「感情移入しにくい」母性 プライアさんの映画レビュー(感想・評価)
感情移入しにくい
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戸田にとって母親の真央はいつも褒めて励ましてくれる太陽のような存在だった。
その母の教えで、いつも人の役に立つことを考え、人の目ばかり気にしてた。
やがて戸田は結婚して娘を生むが、それでも心は娘のままだった。
母が娘に優しくすると嫉妬のような気持ちを持ったりもした。
また娘にも人のためを押しつけ、できない場合は冷たく接した。
そんなある日、火事が起こり、母を亡くす。同じ部屋にいた娘は助かる。
こうして家族は夫の実家で暮らすことになるが、義母が口うるさい。
それでも我慢して自分の感情を殺して生きる戸田・・・。
娘の永野は高校生になり、親の影響で他人の目を気にする所はあった。
火事の件もあり戸田はどこか永野を遠ざけてたが、永野は愛されようと必死。
そんな家庭環境がイヤで戸田の夫は不倫にいそしむ・・・。
不審に思った永野が尾行して明るみに出たのだが、過去の事実を知ることになる。
火事の時、真央がタンスの下敷きになり、這い出せば永野が下敷きになる状況。
戸田は娘より母を助けようとし、真央は自ら死を選んで永野を助けたのだった。
それを知った永野は首を吊る。でも未遂に終わって大人になり、妊娠する。
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母娘三代にわたる愛憎劇みたいな感じで、心理描写は面白かったのだが、
何かそのまま最後までダラダラ行った感じで盛り上がりに欠けたかな。
っていうか戸田がなあ・・・他人の目ばかり気にして、自分を押し殺してる。
自分の感情とも夫とも娘とも向き合わない。絶対にこうはなりたくないわ。
だから全く感情移入できず、だからって夫にも永野にも同調できない。
好意的に見られるのは真央さんくらい。そのへんが何か物足りないかな。
あと高畑淳子の、意地悪ではないが面倒くさい姑役がお見事やったなw