娘か」と聞かれれば圧倒的に"娘"です。というより、生涯どう足掻いても"母"というものにはなれないと思ってます。それは私の母が"母"ではなかったり、姉も"娘"のまま母親になっているからとか関係ないしそもそも2人ともちゃんと"母"であるかもしれないし…"娘"というか「見た目は大人素顔が子供」の私には分かりません。
あと、疑問に思ったのが、大人になった清佳が聞いた自殺した子の母親の証言とルミ子やルミ子の実母が言っていた事「愛能う限り娘を育ててきました」がなぜ一致するのか、腑に落ちません。そんな有名な台詞?これからなるかもだけど…
あと、個人的にこの作品に"親"はいないって私は思うけど、同時に「じゃあルミ子の実母は?」とも思うけど……ルミ子の実母は「娘に愛されたい"娘"」だったらしっくりくるかなぁ…って。あんな無愛想な田所と結婚の話が出てきても、ゴリゴリに後押ししていたし、結婚した後も娘にべったりで、清佳が産まれても尚まだまだべったり…あんなもんか?…私の母と姉以上のベッタリ具合だったな。
りっちゃんの如く誰かにお金を借りようともせず、自分の力だけでお金貯めて、早く実家脱出しよ。
(毒親であったとしても職場の人達には恵まれている方だと思うし、なんなら職場の方が居心地が良いとさえ思える時もありますが、なんとかやれてます。がんばるます。)
原作を読んでませんが
原作を読んでませんが、楽しめたの半分、義母、ルミ子、夫には全く共感できずもどかしさやイライラが半分って感じです。
大地真央がカッコよかったこと、永野芽衣の熱演、そして、少し気持ち悪さが残るも戸田恵梨香の鬼気迫る表情も良かったです。
ただやっぱり、女・子供をターゲットとした、日本の弱いものいじめの構造には、共感できませんでした。
タイトルなし(ネタバレ)
親の子への接し方がいかに子供の親に対する感じ方やその子の考え方に影響するのかということをこの映画を見て学びました。
戸田恵梨香さん演じるルミ子は子供時代から大地真央さん演じる母親から無償の愛を受けて育ち、それに伴ってルミ子自身も母が大好きになり、その好意に応えようと振る舞っていく。
一方、ルミ子はその後母親となり、自分の娘を持つようになるが、その娘への接し方や思いはルミ子の母への愛情を伝えるための手段の要素が強くなってしまい(もちろん娘自身への愛もあるが)、娘も母の振る舞いをそのように解釈して。
母娘の同じ事象を別の視点から描いている部分がすれ違いがうまく表現されていて面白かったです。またある事件以降のルミ子達が義母の家で暮らし始め、義母のルミ子への接し方の理不尽さがすごかったです。
母親という存在
母の母と娘の母という二つの母親像から描かれる興味深い作品でした。
戸田恵梨香さん演じるルミ子の視点から描かれる世界と永野芽郁さん演じる清佳の視点から描かれる世界のズレを第三者の視点から見ることによって、人間の認知のズレや記憶の曖昧さが際立ち、それがこの作品を魅力的にしているのだと感じました。
ルミ子は確かに自分の母親を中心として世界を見ている人物で娘に愛情を注いであげられない人ですが、ルミ子の過去を丁寧に描く事で、義母に対する行動や、娘に対する行為の理由が理解でき、あまり否定的な感情を抱かずに観ることができました。(怖さを感じることはありましたが…)
劇中には考えさせられる台詞も多く、清佳が言っていた女性は母親か子どもどちらかに分けられるという言葉は子どもを産んでも(精神的に)母親になれない人もいるという意味で個人的に刺さる台詞でした。
だからこそ、清佳の最後の台詞の重みも出てきていると感じていて、
実際子どもを産んでみて自分が母親になるのか子どものままなのか、それはその時になってみないと分からない。そういう不安を見事に表現された言葉で、自分はどちらなんだろう、と考えさせられました。
脇を固める俳優陣の演技も光っていて、特にルミ子の義母役を演じた高畑淳子さんのザ・嫌な姑感は見事でした笑。
全体的に”母親とは”を描いていて、母親という存在を再認識する作品となりました。
観せ方が下手
冒頭で首を吊った女子高生はミスリードなわけですが、観せ方が下手だなと感じました。
大人になった永野芽郁を序盤で出してしまうと首を吊ったのは別人だと分かってしまうので面白さが半減。
はじめは、まさか別人だろうと思って混乱しました(笑)
ストーリーは面白いのに勿体ないなと思いました。
実際に親になっても、ずっと娘でいたい女性はいると思うのでリアルでした。
実の親が死んでも誰かの娘になろうとする戸田恵梨香は不気味でした。
大地真央の演技は圧巻。
男性と女性で感じ方は変わるかもしれません。
女優の無駄遣い
すごくガッカリだった。「母性」と言うタイトル、私が思ってたのと、なんか違うって感じ。
戸田恵梨香さん凄く好きな女優さんなんだけど、なんて使い方してくれたんだ!と言うのが私、個人の感想。でも途中退席しなかったのは最後にアッ!と驚く何かがあるのかも・・と期待して観てたけど・・・・(失笑)
結局、何が言いたいのかわかんない映画
私が脚本家なら
「マザコン娘の母性探し」とでもタイトルつけただろう
演技がすごい
戸田さんと永野さん、そして高畑さんの演技がすごい!
圧巻でした😳
母と娘の視点はそれぞれ違ってて面白かったです
母からの視点は抱きしめていたけど
娘からは視点は首を絞めていた、、
娘からみる視点はとても威圧的で怖かった、、
さすが戸田さんです!
柔らかい表現で言うと
母のルミ子が1番変わってる人😅
女は母か娘か
と言うのは個人的にちょっとわからなかったな〜
もっといろいろあるのではないかと思いますが、、
そして原作がどんな感じなのか読んでみたくなりました!
いろいろ考えさせられるとてもいい映画でした!
ありがとうございました😊
わかってた、しんどい
題の通り"母性"、ひいては"母娘"という関係をめぐるお話です。
「毒親」という言葉に収束させるにはあまりに複雑で屈折した思いが交錯し、祖母・母・娘へと連続する女の"性"がじめっと描かれています。
プロットとしては母視点、娘視点でそれぞれの心象を描写しながら物語が進行します。
お嬢様家庭で育った母視点ではお淑やかで丁重な娘への注意は、娘視点では非常に威圧的に映っていたのはかなりインパクトがありました。
娘にとっての母への畏怖や嫌悪、自身に対する愛の欠如を理解した原風景とも言えるシーンだと思います。
終盤の娘の自殺未遂は、これまでの登場人物たちの陰鬱とした感情が一気に発露されたような出来事に思えます。
事実、これを契機になんだかんだで登場人物たちの人生が次へ、前へ進みました。
各々の思想や感情がどれほど行き場を失い吹き溜まっていたのか。
傍観者である私からすると「一段落は着いたのかもしれないけど当人同士でめちゃくちゃ尾を引くんじゃ…?」と思わなくもないですが、そこを不思議と爽やかで前向きに終わらせるのが湊かなえ作品らしいなと思いました。
「女は母と娘の2種類」というセリフがとても印象的です。
母の母の娘は母
サスペンスなのかと思いきや、少し哲学的な人間ドラマでした。
母親が、子供を溺愛するが故に暴走するパターンは王道なれど、究極のマザコンの姿はあまり無かったかも。しかも、あからさまな洗脳ではない洗脳。3代の女性のどこにも悪意が無く人のために尽くして善良であるが故に、余計に残酷さが感じられる。
すべて母親の勧めにあわせて生きてきたルミ子。結婚相手も母親の意見になびいて決めるほど。やがて娘の清佳が産まれ、一家三人で幸せな家庭を築く。時折訪問してくる祖母に喜ばれるように清佳を躾けるルミ子だが、祖母の意向を汲み取らない清佳が許せないルミ子。そのあたりから、二人の関係が怪しくなってくる。母親が絶対のルミ子と、そんな母に振り向いて欲しい娘の清佳というややこしい闘いが始まる。
ルミ子の配役は戸田恵梨香、娘の清佳は永野芽郁、祖母が大地真央。なかなか妙味のあるキャスティングだ。特にルミ子、清佳はかなりの難役。おそらく、役者が変われば大きく違った解釈になるくらいの、深さのある脚本と思う。
母娘の一方通行の好意は、切なさより不気味さを感じさせる。キリスト教の「他人を愛せよ」の教えが並走し、ルミ子がそれをひたすら貫く事で、関係がより歪む。それが皮肉なく描かれることで、物語の異質さが浮かび上がる。そんな違和感を感じながらの鑑賞となるのだが、物語が進むのにつれ、居心地の悪さも感じるほどのストーリー運び。人には、母性は温かく、優しくあってほしいという願望があり、その隙間を的確に突いているのだ。心地よいものではないが、印象的であることは確かだ。
個人的な好みとしては、ラストは少し余計だったかな。ルミ子が部屋の電気を消して、ドアを閉じるところで終わったら、余韻が残ってよかったのではないかと思う。その後の清佳のシーンは、救いと含みはあれど、少し平板な終わり方に思えた。
内容の好き嫌いは分かれそうだが、映画としては良い作品だと思う。
全85件中、41~60件目を表示